俺は風邪ぎみなのに前夜に沖縄料理屋で泡盛を飲み過ぎて、しゃがれて声が出なかった。しゃがれ声ってか、何を言ってるか聞き取りにくいほど喉が潰れてしまっていたのだ。
今回の大会会場はエスペリオ京都。亀岡の湯ノ花温泉郷にあるフットサル場なのだ。俺は始めて行く場所なのでどれぐらいの時間がかかるかわからなかった。だから現地集合時間午前9時15分の2時間前に出発したら1時間で到着してしまった。そのころのエスペリオ京都は霧に包まれて幻想的なムード。誰一人いないのだ。で、車で仮眠・・・。
集合時間になってみんな集まってきて「ど~したん?その声は?」とか言われても「ギグゲジグゲグゲグブブブブ・・・」「は~?何言ってるん?」ギョウワシジガダゼナイノダ・・・。
午前9時30分からの開会式。そして組み合わせ抽選。その日はおけいはんFCもエントリーしていてカナエはそっちで出場するので予選ではやりたくないと思っていたらうまいぐあいに別ブロックになった。10チームが5チームづつ2ブロックに分かれてリーグ戦を行い1位2位が決勝トーナメントに進出する。抽選の結果、ラムズはグリーンのBコートで予選を戦う。今回のメンバーは、リョーコちゃん、マリちゃん、アヅちゃん、カエデちゃん、エッチャン、ミカちゃんのラムズメンバー6人とマリちゃんが所属するチームからヒカッチとチカちゃんが助っ人に来てくれて総勢8名。前回に続いてゴレイロがいないのでリョーコちゃんとエッチャンが順番で行う事にした。
初戦は第1試合でウッディーママレンジャーというチームと対戦することになった。第1試合なのに我がラムズの面々はのんびりと着替えてのんびりとおしゃべり・・・。ユウコーチが「時間ないよ~!」と言ってるのに聞こえているのかいないのか・・・。ノマドでは考えられないのだ・・・。ユウコーチのウォーミングアップには絶対服従なのだ。AコートBコート合わせてラムズ以外の3チームはボールを使ってのアップを始めているのにラムズはストレッチすら始まっていない。コートに入ってストレッチの最中に審判がやって来た。ほとんどボールを触らぬままシュート練習さえせずに第1試合が始まってしまった。
相手の練習を見る限り「勝てそうやね」とユウコーチと話していたのだけれど、ラムズのメンバーはアップ不足で体が動かない。「勝てる」どころか防戦一方で0-0で引き分けてしまった。ラムズのメンバーは未だ夢の中のようなのだ・・・。この時の戦いぶりで「今日は予選敗退かもしれない」と思ったヨシムなのであった。
メンバーたちもこれで目が覚めたのか待ち時間にガソリン補給。エッチャンがユウコーチに作ってきた愛妻弁当をお裾分けしてもらった。うまかった。そして今度はしっかりウォーミングアップした。このころに夜勤明けのタカシ通訳がやってきた。ほんまに通訳が必要になるとは・・・。大きな声が出せないのでタカシに伝えて指示を出してもらうようにたのんだ。
俺「#%&==‘&%$$#」
タカシ「そうですね」
ん?何でそんな微妙な表情してるのだ???
俺、必死に声を出して「あ~~っ!お前~!今適当に返事したやろ~!」
タカシ「わかりました?だって何言ってるかわかりませんもん。ってか他のこと考えてた」
俺「・・・・・」ヤグダダズメ
第2試合の相手はBANBティアラ。施設のスクールチームで強敵なのだ。さっきの調子ならコテンパンにやられてしまいそうだ。試合が始まるとさっきのチームとは違ってプレスが早い。
試合展開も速くなった。しかし、お目覚めしたラムズも負けずに速いプレスと展開で互角に戦った。いつものように、しっかり守ってボールを奪ったら素早く展開するラムズのフットサルになってきた。そして先制点はラムズが奪った。ゴレイロのエッチャンからのスローをリョーコちゃんがゴールしたのだ。そしてこの1点をみんなで守り切って1-0で勝利した。
第3試合は南京都高校。開会式で「制服の女子高生がならんでいるな~」と思っていたら高校のクラブのようだ。しかしまだ初心者が多いようで勢いのついたラムズは攻めまくり、リョーコちゃんが1点、ヒカッチが1点、エッチャンが2点、そしてミカちゃんが参加3大会目にして始めてのゴールを奪った。「先生ちゃんと書いといてな~」ってミカちゃんに言われていたが、大会でゴールするのはたいへんなことなのにリッパリッパ!いつも練習を頑張ってたし2試合目が終わった後に自分のプレーに納得がいかずに彼氏のナス記録長(予定)とボールを蹴っていたから愛のゴールなのだ。しかしせっかくゴールはしたのだがこの試合で捻挫してしまったので後の試合は見学になってしまった。次またがんばろうな。この試合は5-0の圧勝であった。
第4試合は決勝リーグ進出をかけた大事な戦いになった。引き分け以上なら決勝トーナメント進出が決まるが負けた場合は得失点差の勝負になる。対戦相手のFCcoPandaはBANBティアラと引き分けている。
かなりの強豪だ。試合前に今日始めて全員で円陣を組んだ。絶対に負けられない戦いなのだ。しかしFCcoPandaも負ければ予選敗退なので必死なはずだ。コートに入ったメンバーはもう一度円陣を組んで士気を高めている。「いくぞー!」そして全員が招き猫ポーズでこっちを向いて「にゃー!」我々「・・・・・・」苦笑いなのだ。そして一瞬の沈黙の後でユウコーチとタカシ通訳が「かわいい~~~!かわいい~~~!」はははっ士気が高まったぜ。
