--今回はFC町田ゼルビアジュニアユースU-13の森脇進偉選手(背番号14)にお話を伺います。まずは自己紹介をお願いいたします。
森脇「FC町田ゼルビアジュニアユースU-13の森脇進偉です。ポジションはMFで主にインサイドハーフをやっています。得意なプレーは仕掛けるドリブルやゴールに繋がるスルーパス、そしてカットインからのシュートです。」

--憧れている選手や目標にしている選手はいますか。
森脇「FCバルセロナのペドリ選手です。理由はキックフェイントのキレが良くて、味方を活かせるパスを出せるからです。ペドリ選手を知ったきっかけは、DAZNなどで海外リーグの試合を見ていたところ、良いプレーをしている選手が目に入り、それがペドリ選手でした。いろいろな海外リーグの試合を見ますが、強いチームが好きです。」

--ゼルビアで好きな選手や注目している選手は?
森脇「平河悠選手です。理由は大卒ルーキーで開幕戦から先発出場をしていますし、前線ならば、どのポジションをできることも魅力だからです。」

--森脇選手はFC町田ゼルビアジュニアの一期生と聞きました。ゼルビアを知ったきっかけを教えて下さい。

森脇「3歳の頃からサッカーを始めて、幼稚園の時に初めてサッカーチームに所属しました。その時は自由にサッカーを楽しむ形でしたが、よりレベルの高いチームでプレーしたいなと思っているところに、ゼルビアのジュニアができると聞いて、セレクションを受けました。」

--ジュニアのセレクションを受けたことがゼルビアとの接点を持つきっかけになったのですね。
森脇「姉が町田の中学校に通うようになってからは、町田の街にゼルビアのポスターが貼ってあることに気づき、ゼルビアのことをますます知るようになりました。」

--セレクションを受けた時の自分のプレーの手ごたえは?

森脇「自分のできるプレーを可能な限り表現することを考えて、一次から三次までのセレクションを受けました。各セレクションを終えた後は、自分の全力を出したので、合格していると良いなと自信はありました。」


--FC町田ゼルビアジュニアユースU-13はどんなチームでしょうか。
森脇「ターンがうまい選手や足が速い選手、個人技に優れた選手がいたり、個性豊かな選手が多く、明るいチームです。」

--ちなみに今のチームはジュニアから昇格した選手と、ジュニアユースから加入した選手の人数の配分はいかがでしょうか。
森脇「ジュニアからの昇格組が3人で、ジュニアユースから加入した選手は18人です。昇格組の人数は少ないので、その分も3人の結束力は強いです。」

--先日は東京クラシックの前座試合として、国立でプレーしましたが、実際にプレーした感想は?

森脇「良い雰囲気の中で良い試合はできましたが、プロは常にそういう環境でプレーしているので、僕もプロの雰囲気の中でプレーをしたいなとより強く思うようになりました。」


--自分のプレーはうまくできましたか。
森脇「緊張せずにプレーはできましたが、ゴールやアシストをできずに、個人としての結果が残せなかったことは今後の課題となりました。」

--試合は残念ながら先に失点する展開でした。

森脇「先に失点をした時は、これから自分がアシストをしたり、ゴールを決めることができれば、まだまだ勝ち目はあるなと思っていました。諦めずにプレーしようと思っていました。」


--チームメートを鼓舞するような声掛けはできましたか。
森脇「先に失点をして、チーム全体が気落ちした部分はありましたが、国立は声が通りにくくても、個人個人が気持ちを上げられるように、声を掛け合うようにはしていました。」

--試合後のロッカールームでは、チームメートとどんなコミュニケーションを取りましたか。
「 「国立でプレーできてうれしかった」という選手もいれば、「全然何もできなかった」という選手もいました。反応は人それぞれでした。」

--相手がヴェルディであったことは、発奮材料になりましたか。
森脇「そうですね。ヴェルディとはジュニアの6年生の時にJFA第46回全日本U-12サッカー選手権大会東京都予選の準々決勝で対戦し、PK戦の末に負けてしまっていたので、強烈なライバル心がありました。」

--確かに森脇選手の世代は、ヴェルディに対して、ジュニアの借りをジュニアユースで返さなければならない世代ですね。
森脇「次は勝てます!」

--ちなみに最初に国立で試合ができると聞いた時の感想は?
森脇「特別な相手と国立という特別な場所でプレーできると聞いて、とてもうれしかったです。」

--これまで国立に馴染みはあったのでしょうか。
森脇「宇野禅斗選手が3年生だった時に、青森山田高校が優勝した高校選手権の決勝を国立まで観に行きました。その時に自分もゼルビアの選手として、このピッチでやりたいなという気持ちになりましたし、実際にプレーできたことはとてもうれしかったです。タイプは違いますが、宇野選手にも少しずつ近づいていければ良いなとは思っています。」

