--今回はゼルビア×キッチン店長である杉村さんにお話を伺います。いつからゼルビア×キッチンの店長をやられているのですか?

杉村「2020年1月から店長をやらせていただいています。」

 

--ちなみにご出身はどちらですか?

杉村「町田です。」

 

--ということは生粋の“町田っ子”なのですね。

杉村「そうですね。この世に生を受けた時から、町田です。町田はやはり少年サッカーの街だと感じています。兄がFC町田の選抜チームに所属していましたし、自分自身もプレーしていましたが、ずっと兄のサッカーを見て育ってきました。」

--少年サッカーの街を象徴するようなエピソードはありますか?

杉村「中学の時に、僕は町田JFCというチームにいましたが、同じクラスにFC町田の子もいましたし、CYDでサッカーをしているクラスメートもいました。」

 

--大半がサッカーをしているような状況だったのですね。また長く町田に住んでいるからこそ知っている街の魅力はその他にありますか?

杉村「最近はあまり言われなくなったのかもしれませんが、町田は古着の街だと思います。学生の頃は町田の古着屋さんで古着を買っていました。古着と言えば、原宿がイメージされるかもしれませんが、古着は町田でも十分に買い物ができますよ、ということは声高に叫びたいですね。」

 

--ゼルビア×キッチンの店長として、具体的にはどんな業務をされているのですか?

杉村「多岐に渡っていますが、代表的な業務はお店に出てのお客様対応や、日々のSNS発信、来店誘導のための企画・実行です。」

 

--ちなみに前職はどのような仕事を?

杉村「都内の携帯ショップで店長をやらせていただいていました。その時の経験をこのゼルビア×キッチンでも活かせるなと思いましたし、町田で仕事をしたいと想いもありました。そもそもゼルビアのことも応援していたので、興味本位でゼルビア×キッチンに応募させていただきました。」

 

--携帯ショップで学んだ店長としてのふるまいとは?

杉村「前職も接客がメインだったので、一番学んだことは接客です。例えばお客様のふるまいを観察し、どんな服装で店内に入ってきたのか。寒そうにしているのか。暑そうにしているのか。そういったことを気づけるようにして、少しずつ距離を詰めていくことを学びました。例えば寒かったら『温かいお茶でもどうですか?』と声を掛けたりしました。その他には日焼けをしていたお客様に外歩きをすることが多いのかと聞いて、実際にそうであるのならば、ヘルスケアのサービスを提案したりしていました。」

 

--お客様の様子を観察して、それに適したプランなどを提案してきたと。

杉村「なんとなくこんな感じかなと、感覚的な話ですが、まずはお客さんを見ることが大事だと注意深く観察してきました。」

--そのスタンスはゼルビア×キッチンの店長でも続けていると。

杉村「来店されたお客様がアシスト定食を食べて、ここに座ったから、あの方だと自分の中でインプットをして、次に来た時に話しかけたりとか、そういった繋がりを作ることは、積極的に取り組むようにしています。」

 

--来店した時のことをスタッフの方に覚えていてもらえると、また行こうと、リピーターになるきっかけになりそうですね。

杉村「もちろん何回も来てほしいという想いはありますが、それは僕の武器の1つかなと思います。まずはお客様との繋がりがどんな仕事でも大事だと思っているので、そういったことは意識してやっています。」

 

--ちなみにご自身の武器とは?

杉村「改めて言葉にすると難しいですが、良い意味で“人たらし”だと思います。」

 

--これまで飲食店の勤務経験はあったのですか?

杉村「アルバイトという形ではありました。町田のファミレス、焼肉、居酒屋…でやっていましたね。」

--その経験が今に活かせていることは?

杉村「洗い物やレジ打ちなどの基本的な部分では活かせていましたが、店長として加入した形なので、もっとプラスαのことをやらなければいけないということは常々思っていることです。」

 

--反対にご苦労されていることは?

杉村「社会人としての飲食店勤務の経験がない中で店長として加入したので、最初はどう立ち回れば良いのか。どうやってイベントごとを考えたりとか、そういった部分が分からなかったので、それを理解することに苦労しました。その中で自分の武器は何なのか。改めて考え直すきっかけにはなりました。苦しんだ経験が自分に還元されることはどの仕事も一緒なので、そういうマインドに転換したことで前向きに取り組めるようになりました。」

 

--その一方でやりがいに感じていることは?

