とった方がいいのか?夏期のオプション講座。
中学受験生のオプション講座を絶対にとってはいけないのか?
目的が明確ならとってもいいとは思います。例えば、理科の物理分野が弱く、特に滑車の問題に歯が立たないことが多々あるので、偏差値55レベルまでの問題のトレーニングを積むために、この理科のオプション講座をプラスして取ろう。というような意識です。これぐらい明確にオプション講座を取る目的が言えるのならとった方がいいと思います。
一方で、塾側から勧められるまま、なんとなくとった方がいい気がして、とりあえず全部取るというような選択の仕方は、塾にとっては良い鴨でしかありません。
オプション講座をとることの弊害を把握してください。
オプション講座は塾の商品なので、とった方が良い点は放っておいてもアピールしてくれますよね。ここで、大切な視点は「取ったときのデメリット」を把握しておくということでしょう。
1、時間的な拘束を受ける
2、金銭的な支出を被る
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風邪の引きにくい食生活のために
この二点が大きなデメリットでしょう。いささか当たり前過ぎましたか?しかし、事実です。そして、この時間的な拘束をデメリットとして意識していない保護者の方々は経験上、多かったですよ。
デメリットが見えてきたら、オプション講座の概要が見えてきます。
オプション講座とは、時間を上手に使えない子ほどとるメリットがあり、計画的に学習を進められる子にはデメリットが大きくなっていくということです。ですから、このデメリットを受けてでも、受講すべき講座であれば受講した方がいいということになりますね。すなわち、弱点の克服。それも明確に絞りこんだ上での弱点分野を扱う講座なら、時間的な拘束を受けても得られるものが多いと思います。
次に金銭面です。はっきり言いますが、時間をうまく使えない子の受験成功は厳しいです。それでも投資をするかどうかという点で、1つの判断をした方がいいと思います。おそらく、時間を使うのが下手なお子さんはオプション講座をとってもさほど効果はないと思います。勉強時間をお金で買い与えるというイメージに近いでしょうか。しかし、オプション講座をとらないともっとひどい状態になるのは目に見えています。時間を使うのが下手な子は塾がなければこれ幸いと勉強時間を減らすでしょう。
ここで、撤退をするか、投資を増やすかの判断が必要です。撤退といってもこれ以上のお金をかけないだけで、受験はするという道もあります。
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実力を向上させるのはアウトプット
これを忘れては行けません。そして、塾の授業で復習をするというのはアウトプットにはなっていないということもお留め置きください。
こちらでも触れていますが
塾の復習の授業は一見、アウトプットのように感じられますが、再インプットをしているにすぎません。自分の頭のなかから答えを書くために必要な知識や解法を捻り出す作業は自習の中でしかできないのです。つまり、オプション講座はすべて、「よく出る単元やポイントの再インプット」をする商品です。ですからインプットにばかり時間を使っても実力は向上しません。(忘れた分の補強程度にはなるでしょうが)
短期間の集中的な復習は本来、中学受験生にはいらないはず。
短期間の集中的な復習の効果があるのは普段、あまり勉強時間を取れず、ぶつ切りのような勉強をしているような生徒です。普段は部活で勉強時間が確保できない中学生、高校生にはとても効果があると思います。中学受験生は日常の大半を勉強に費やす毎日を過ごしています。こういう、普段からの沢山勉強時間を使っている生徒には短期間の集中的な復習は効果が薄いです。成績が伸びないのは復習の時間が足りないことが原因ではなく、時間の使い方やモチベーション、勉強のやり方などが原因だからです。
夏期合宿、集中特訓系講座
合宿ねぇ…。となってしまいます。合宿で得られるものは学力ではありません。私も某有名学習塾の社員だったときに「日本最大規模の合宿」に何度か参加した経験もあります。そもそも、リゾートホテルに無理やりホワイトボードおいて授業しているわけですよ。後ろの方なんてホワイトボードは見えません。
そもそも「板書は極力控えろ!」みたいな指示が出るですよ。こんな授業で成績はあがりませんよ。あがるとすれば、授業のお陰ではなく、雰囲気とかライバルの様子を同じ生活をするなかで知るとか、そういうメンタル的な経験のお陰だと思います。
ですので、そういう体験を求めて合宿に行くのはアリだと思いますが、授業を期待していくのは微妙だと思います。合宿はお給金もいいので稼ぎたい学生バイト講師が沢山参加します。普段は中学受験クラスを教えてないような講師も入ったばかりでほとんど素人の講師も参加してます。ベテランほど「お盆は帰省させてくれ」「家族とゆっくりしたい」と合宿に参加しません。だから若手のバイトを沢山かき集めて授業をしてもらうんでしょうね。
もっとよくわからないのが「夏期集中特訓的な講座」です。合宿はライバルと寝食を共にすることで得られるものはあると思いますが、集中特訓は通いです。高校受験をする中学生向けなら効果の高い良い取り組みだとは思いますが…
これ、完全に塾が金儲けに来てる感じがしますね。もっと言うと、校舎が会場ならまだしもセミナーハウスやホテルの研修室なんかを使っている意味がわからない。
せっかく通いなのになんでわざわざ授業を受けにくい場所でやるのか。セミナーや研修は大人向けの講義をするところだから、講師も喋り倒すのが前提。塾の授業は板書や見せ方も分かりやすさに含まれますから、後ろの生徒が見えないようなホワイトボードでは授業にならんのですよ。
あんまり言うと営業妨害になるのでやめますがオプション講座は何が得られるのかをしっかり検討してからお取りください。
金銭的な損失はお子さんは関係ないですが、時間的な損失はもろに影響を受けます。塾にカモられないでほしいと思います。
お金儲けはいけません。あくまでもお金は払う側の「ありがとう」の結果、得られるものでなければならないと思います。相手からお金を不当に巻き上げることがお金儲けです。
塾が売るのは直接的には授業ですが、間接的には子供の未来を売る場所のはずです。