片方の翼 前編 | 兎のなんでも日和

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お母さんの心臓の音が聞こえる。
『お母さんのお腹の中気持ちいいね?お兄ちゃん?』

『・・・』


「お父さん男の子の双子の赤ちゃんだって、私びっくりしちゃった」

「そうだな、これから大変だけど、頑張って働くぞ!すくすく育てよ!」

数ヶ月前に喜んでいた母親が、10ヶ月満たないうちに、破水がおきた!

「お父さん、痛い」
まだ、産まれるには早い陣痛が始まった。お父さんは真っ青になる。

「わかった。産婦人科に行こう!!」
車に乗り込み病院に向かう。お母さんは、苦しがっている。
まだ産まれるのは早い、未熟児で、双子が産まれるかもしれないと先生が、電話の向こう側で言っていた。

『無事に産まれてくれ』
車を運転しながら、お父さんは願った。

病院につき、すぐにお母さんは治療室に入って行く。

『お兄ちゃん…僕達産まれるみたいだよ。お兄ちゃん?』

『産まれるのは、お前だけだよ。僕は、その力がないんだ。だから、僕のぶんの命あげるから、お前は頑張って…』

『お兄ちゃん!?だめだよ!二人で産まれるんだよ』

先生の声がして、病院内が慌ただしい。
「すぐに、保育器に入れるんだ!」

看護婦が先生に言う。
「先生!こっちの赤ちゃん泣きません!」

『お兄ちゃん!』

治療室内は、バタバタして、お父さんは、愕然と立ち尽くす。

「先生、子供を助けて下さい!」
病院内に、悲痛な叫び声が響く。

「残念ですが、この子が、生きて産まれただけ奇跡かと…」

「そんな…」


続く


後書き


ちょっと文章長くなりました。兎にしては、シリアスです。後編も読んで頂けたら嬉しいです。
では、続きでお会いしましょう。