杉村「お客様との繋がりができることや、ゼルビア×キッチンという特殊な飲食店で選手たちも通ってくる中で、選手たちから感謝の言葉をいただいた時は、やりがいを感じています。この間もコロナの影響でトップチームの選手がホテルで隔離された時に、うちのお弁当をホテルに持参し、選手たちに食べてもらうといったことがありました。調理はパートさんを中心に頑張っていただきました。隔離状態が終わり、練習が再開した時に昼食を食べに来た際、選手たちからパートの皆さんに『ありがとう』と感謝の気持ちを伝えてくださったので、『やって良かった』と思えましたし、やりがいを感じました。」

 

--その他にも声を掛けられてうれしかったことはありますか?

杉村「来店されたお客様にSNSでゼルビア×キッチンのことをアップしていただいた際は、返信をするようにしているのですが、こちらが返信した後に『返信ありがとうございます!』と言っていただけたり、ホームゲームでお弁当を出店している時に、サポーターの皆様から『いつもお世話になっています!』と言っていただいたり…。こちらの方がお世話になっているのに…という話ですが、それぐらいお客様と距離を詰められていることがうれしいです。僕の方がもっと感謝を伝えなければいけない立場であるのに。」

 

--SNSを発信する上で心掛けていることは?

杉村「お店をもっと知ってほしいという想いがあるので、お昼前に一度は発信するようにしていることと、最近は動画を流して興味を引くようにしています。自分なりに工夫をしてやっていますが、どんなことをすれば喜んでもらえるのか試行錯誤しています。」

--ここからは少し杉村さんのパーソナルな部分のお話を聞かせて下さい。そもそもゼルビアのサポーターと聞きました。

杉村「もともと兄がFC町田でしたし、中学時代のチームメートで柏木翔一という選手がおり、関東リーグ時代のゼルビアに所属していたので、試合結果や順位などは追い掛けていました。本格的に見始めたのは、J2に昇格した年の開幕戦であるセレッソ大阪戦を野津田で見てからです。それこそ僕自身野津田で試合をしたことがありますし、そんなスタジアムが1万人のお客さんで埋め尽くされている試合を見て、とても感動しました。その時の体験が大きく、それからは定期的に観戦するようになりました。」

--ちなみに推しの選手は?

杉村「中島裕希選手です。僕はもともと柳沢敦さんが大好きで、中島選手は柳沢選手と同じ、富山第一高校から鹿島アントラーズに加入するというルートを辿っていますから、その頃から気にしていました。その中島選手がゼルビアに来ることになり、より注目するようになりました。2017年の福岡戦のハットトリックもとても印象に残っており、さらに虜になりました。」

--そんな中島選手がゼルビア×キッチンに定期的に来るわけですよね。杉村さんが中島選手推しであることを、中島選手はご存知なのですか?

杉村「知らないと思いますが、最近私が所属するフットサルチームでユニフォームを作ることになり、背番号30番でネームをYUKIにしました。その時、本人に許可を取ったので、なんとなくは知っているかもしれません。自分も『YUKI』なので、一緒にさせていただいたのですが、チームメートからは『調子に乗ってんな』と言われます(苦笑)。」

 

--杉村さんのプレーヤー時代で、同級生や対戦相手などで印象に残っている選手はいますか?

杉村「何人かいるのですが、まず一人目はFC多摩ジュニアユースでプレーしていたベガルタ仙台(取材時時点)の関口訓充選手です。当時からドリブルがすごくうまく、帝京高校に進学し、同級生の柏木翔一と2トップを組んでいたので、勝手に憧れていました。」

--ちなみに杉村選手のポジションは?

杉村「中学生時代はサイドバックでしたがレギュラーではありませんでした。」

 

--印象に残る他の選手は?

杉村「二人目は1つ年下になりますが、ファジアーノ岡山所属の田中裕介選手です。今も体格が凄いのですが、中学時代から体格がすごく、今はセンターバックですが、当時はFWでした。スピードもあって、イケメンで、僕はチンチンにされました(苦笑)。そして、最後が前回のMACHIDiaryに登場していた土岐田洸平さんです。土岐田さんは中学時代に対戦経験があり、CYDの所属で基礎技術がしっかりとしている選手でした。その中でも当時からとてもうまかった記憶が残っています。」

 

--話は変わりますが、町田のオススメスポットはありますか?

杉村「ゼルビア×キッチンと町田GIONスタジアムはオススメスポットですが、少し私の主観になりますが古着屋さんで『デザートスノー・ダメージドーン』の2店舗です。昔から町田にあり、アイテムが豊富で、大人も子ども楽しんでもらえるのではと思っています。ぜひ、一度行ってみてください。」

 

--今後ゼルビア×キッチンで計画されているイベントはありますか?

