プロ家庭教師の伝説。名門指導会代表、西村先生の記事を参考にしました。

TOPIX

 

□真面目にやっているようなのに

□なんでそんなに急いで勉強

□なぜアタフタさんになるのか

   ○親が急がせ過ぎる

   ○宿題や課題が多すぎる

   ○終わったら自由時間を楽しめる

□アタフタさんチェック



 真面目にやってるようなのに…

サボっている様子はない。宿題や課題も真面目にこなしている様子。なのに成績が伸びない。


この話を面談で切り出されるのを恐れている講師が実に多いです。面談時期になると「あそこの家からは言われそう」とか「あそこの家からははっきり言われた~」とかいう話がでますね。なんで講師達が恐れているかというと処方がないからなんです。


サボっているなら「本人と会話してやらせます」とか「塾で授業後に毎回少し居残りさせます」とか処方材料は明確ですし、授業についていけないというのなら「わからないところを質問する時間を取ります」とか「もう少し復習の課題を追加します」とかやはり分かりやすい処方材料があるわけです。


ところが、宿題はちゃんとやっている。家庭での課題もこなせている。サボらずに決まった時間勉強している。授業についていけない訳でもないが、クラス内の中上位あたりの順位でピタリと成績が伸びない。

ウチの子は今後どうすればいい(成績が伸びますか)ですか?という質問はなかなか答えにくいというか、集団塾だとほとんどの講師はわからない。もともと指導者としての能力が高めだったり講師の仕事に勤勉だったりする人が経験を積まないと気がつかないではないかと思います。


真面目にやっていそうなのに成績が伸びない原因の根本は西村先生が言うところの「アタフタさん」にあります。

いつもあたふたと勉強をしている子のことを西村先生はアタフタさんとよんでいるそうです。言い得て妙だなと思ったので私も使わせてもらいます。



  なんでそんなに急いで勉強?

勉強を急ぎまくってやっている子というがアタフタさんなわけですが、アタフタさんになっている理由は様々です。しかし、共通すると慌てて勉強をしているということになります。

結果的に腰を据えて問題に取り組んでいないということです。

1、問題を拾い読みする習慣

2、途中まで問題を見て解法の見当をつける習慣

3、丁寧さより速さを優先する習慣

4、回り道を嫌う習慣

5、なぜ間違えたかを気にしない習慣

6、わからなくてもとにかく答えを埋める習慣

7、できない問題を嫌う習慣

こうした習慣でアタフタさんは培われます。


  なぜアタフタさんになるのか

ではこうした習慣はどうして身についたのか。

1、親が何でも急がせすぎる

2、1日の宿題や課題が多すぎる

3、勉強が終わったら自由時間を楽しめる


の3パターンが大きな原因ではないかと思います。


1、親が何でも急がせ過ぎる

せっかちな性格のお母さんとのんびり屋のお子さんの関係でよく起こります。主導権はどうしても親が持ちますので「早く○○しなさい」

「○○は終わったの?いつまでやってるの」のような声かけを頻繁にしていると、もともとのんびり屋のお子さんは「アタフタさん」に変貌していきます。のんびり屋の性格は治らないので、無理やり急ぐため、あたふたと何事も慌ててやるようになります。

腰を据えて考えると怒られる、文句を言われるという気持ちになるので、問題を拾い読みしたり、途中まで読んで解答を始めたりとなるわけです。子供であっても自分と他人は違うのです。他人には他人のペースがありますし、他人を思い通りにすることはできません。自分が望むことと他人が了解できる範囲のすり合わせしか問題解決にはならないのではないでしょうか


2、1日の宿題や課題が多すぎる

これは塾の責任も非常に大きいのではないかと思います。基本的に講師同士は連携をしないケースが多いです。つまり、同じクラスでも自分が担当する科目以外はどんなことをどれだけやっているかなんてことは通常は把握しません。

私が他の科目の担当にそういったことを訊ねると怪訝な反応をされることが多かったです。

小学五年生だと比の導入に苦戦してるクラスなら国語の知識課題は軽めにしとこうかなとか、社会は一問一答だけをマストにしようかなとか

工夫するわけですが、そういうことに頓着しない講師の方が多いです。でそれぞれの講師が宿題にプラスαの別課題なんかを出し始めるとお子さんはパンク寸前になります。

宿題なのでやらなければ注意や叱責を受けることは分かっているので、あたふたと宿題をとにかく終わらせるようになります。腰を据えて考えていたら終わるわけがないんですから。

そういう時は親が介入して塾の責任者と調整を図った方がよいと思います。

また、塾には問題がなくとも父能研がやらかしている場合もあります。



歯医者に行って、自分で歯抜きます?

健康診断で看護師から注射器奪って自分で採血します?
美容院行って自分で奥さんの髪切ります?
定食屋行って自分の手料理振る舞います?
全部、専門家に任せません?
でも勉強だけは違うんですよね。

やばっ。先生がまた、ヒートアップし始めてる。こわ。

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いや~二月の勝者の高瀬先生は本当によく中学受験を取材してらっしゃいます。

この島津パパみたいなモンスター父能研は結構な率でお見かけします。

優秀な子のお父様に多いんですよ。多分、ちょっとやったら思った以上の成果を出すので面白くなっているのと、「自分のお陰」的な気持ちでいるんだろうなと。実際は子供の能力の高さのお陰なんですがね。


3、終わったら自由時間を楽しめる

これもあるあるですね。もう50年以上小学校低学年ぐらいから「勉強終わったら好きなことしていいよ」的な躾がされ続けています。悪気なくご家庭でもそれを踏襲した声かけをしているとアタフタさんが培われます。まあ、さっさと勉強を終わらせたいんですよ。だからスピード重視。正解するかどうかもあんまり気にしない。やってあるということに意義があるわけです。中学受験をするなら、というか高校受験も含めてこうした習慣は早期に修正しないと勉強で成果が出せない子になります。

とくに○つけをいやがる子に多いですね。



  アタフタさんチェック

□ケアレスミスが多い

□しっかりと読まずに解き始める
□不機嫌にイライラしながら学習している
□わからない問題に出くわすとすぐにあきらめてしまう
□よく当てずっぽうの答えを書く
□「なぜこう書いたの?」とたずねると屁理屈を言ってキレ気味になる
□ノートや解答用紙に書かれた文字や数字が雑
□書くことを面倒がる


西村先生の記事にありました。三つ以上該当していたらアタフタさんです。ご家庭で勉強のやり方や習慣の話し合いをしてください。


アタフタさん関連の別記事です。