センター試験は悪者なのか
今日と明日行われるセンター試験で、いよいよ大学入試が本格的にスタートする。50万人以上が一斉に臨む..........≪続きを読む≫
前身である共通一次試験から数えると,もう35年も続いているこの入試制度。
なんだかんだといっても,よくできているシステムなんだよね。
教育制度のあり方が問われたり,学生の質の変化が話題になったりすると,たいがい「マークシート形式」「正解があるという前提の思考習慣」など,センター試験が元凶のように叩かれることがあるけれど,
本当の元凶は・・・
「センター試験」を(高校時代の)勉強のゴールに設定してしまう,現場の先生方
だと,私は強く思う。高校・塾予備校問わずね。
センター試験は,大学入試においてあくまでも通過点
なんだから,マークシートでもいいんだよ。本当の思考力は国立なら二次試験,私立なら独自の入試問題で確認すればよい。本当の勝負は,センター試験の先にあるはず。
高校野球で例えてみると,センター試験って「地方大会の決勝戦」。定期テストが「近所の高校との練習試合」で,受験を想定した模試が「地方大会」かな。そして二次試験が甲子園。そのレベルによって「決勝~1回戦」と違ってくるけれど。
自分たちの目標が「どうやって甲子園で勝ち進むか」であれば,地方大会なんて通過点でなければならない。普段の練習だって,目標が明確な分だけ中身も濃くなる。間違っても「地方大会を勝ち抜くための特訓」なんてやらない。
ところが現場においては,この「地方大会を勝ち抜くための特訓」を高3生に課すところが多い。もちろん「マークミスを防ぐには」といったレベルのレクチャーは必要だ。問題なのはそこではなくて,
どうして高3生が数学ⅠAを1からやり直さなければならないのか
という根本的なことだ。
明日行われるセンター試験数学には「数学ⅠA」がある。これは高1生が1年間学習を続けてきたもの。つまり,明日の問題は高1生であってもチャレンジできるはず。
センター試験なんて通過点 と考える人には当たり前のことだけど,センター試験がゴール と考える人だと「高3でセンターが解ければいいのだから,高1の段階ではまずは基本を」となるらしい。
指導者本人が高校時代にこのような指導を受け,何の疑問も持たずに受け売りして・・・
大人が「生徒の可能性」に蓋をしてしまう負の連鎖
がダラダラと続いているのが実態だ。
その結果,高1の1年間で「薬にも毒にもならない定期テストレベルの確認問題」を大量に解かされ続けただけの高校生が大量に生み出されることになる。
また,指導者の中には「センター試験を高1・高2生に解かせるけれど,ただのポーズ」の場合もあるから要注意だ。解かせる以上は,この段階での目標を設定して到達度を確認することで初めて意義が見えるのだけど,そんなことはおかまいなしで
普段はしょっぱい授業をしておきながら,やみくもに「ただ解かせてみる」だけ
というケースもある。目標がないから得るものもなく,ただ時間を浪費するのみ。
本当に意義のあるものにしたければ,1月からさかのぼること半年をかけて入念な仕込みが欠かせない。
二次関数,三角比,論証,・・・
高1を指導する毎回の授業に明確なテーマを持たせ,センター試験より高いハードルを設定し,到達度を確認し,生徒を引っ張り上げる
その積み重ねがあってはじめて「センター試験は通過点」になる。これを続けるには指導者も大変。覚悟と信念がないと続かない。「高1ではまず基本を・・・」というレベルに終始したほうが楽なのだ。
高3生に対して「センター数学対策講座」を課す必要があるということは,自分たちで「高1の授業の価値を下げている」ことに等しい。「とりあえずセンター試験を乗り切れるように・・・」という主旨の特訓は,一見親切で面倒見が良いように見えるけれど,
そもそも,そんなものが必要ないように日々の授業を充実させること
のほうが大切ではないかな???
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