兎のなんでも日和 -14ページ目

兎のなんでも日和

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珊瑚とカリーは、見たこともない歌う玩具に夢中。


「これは、何?話してるの?私達と言語が違うのかしら?」


「おいらもわからないぞ。なんだろ?でも聞いていて心地好いぞ」


オオダコのオババが、二人に教える。


「これは、歌と言って人間の娯楽じゃ」


《うた?》


珊瑚とカリーは、飽きずに何度も初音ミクの歌を聴いている。


つづく


島から、大声で珊瑚を呼ぶ声がするので、珊瑚は我に返り。
何事かと、急いで海面に、顔を出す。


「なんだい、皆せわしいねぇ」


オオダコのオババは、呆れながら、珊瑚の後をおった。


「珊瑚ー!!」


その声は、島の住人ヤドカリのカリーだった。


「カリーどうしたの?」


「面白い物が、漂着したんだ!ほらっ!中に小人が入ってるみたいだぞ!?」


「小人?」


カリーが見つけた物は、都市から流れて来たらしい、初音ミクが歌を歌っているホログラムの玩具だった。


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livetune feat.初音ミク


この世界のメロディー
わたしの歌声
届いているかな
響いているかな


この世界のメロディー
わたしの歌声
届いているかな
響いているかな


手のひらから 零れ落ちた
音の粒を 探してるの
Packageに詰めた この想いを
伝えたいの あなたにだけ


うまく歌えるといいな
ちゃんとできるようにがんばるよ!


この世界のメロディー
わたしの歌声
届いているかな
響いているかな


この世界のメロディー
わたしの歌声
届いているかな
響いているかな


ずっと待ってたの
ひとりぼっちで
歌いたくて 歌えなくて
でもあなたと 出逢えたから
もうさみしくなんてないよ


心がビートで満ちてくの
あふれ出す想いは歌に変えて

この世界のメロディー
わたしの歌声
届いているかな
響いているかな


この世界の笑顔を
わたしとあなたで
届いているでしょ
響いているよね


つづく


オオダコは、岩の窪みから、コポッと優雅に、海煙草をふかしながら静かな時間を満喫していたのだが、遠くから騒がしく名前を呼ぶ声が近づいてくる。


「この声は、珊瑚じゃね」


優雅な時間は、終わりにして、岩の窪みから、ヌルッとオオダコが出てきた。


「・・・オオダコのオババ!!」


「何だい珊瑚?そんなに慌ててどうしたのじゃ」


オオダコのオババは、少女の人魚の事を、珊瑚と呼ぶ。


「オババ驚かないで・・・実は《人間にあったの》」


オババが珊瑚の声真似をして、ハモった。珊瑚は、「?」状態になった。


「わしは、永く生きているからな、人間に驚く歳じゃない。で、何が聞きたいんじゃ?」


「何故、都市で生きてる人間と島で暮らしてる皆(動物達)や私達(海の者達)は、人間と別々に暮らさないといけないの?」


「それは、遠い昔、人間はこの島を捨てて、都市を創ったのじゃ、何人かの人魚もな・・・人魚を捨てた成れの果てが都市なんじゃ」


「どう言う意味?」


珊瑚は首を傾げる仕草をする。


「わからなくていいんじゃよ」


さびしそうにオオダコのオババは珊瑚の頭を撫でる。

珊瑚は、これ以上は聞いてはいけない気がしたので、心の中にしまう。


「人魚なんて、珍しいからな、人間に見つかったらどうなるか、わからんぞ~」


オオダコのオババは、恐がらすように珊瑚におどろおどろしく言う。珊瑚は真に受けて、青ざめる。


「それは、嫌!もう人間の近くにいかない」


珊瑚は、心に誓いながらも人間の少年の事を思い出した。


『あの人も私を見たらどうするのかしら?』


つづく