プロの仕事とは
私は食べ物の好き嫌いが多い。
漬物×,マヨネーズ×,豆類× といった具合なので,定食屋さんで出される「小鉢の付け合せ」の類は食べられるものの方が少なく,「申し訳ないな」と思いながらも箸をつけないことが多い。
大方の調理人の方は,このような客のことはウザいと思うことだろう。自分だったら「手もつけないなんて失礼な奴だ」と思うだろうし。
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先日ある同業者(若手)と話をしたとき,「プロの仕事とは」という話題になった。
若手「大局観とか観察眼とか,目配り気配りとか,必要な要素のことはわかりますが,具体的に何をどうすれば磨けるんすかね?」
気楽な会話でのことなので,私もこんな感じで返した。
昔,仕事場の近くに「おいしいトンカツ屋」があって,本当によく通ったものだった。カツはおいしくていつも完食,キャベツもおかわりして,いつも気持ちよくお金を払っていたが,一つだけ心に残るものがあった。
それが小鉢
毎回違う付け合せを用意してくれているのだが,自分の好き嫌いのせいで手をつけないことが多い。ご主人が全く気にするそぶりをみせず笑顔で応対してくれることが,心に残ってね。
そんなある日,「本当においしいから」ということで5人くらい誘ってでかけたことがある。1人じゃなければ小鉢は他人にあげられるし・・・と思っていたところ,びっくりすることがおこった。
5人の小鉢のうち,自分の中身だけが違う
んだよ。
ちゃんと自分が食べられるものになっているw
「どうしてだろう?」と思った1人が,ご主人に軽く聞いた。私も興味があったので一緒に聞いていると,
この人はいつも小鉢に手をつけないので,「何だったら食べるのだろう」といつも思いながら毎回違う小鉢を出していた。すでに「これならOK」というものは見抜いてあるんですよ。
と。現代であればこの後に「どうだい,ワイルドだろ~」とドヤ顔で言う感じ。
もう脱帽。人の好き嫌いを批判するどころか,観察して武器に変えてしまう。見抜いたものをカミングアウトするタイミングも絶妙。
もう,全員がご主人のファンになったことはいうまでもないね・・・。
こんな感じで話をした。
ご主人と客の関係を,「講師と生徒」「スタッフと生徒」におきかえればすぐにわかる話。普段の何気ない会話や生徒の所作から何を見抜けばよいのか,それを「いつ・どのタイミングで」生徒に伝えるのが効果的なのか,そこにどのような演出やサプライズを加えることが印象や評判をアップさせることにつながるのか,を24時間365日考え続ければよいだけではないだろうか。
ただし,ここには「センス」はもちろんのこと「ユーモア」あるいは「遊び心」といったものを持ち合わせていることが前提となる。これを持っていなければ,どんなに優秀でも高学歴でも「小中学生を相手にして」金を稼ぐことはできないよ。知識を持っているだけでは通用しない世界なんだよね。