--今回はパートナー事業部に所属している佐藤さんにお話を伺います。パートナー事業部とは、どんな部署ですか。
佐藤「1つはパートナー企業様の新規開拓です。またパートナー企業の皆様と向き合う中では、各社のニーズをお聞きして、クラブが持っているリソースを活用しながら、パートナー企業様と連携した活動に取り組んでいます。ちなみに現在パートナー企業様は、約380社程いらっしゃいます。」
--コロナ禍でも順調に新規のパートナー企業が増えている印象です。最近ご担当された新規のパートナー企業はいかがでしょうか。
佐藤「成瀬にある『アロハスマイル保育園』様は、私が担当させていただいた新規のパートナー企業です。先方が新しい体制となり、より地域に根差した経営を考えられているというお話がありました。そこで前体制の経営者の方からご紹介いただきました。」
--アロハスマイル保育園様とは、これまでどんな取り組みをされてきたのですか。
佐藤「ハーフタイムに『アロハスマイル保育園』のロゴを掲出する形でPRをしています。またハロウィンも近かったため、先日はハロウィンパーティーに参加させていただきました。当日はゼルビーが参加し、0歳と1歳の子どもたちは最初戸惑っていましたが、徐々に打ち解けていきました。プレゼントも渡し、非常に喜んでいただきました。」
--ゼルビーの訪問が一番効果的という判断ですね。
佐藤「サッカー教室が良いのか。選手の訪問が良いのか。いろいろな取り組み方がある中で、ゼルビーの保育園訪問が一番良い体験になるだろうし、先生方も喜んでくださるだろうと思い、実施させていただきました。ニーズをお伺いして、そのパートナー様にとって何ができるかを考えて提案しています。」
--ゼルビアには何年から在籍しているのですか? 入社のきっかけも教えて下さい。
佐藤「入社は2019シーズンです。その前はバスケットボールのBリーグクラブで働いていたのですが、3年ぐらい経った頃、Jリーグのクラブで働きたいと思い立ち、自分からクラブに履歴書を送りました。」
--ちなみにBリーグのクラブとは?
佐藤「アースフレンズ東京Zという大田区にあるクラブです。アースフレンズではファンクラブ、チケット、グッズ関連の仕事に携わってきました。時期によっては、ホームタウン関連業務も担当していました。」
--Bリーグのクラブに入るまでのキャリアを聞かせて下さい。
佐藤「大学卒業後は一般企業で6年間勤めました。ちょうど社会人になった頃、なでしこジャパンがW杯で優勝したことに影響されてサッカーを始めて、次第にサッカークラブで働きたいという想いがふつふつと湧いてきたんです。そこで逆算をして、大学院に行ったんです。」
--え、大学院に?
佐藤「大学院でスポーツビジネスを学びました。一般企業で勤めた後、そのままサッカークラブで働くことも考えたのですが、私自身昔から、積み上げは大事という考え方があったため、まずはスポーツビジネスに関して学ぶ必要があるなと、大学院行きを選択しました。」
--ちなみに一般企業はどんな業種でしたか。
佐藤「百貨店です。チーフとして、売り場で接客をしていました。」
--接客はある意味、今の仕事に繋がっているのですね。ゼルビアに応募したきっかけは?