試合が始まるとcoPandaの14番の選手がドリブルで攻めてくる。この選手はたしか東山でミックスに出たときに決勝で戦った選手なのだ。彼女のドリブルに対しては間合いを取って遅らせてカバーに入り組織でディフェンスするように言ってあったのでラムズはうまく対応してしっかりディフェンスしていた。そして少ないチャンスにダイレクトでボールをつないでエッチャンのパスからヒカッチがゴールして1-0で逃げ切った。ラムズは予選リーグを3勝1分けの1位で通過したのだった。
Aブロックはカナエのいるおけいはんが1位通過したようだった。こうなればおけいはんとは決勝か3位決定戦でしか当たらないのだ。
準決勝の相手は香芝FC。ティアラリーグという施設のスクール対抗リーグで2年連続で優勝し、今年からは奈良県リーグに加盟した強豪なのだ。そろいのジャージにヘアバンド。強そうなのだ。「しっかり守れば必ずチャンスが来るから」と今まで通りディフェンスをしっかりするように言って試合が始まった。攻める香芝、守るラムズの展開がずっと続いき前半は0-0で終了した。
後半はリョーコちゃんを前線に置き3人で守ってボールを奪ったらリョーコちゃんに当てて押し上げる作戦。何度かチャンスは作るもののゴールできない。全体には劣勢でゲームがすすんだ。残り2分でギャンブルに出る決断をした。「誰かゴレできる?」控えにいたメンバーに聞くと「自信はありませんが・・・」とヒカッチが引き受けてくれたのでキーパースローになった時にゴレイロのエッチャンに代えてヒカッチを入れた。そして前回の大会の反省を踏まえてすぐにエッチャンをフィールドに・・・。しかしこの間にゴレイロキープ4秒が過ぎて間接フリーキックを取られてしまった。いきなりのピンチなのだ。残りは1分少々。ココで得点されたら敗戦濃厚だ。そして蹴られた間接フリーキックは壁に阻まれてエッチャンの足もとに落ちた。すかさずエッチャンはゴール前に走っていくリョーコちゃんへパスを出した。ゴレイロと1対1なのだ。エッチャンも右からゴール前に走る。しかしリョーコちゃんはそんなエッチャンには目もくれずゴールに向かってシュートを放った。これが右のエッチャンを気にしたゴレイロをあざ笑うかのようにゴール左隅に吸い込まれたのだ。「ヨシムマジック!」ユウコーチ、タカシ通訳、ナス記録長(予定)が大喜びだ。そして直後にタイムアップして1-0で決勝進出を決めたのだった。
ラムズはココまで4試合を失点0で決勝まで勝ち上がった。しっかり守っていたら必ずチャンスはやってくるものなのだ。
カナエのいる、おけいはんFCも準決勝に勝利して決勝に進出したようだ。決勝戦はラムズ対おけいはんFCである。
お互い知り合いなので和やかにおしゃべりをして決勝戦の時が来た。嫌だったのはココで始めてAコートに移ってのプレーになることだ。ブルーのAコートは先ほどまでのグリーンのBコートとはグリップの感じが違っていた。以前にラムズが優勝した大会の時も同じようにコートによって全然違ったのだが決勝まで同じコートだったラムズはコートの違いに悩まされる事なく優勝できた。だからコートが変わるのは嫌な感じなのだ。
おけいはんFCは強力新人が加入し得点力を増しているようなのだ。試合が始まるといきなり押し込まれた。相手がカナエのいる、おけいはんFC、慣れないコートなどに集中力を欠いていた。そしてリスタートからの長いボールをゴール前で押し込まれてこの日の初失点。立て続けに強力新人に個人技でやられて2失点目・・・。守って守って少ないチャンスをモノにしてきたラムズにとって前半でいきなりの2点ビハインドは大きなプレッシャーとなった。
後半はゴレイロをヒカッチに頼んでディフェンスはマリちゃんひとり後方に残し得点力のあるリョーコちゃんとエッチャンでゴリゴリに攻めた。他のメンバーも前からプレッシャーをかけてゴリゴリにほんまにゴリゴリに攻めまくった。俺たちコーチ陣も声を枯らして応援した。俺の声は最初から枯れてるけど・・・。そしてエッチャンが1点返して1-2になった。ますます攻めまくるラムズにたいし必死で体をはって守るおけいはんFC。リョーコちゃんがカエデちゃんがアヅちゃんがチカちゃんがエッチャンがマリちゃんが何度もチャンスを作るがギリギリのところで阻止された。そしてタイムアップ。精根尽き果ててガックリと倒れこんだのはカナエのほうだった。試合中は必死でリョーコちゃんを押さえた上にタイムアップの笛の後で不運にも見方のゴレイロのクリアボールがわき腹に当たったものだから四つん這いになって立ち上がれないカナエ・・・。カナエのディフェンスに負けたラムズだった。しっかり守る精神は、おけいはんFCで戦ったカナエにもちゃんと宿っていたようなのだ。
今回は決勝戦で敗れたラムズではあったが決勝戦までは大健闘なのだ。ただ、おけいはんFCに負けたことが何とも悔しいのだ。しかも「おけいはん」とキーボードを打つたびに「桶違反」と変換してしまうのだ。
文章が進まず何とも悔しい思いなのだ。くっそ~桶違反め!
何はともあれ優勝と準優勝が身内であった事は喜ばしい事なのだ。
おけいはんFCのみなさん優勝おめでとう!
ラムズのみなさん準優勝おめでとう!