兎のなんでも日和 -16ページ目

兎のなんでも日和

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いつもの朝、自然と琥珀はベットから起き上がり。病弱な母親の朝食も作り、おこさないよう静かに、家を出る。


坂道を駆け出す。ふと、工場の壁をみると錆び付いている。酸性の雨が降り注ぐせいだ。


「危ないな、脆く落ちてきたら、政府に損害賠償だねなるべく近寄りたくないけど、どの場所も工場しかないからなぁ」


琥珀が、ぼやきながら船着き場につくと、若い女性がこちらに、手を振っているので、琥珀も手を振る。


「瑠璃さん、おはようございます」


親しみをこめて、琥珀は、若い女性に話しかける。


つづく


琥珀の年齢は、17歳。


まだ、学校に行っている年頃だが、家庭を支える為、知り合いのつてで、漁師をしている。


もっぱら、朝が早いので夜は、早く就寝する。


そんな琥珀を、母親は時折悲しい眼差しで、眠る我が子を見つめていた。


celluloid
baker feat.初音ミク


いつまでも 遠い過去でも
君がいて 僕がいて
道の果て 見えない不安も
小さな声 押し殺して


冷たい空気も 止まない雨も
重い心も 言葉も
光が差し込んで 歩きだせるのは
いつだろう


色褪せたこの色も 君に伝えたい
何の意味もないけれど
夜明けは来ないよと
聞こえない振りして
いつの日にか 笑っていられるかな


騒ぎ出す 微かな予感を
溢れ出す 期待を
少しずつ 探し続けても
虚しいだけ いらない


つまらない一日が終わり
長い夜は恐くて
また朝が来るけど
何も見えないのは
何故だろう


何一つ変わらない
待ち続けても
誰も救われないけれど
希望なんてなくても
僕は生きてくから
そんな強がり 虚しく響いていた


呼吸さえ 覚束ず
全て僕のせいだけど
聴きたい音があるよ
知りたい事もあるよ
前だけ見つめているよ


色褪せたこの色も 君に伝えたい
何の意味もないけれど
夜明けは来ないよと
聞こえない振りして
いつの日にか 笑っていられるかな


つづく



都市の中のとある少年の家。


つけていたテレビから、初音ミクが歌っている。


テレビに見入る少年は、琥珀という。


病弱な母親は、ベットから起き、一緒にテレビに映る初音ミクを見て、琥珀にたずねる。


「琥珀は、この歌手が好きなのね」


琥珀は、母親の問いにテレビから視線を外し、母親に体を向き直しながら、答える。


「今流行りの、ヴォーカロイドって言うんだ。なんか、みじかに感じるんだよね」


母親は、琥珀の言葉にキョトンとしてしまう。


「ヴォーカロイド?」


琥珀は、頭をかいて、初音ミクを指差す。


「これ、人間じゃないんだ」


「え!人間かと思った」


「僕も、最初は間違えたよ」


二人で笑って、食卓の夕食を食べる。


貧しいながら、琥珀は、そんな暮らしを苦労と思わず暮らしている。


父親は、琥珀の小さい頃に亡くなっていた。


つづく