佐藤「実は高校時代、町田に住んでいたため、青春時代を町田で過ごしているんです。Bリーグのクラブで働いていた時に痛感したことは、プロスポーツクラブで働くには、何かしら地域やホームタウンに対しての縁や愛着がないと難しいということ。私の場合は高校時代に町田に住んでいたという接点がきっかけとなって、ゼルビアに応募しました。」
--パートナー事業部でご苦労されていることはありますか。
佐藤「個人的には苦労をあまり苦労と感じないタイプです。ただパートナー事業部の一員として働く中で、自分はまだまだ勉強不足であることを痛感しています。トップチームが創設されてから、30年以上が経つクラブの歴史を十分に理解しているとは言い難いですし、入社3年目の自分よりも、パートナー企業様の方がゼルビアとの関わりは長い場合もあります。非常に強い想いを抱いて応援してくださるパートナー企業様と対等に向き合えるようになるためには、まだまだ勉強不足ですし、皆様の想いや気持ちを汲み取る努力が足りていません。」
--この仕事の醍醐味と思えた出来事はありますか。
佐藤「新規のご契約をいただいた時は素直にうれしいです。またホームゲームを観戦する機会が増えることで、次第に毎試合結果を追っていただけるようになったり、家族で嵌ったという話を聞くこともうれしいです。新規でパートナー企業様になっていただいた際は、クラブとの距離感があったのに、次第にゼルビアのことを身近に感じてくださるようになることは、これ以上ない喜びです!」
--新規の契約を勝ち取った事例で、「これは自分を褒めてあげたい!」と思えたものはありますか。
佐藤「ゼルビアがサイバーエージェントグループに本格的に参戦した1年目に私は入社しましたが、当時は新規のテレアポもしていました。その中で都心の企業はアポイントを取ること自体も難しかったですし、たとえアポを取れたとしても、実際に契約にまで至らないケースもありました。その中で町田に本社を構えるITのデジタルサービスを展開している株式会社ユニテックス様とは、電話でのアポイントから面談をさせていただき、新規の契約に至りました。その時はすごく嬉しかったです。」
--アプローチが実ったんですね。
佐藤「ありがたいことに3年目の今年は、ご紹介による新規のパートナー企業様も増えてきました。手前味噌な言い方になりますが、向き合っている企業様がご満足いただけていることで、そうしたご紹介に繋がっているのかなと思います。」
--3年目の積み重ねが認められた証ですね。そのほか、この仕事を楽しいと思えることはありますか。
佐藤「以前、上司と今後のキャリアデザインについての話をする中で、集客に繋がるホームゲームイベントをやりたいという想いがあったため、その場でやりたい想いをアピールしたところ、ホームゲームイベントの企画をやらせていただく機会に恵まれました。11月3日の松本山雅FC戦は、小田急マッチデーであると同時に、『BLUE LADIES DAY』(ブルーレディースデイ)というイベントを実施することになったのですが、そのプロジェクトリーダーを務めることになりました。主にプロジェクトメンバーのチームビルディングや企画自体のプロモーション、ホームゲームの運営にご協力いただいている方々との調整をしています。」
--ちなみに『BLUE LADIES DAY』とは、どんなイベントなのでしょうか。
佐藤「テーマは「THANKS & ENJOY」。普段からゼルビアをサポートしていただいている女性ファンの皆様への感謝の気持ちを表すこと、そして普段ゼルビアに馴染みがない女性や社会で頑張っている女性の方々にも楽しんでいただけるようなイベントを企画しています。イベントの目玉は先着1,000名の女性来城者の方へ、オリジナルTシャツを配布します。一からデザインしたロゴもプリントされているので、楽しみにしていて下さい。このオリジナルTシャツを着て、試合を楽しんで下さるとうれしいです。」
--その他はいかがでしょうか。
佐藤「ゼルビーランドのブースでは、アロマキャンドルを作れるワークショップの実施や、インスタ映えするバルーンフォトスポットも登場します。またステージではゲストとしてピラティスの講師でもあるスポーツキャスターの長谷川ゆうさんにご来城いただき、試合前のトークショーやアフターゲームショーがあります。さらに子どもたちにも参加してほしいとの想いを込めて、キッズチアリーディングやアクロバティックダンス、フラダンスのパフォーマンス披露もあります。キッズチアリーディングのパフォーマンスは、FC町田ゼルビアのNPO法人が行っている団体の1つであるゼルビアチア「FINES」(ファインズ)が披露します。そのほかのフラダンスなどもNPO法人の団体の一つなので、ゼルビアファミリーが集結する形にもなります。」
--フォトスポットやワークショップはどういう経緯でやることになったのですか。