--国立でプレーしたことでの意識の変化はありますか。
森脇「自分がゲームメイクをする中で相手にボールを奪われることがあったので、プロの選手はどうしているか。そういった視点に注目して、試合を観るようになりました。」

--野寺和音コーチにもお話を伺わせて下さい。国立で試合ができると聞いた時、指導者としてはどんな想いを抱きましたか。

野寺「国立で指揮を執る機会を作って下さり、とてもありがたかったです。指導者としても貴重な時間をいただけることで感謝の気持ちでいっぱいでした。また実際に選手たちに国立でプレーできることを伝えると、「ワー!」と大きな歓声が出るぐらいでしたし、テンションが上がって、選手たちの気持ちも昂っていました。」


--野寺コーチにとっては古巣との対戦でもあり、東京クラシックでした。またエフマチ(FC町田)対読売クラブという側面もありました。その熱量はどうでしたか。
野寺「あっという間に試合は終わってしまいましたが、試合前には何か言わずとも、選手たちの気持ちが入っていました。残念ながらピッチに立てなかった選手たちには、プロになった後、また国立でプレーするチャンスを掴んでほしいと伝えました。各選手たちが「国立のピッチに立ちたい」あるいは「多くのお客さんの前でプレーしたい」と、今後のモチベーションに繋がるだけでも大きな価値はあったと思います。そういう意味でもとても貴重な経験になりました。」

--1試合だけでは難しいかもしれませんが、試合前と試合後では、選手たちに変化はありましたか。
野寺「国立での試合はいつもの練習試合や公式戦とは違った気持ちの入った試合にはなりました。ただ国立での試合と、国立後の公式戦の1試合目では、気持ちの面でギャップがあるように見えました。国立での試合の方が強い意思は見えましたが、今後戦っていく日常はリーグ戦ですし、気持ちに温度差が出るのは選手たちにとって、貴重な勉強の機会になったのかなと思います。どの試合も同じテンションで臨めるようになってほしいですし、今回の貴重な経験を今後に繋げてほしいです。」

--お2人にお伺いします。まずは森脇選手に。サポーターの応援を受けた中での試合はどうでしたか。

森脇「緊張してしまうと、自分のプレーができないと思っているので、緊張しないようにしていました。改めて、国立という大舞台でサポーターの皆様の声援を聞きながらプレーできたことに感謝の気持ちでいっぱいです。」 


--野寺コーチはサポーターの存在について、どう感じましたか。
野寺「普段から応援して下さる方々にも感謝していますが、国立という大規模な舞台で応援していただいたことに改めて感謝の気持ちを述べさせて下さい。また大声援の中で選手たちが頑張っている姿を目にできたことは、指導者として、とてもありがたい光景でした。試合後に挨拶へ行った際には、温かい声掛けをして下さったので、皆様の育成への期待を感じました。今後もより応援していただけるように、また結果を残していくことで恩返しができるようにしたいと、そういう気持ちを強くしました。」

--森脇選手の今後の目標はいかがですか。

森脇「まずはユースに昇格して技術を磨き、ゼルビアのトップチームに入って結果を残し、夢である海外で活躍したいです。そして現役の最後には、育ててもらったゼルビアに戻って、ゼルビアで現役を引退できればと思っています。」


--ゼルビアサポーターが泣いて喜ぶお話です。そんな夢を描いている理由はありますか。
森脇「香川真司選手がセレッソ大阪から海外に行って活躍し、今季セレッソに戻ってきて活躍しているキャリアを真似したいなと思ったからです。またロシアW杯のベルギー戦でのプレーを観て、香川選手の海外での試合を観るようになったことも影響しています。」

--最後にファン、サポーターの皆様へ、森脇選手からメッセージをお願いいたします。

森脇「いつも応援ありがとうございます。これからもサッカーに全力投球で取り組み、ゼルビアや海外で活躍できるように頑張ります。これからも熱い応援をよろしくお願いいたします!」

 

●編集後記・・・

「国立競技場でプレーできたことは非常に大きかったと思います。」

FC町田ゼルビアのアカデミー選手はもとよりスタッフ陣からもこのような声がたくさん聞こえました。

 

たくさんの人が観ている前でプレーする機会を得た選手たちはももちろんですが、野寺コーチやスタッフ陣も嬉しそうにしていた姿が印象的でした。

 

森脇選手をはじめ、多くの選手にとってこの機会が少しでも成長のキッカケなど何かに繋がってほしいなと思いつつ、あれだけ多くの人たちの前でどうどうとプレーする姿は頼もしく見えました。

結果は残念でしたが、「次は勝ちます!」という力強い言葉を聞けたので、東京ヴェルディさんとの再戦が楽しみです。

 

(MACHIDiary 編集長より)