杉村「合計で3つあります。ゼルビア×キッチンはありがたいことに9月28日で6周年を迎えます。その6周年を記念したイベントの実施を予定しています。一つ目は6周年記念メニューとして、背番号6番をつけている佐野海舟選手の好物であるチーズミートオムレツを提供する予定です。このメニューに関してはご注文いただくと、佐野選手の直筆サイン&メッセージ付きブロマイドが特典としてつきます。」

 

--6番のユニフォームを着用して応援してくださっているサポーターの方は、来店マストですね!

杉村「6番のユニフォームを着てご来店くださるとうれしいです。2つ目は、定食をご注文いただいた方限定で、ゼルビア×キッチンの無料お食事券が当たる抽選会を実施します。3つ目は前半戦と後半戦に分ける形のイベントがあります。前半戦はミニシリーズと言って、500円で食べられる定食を、お子様限定で無料提供します。日程は9月22日から27日まで。後半戦は選手たちも食べているものをワンプレートで乗せた『日替わり栄養アシスト定食』が通常900円のところ、600円でご提供します。後半戦は9月29日から10月9日まで、です。」

--これまで何度も足を運んでいる方も、まだ一度もご来店いただいていない方も、ぜひゼルビア×キッチンにお越しいただきたいですね!

杉村「そうですね。これまで支えてくださった皆様に感謝の想いを伝える貴重な機会になりますし、まだお越しいただいていない方は、このイベントを機会にぜひともお越し下さい!」

 

--今後、ゼルビア×キッチンの展望などはありますか?

杉村「より地域のお客様やサポーターの方々にとって、なくてはならない存在。例えるなら、地域の憩いの場になっていけると良いなと思います。ファン・サポーターの皆様であれば、試合がない日でも、来店すれば、仲間の方と会えたり、知らない方同士でもゼルビア談義に花が咲き、一緒に試合で応援するようになって、ゼルビアファミリーの輪が広がってくれるとうれしいです。地域の方々にとっては、ゼルビア×キッチンでは栄養バランスも良くて、おいしいものが食べられるお店として広く認知され、明日への活力になっていくと本当にうれしいですね。またゼルビア×キッチンがきっかけで、試合会場に足を運んでくださるとなおさらうれしいです。」

 

--クラブハウスが完成すると、選手の食事環境もクラブハウスに移行するのでは?

杉村「その予定です。」

 

--意地悪な言い方になりますが、選手に会えるかもしれないという価値が今後難しくなるだけに、別の価値を提供していく必要があると。それは大きな課題ですね。

杉村「この先、10年、20年長く続くお店に成長できるようにしていきたいです。愛されるお店になるとはよく言われることですが、僕自身は逆かなと思っています。地域の方々を愛することが重要で、愛した結果が愛されるお店になるのかなという考えがあります。そうなれるように、いろいろな発信や施策をしていく必要があると思っています。」

 

--その中で、杉村さん自身はどのような役割を果たしていきたいですか?

杉村「同じことの繰り返しですが、ゼルビア×キッチンを通して、地域の方々やゼルビアサポーター同士の架け橋になるような存在になっていきたいです。いつまでも長く愛されるお店になるために、私自身が皆様を好きになる、愛することが自分の役割だと思っていますし、より一層お客様との繋がりを深くしていきたいです。」

--では最後に、杉村さんにとってゼルビアとは?

杉村「仕事であり、趣味であり、人生です。僕の運命はゼルビア×キッチンを通して、育った町田に恩返しをしていくことです。またゼルビア×キッチンを通して、サポーターの方々にもっとゼルビアのことを好きになっていただけるように、その中で一緒に応援するサポーターの輪が広がるとうれしいです。そのためにゼルビア×キッチンがアイコンになるのであれば、本望です。いや、ちょっとかっこよくまとめ過ぎですね…。熱さが足りないか!?では、『ここが僕のアナザースカイです!』。お後がよろしいようで(笑)。」

 

 

●編集後記・・・

ゼルビアキッチンの店長でお馴染みの杉村店長が満を持しての登場です!

試合会場でも店舗でも、多くのファン・サポーターに声を掛け、反対に声を掛けられる存在である杉村店長の言動の根幹は・・・

「地域の方々を愛することが重要で、愛した結果が愛されるお店になる」

この考えからなのだと思いました。

 

細かい部分まで配慮し、ご来店していただいた全ての方々に満足していただけるよう対応している姿は、飲食店未経験とは思えず、常にご来店者の方々と向き合っている証拠なのではと感じます。

 

『人たらし』の杉村店長に会うことが目的のご来店者も今後さらに増えていくのでは!?

 

ゼルビアキッチンの新しい企画にもぜひ注目して下さい。

(MACHIDiary 編集長より)