佐藤「バルーンフォトスポットに関しては、他クラブを参考にさせていただく中で、SNSで波及するようなスポットが欲しいという話しになり、そういったアイディアが出ました。またワークショップに関しては、何か参加型の体験があると盛り上がるだろうという狙いがあります。ありがたいことに、いずれもご縁があってご協力いただく方々が見つかったことで実現に至っています。」
--先ほどプロジェクトメンバーの話が出ましたが、どんなメンバーで構成されているのですか。
佐藤「女性社員3名に加えて、インターン生の女性メンバーの有志を募りました。最終的に合計10名のメンバーでプロジェクトを進めています。」
--イベントの準備を進める中で、インターン生が力になってくれた事例はありますか。
佐藤「大好評のうちに締め切りました『BLUE LADIES DAY』スペシャルシートを利用される方へ、オリジナルのポストカードをプレゼントするのですが、実はそのポストカードは自らやりたいと名乗り出たインターン生がデザインしました。バルーンフォトスポットのデザインもインターン生が作りました。」
--『BLUE LADIES DAY』に関して、まだアピールできていないことはありますか。
佐藤「コラボレーショングッズもあります。FC町田ゼルビア後援会にご協力いただきまして、コラボ商品のクッキーとコーヒーは後援会ブースで販売しますし、チョコはグッズ売り場での販売です。また8月の『青城祭』と同様に、この『BLUE LADIES DAY』に対して、ご協賛いただく企業様もありました。この場を借りて感謝申し上げます。そしてSNSキャンペーンでは、株式会社コーセー様にスキンケア商品である『雪肌精』の商品提供という形でご協力いただきました。」
--盛りだくさんですね。なぜ、こうした女性向けのイベントをやろうと思い立ったのでしょうか。
佐藤「過去のホームゲームイベントを振り返ると、女性向けのイベントが少ないなと感じました。他クラブでは女性向けのイベントもあるのに、ゼルビアではまだ本格的にやったことがなかったため、やってみようと思いチャレンジしました。」
--ここからは佐藤さんの人となりについて、少しお伺いします。休みの日はどんなことをされているのですか。
佐藤「男性女性問わず、さまざまな年代の方々と7人制のサッカーをエンジョイしています。」
--ポジションは?
佐藤「サイドハーフです。体が小柄なので、サイドでプレーしています。」
--プレーヤーとしてのストロングポイントは?
佐藤「アジリティーです(笑)。ちょこまか動いています。」
--ゼルビアの選手に例えると…?
佐藤「失礼を承知で言わせていただくと、右利きの吉尾海夏選手ですかね!?(笑)」
--今後、ゼルビアにどうなってほしいか。想いを聞かせて下さい。
佐藤「これからも地域やファン・サポーター、そしてパートナー企業様に愛される存在で居続けてほしいです。まだまだ足らない部分はありますが、ゼルビアは地域に愛されていると実感することがあります。それはひとえに、トップチームが創設されてから30年以上の歴史がある中で、これまでクラブに携わっていただいた方々が想いを繋いで下さった結果です。これからも、地域やファン・サポーター、そしてパートナー企業様に愛される努力を絶やしてはならないと、気持ちを新たにしています。」
--佐藤さんご自身はゼルビアの中でどんな存在になっていきたいですか。
佐藤「私がいるだけで周りが笑顔になる。癒しが与えられる、花のような存在になりたいです。」
--最後に、佐藤さんにとって、FC町田ゼルビアとは。
佐藤「十人十色のエンターテインメントです。町田市民はもちろんのこと、町田以外のファン・サポーターの皆様も、市外のパートナー企業様もいるため、ゼルビアに関わる方々は十人十色です。十人十色の方々が関わっているゼルビアが一つのエンタメとして広がり、それによって関わっている方々の人生も豊かになりますし、ゼルビア自体も大きくなっていく。ゼルビアというクラブが大きくなったことで生まれることを、町田市や町田の企業様に還元していく。私にとって、ゼルビアはそんな存在です。」
●編集後記・・・
いつもマイペースな佐藤さん。
「大丈夫かなぁ・・・?」と思う瞬間はありますが、新規パートナー企業の獲得や既存パートナー様からも愛され、まさに「花」のようにクラブ内で明るい存在です。
そんな、佐藤さんが以前から「ホームゲームイベントを企画から実行までやってみたい!」と言っているなかで、今回『BLUE LADIES DAY』のリーダーに。
一緒に活動する女性スタッフやインターン生と共に、並々ならぬ想いで今回の企画を進めています。
試合当日は小田急マッチデーでもあり、イベント盛りだくさんです!
サッカーも。
ゼルビアも。
そして、町田市も大好きな佐藤さんを試合会場などで見かけたらぜひ声を掛けてみてください。
明るい気持ちになれると思います。
(MACHIDiary 編集長より)