兎のなんでも日和 -9ページ目

兎のなんでも日和

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琥珀は、あまりの驚きによろめいて腰を砂浜についてしまう。


「タコがなんで?タコが話せて人間の珊瑚が話せないなんて、都市じゃ考えられないよ」


「タコ、タコ言うな。無礼な少年になったな。せっかく翡翠の為に助けてやったのに・・・」


琥珀は、オオダコのオババの言葉に驚く。


「翡翠?僕の母さんを知っているの?」


「そりゃ知っているよ。昔お前達、家族がこの島に住んでいたんじゃ。お前が、一歳で珊瑚が、赤ん坊の時お前達は、初めて会うのじゃない。これも運命の悪戯じゃな」


琥珀と珊瑚は見つめ合った。


つづく


琥珀は、そっと珊瑚の額に手をあてる。


「顔さっきから、赤いけど熱でもあるのかな?」


自分の額にも手をあててみる。至近距離に近付いたため、珊瑚は、声にならない声をだしながら、『きゃー』と言いながら、琥珀と距離を置く。


それを見ていたカリーが、はぁはーんとニンマリする。


「珊瑚?お前へんだぞ・・・もしかして恋か?」


珊瑚は、カリーに確信をつかれ、顔を赤らめて素直にうなづく。


琥珀は、遠くの二人が何を言っているかわからない。珊瑚の声は人間には、聴こえず島の者だけが、わかるようだ。


「人間と人魚か・・・いいんじゃないか?」


『でも、これでは片思いだわ』


「話せないなら、態度でしめすんだぞ」


『言うのは簡単だけど・・・』


琥珀が二人の会話を遮るように、珊瑚に近付きながら言う。


「何か、気に障る事したかな?大丈夫?」


月の海からのっそり、オオダコのオババが現れる。


「あーぁ。見てられやしないよ」


琥珀は、目を丸くした。それもそのはず、喋らないタコが喋ったのだ。


「たっタコが喋った?!機械とか?」


「悪いけど生だよ。この島の動物達は皆、話せるんじゃ」


つづく


琥珀の問いに、少女は、自分の名前を言おうとする。口を動かすのだが、声がでない。


『なんで?さっきまで声でたのに・・・オババが人間の姿になるかわりに副作用があるって、もしかして、これの事?!』


少女は仕方なく、『さ・ん・ご』と琥珀の掌に指で書く。


「さんご?・・・珊瑚きみ話せないのかい?僕は、都市の人間で、琥珀って言うだ。この島にも人間がいるなんて思わなかったよ。他に人間はいるの?」


珊瑚は、左右に首を振って答える。


「そうかぁ。独りでさびしかっただろう?島の人間だから、その姿なのかな?」


珊瑚は、長い髪で胸など隠れてはいたが、裸で琥珀にとっては刺激的で、目のやり場に困る。


ふと、回りを見渡し、親父さんの船を見つける。琥珀は、ホッと一息ついた。


「良かった船、壊れてないみたいだ。珊瑚ちょっと待っていて」


そういうと、琥珀は、船にかけこみ、何かを持って出てきた。
裸の珊瑚に服を渡す。


『?』


カリーは、恐る恐る。小声で珊瑚に言う。


「着ろっていってるんじゃないか?」


「あれ?なんか聞こえた気がする」


琥珀は、ヤドカリが話すと思わないので空耳かと思った。珊瑚が着るのを後ろ向きで待つ。


珊瑚は、初めて着る洋服に戸惑いながら、袖を通して、琥珀の肩を軽く叩く。


琥珀は、振り向き珊瑚を見ると洋服がぶかぶかだった。


「あぁ、サイズあってないね。でも、珊瑚可愛いよ。裸のままでは、僕には、目の毒だよ。一応男だしね。なんか、ごめんね」


琥珀が、苦笑いをして珊瑚に謝ると珊瑚は、そんなことないと顔を赤らめて首を振る。


つづく