この日のノマドの試合は3試合目であるからキックオフは午後12時40分であった。
しかし、俺は本部のお手伝いに呼ばれていたので午前9時に、かわきたグランドに到着した。
本部へ行くと前回対戦したエスペランサのユージくんも本部の手伝いをしていて「うちのキーパーがトンネルした事、HPに書いてあったそうじゃないですか~」なんて言われてしまいましたよ。
ノマドの関係者以外にも読んでる人がいるのですね。
ちょっとビビっております。
第2試合が始まるころにはノマドのメンツも集まり始め第1試合に別コートで審判をしてくれていたタカシ、ダイ、前ちゃんの準備ができるのを待ってウォーミングアップを開始する事になっていた。
ユウはアップのメニューも考えてきてくれているようで、のんびり準備する選手たちに「みんな意識高めていこうや~!」「先生!11時30分になったら言って!」ほ~、時間単位でアップメニューをこなすようだな。
けどユウくん「もう11時30分過ぎてる」し。
ウォーミングアップに向かったメンバーたちを見送りながら、俺は第2試合の男山FCvs八幡FCの試合を観ていた。
やはり八幡は強い。
4・4・2システムを12番と21番のダブルボランチがしっかり統率していてスキがない。このダブルボランチはヨシムの理想に近かった。
今シーズンは10月の対戦までに八幡の試合を観る機会が多いのでなんとか弱点を見つけたいものだ。
ひと通りアップが終わって最後にダッシュを数本繰り返しているメンバーたちを見ながらミーティングの準備をしているとダッシュをすっぽかしてマックとケンチャンが戻って来ていて「あんなんに付き合ったら死ぬ」と言って休憩していた。
ユウトレーニングコーチ殿、ベテラン組は別メニューってことで許してやってください。
試合前に前ちゃんと「トップ下」のポジションについて話をした。
前ちゃん「この前のシニアの練習試合を観て思ったんですけど」
ヨシム「ふむふむ」
前ちゃん「先生みたいなトップ下の動きをしようと思うんですよ」
ヨシム「ほ~」
前ちゃん「僕のトップ下はちょっと動きすぎるんですよね。」
ヨシム「ふむふむ」
前ちゃん「先生のトップ下ってまん中からあまり動かないじゃないですか。動けないのかも知れませんけど。」
ヨシム「ん?」
前ちゃん「やっぱ動き過ぎずに先生みたいに、まん中ににいないといけないと思うんですよ。先生は動けないのかも知れませんけど。」
ヨシム「褒めてるのか?けなしてるのか?本気なのか?冗談なのか?」
前ちゃん「先生みたいに頑張ります。」
ヨシム(心の中で)「マエチャン、ニホンゴ、ダイジョウブ?」
どうも、たぶん、結果的にではあるがヨシムは褒められたみたいなのだ。
先発メンバー発表!
GK
ヤンマー
DF
ケンチャン、マンモス、浦ちゃん
MF
ボランチ マック、和久ちゃん(ジャンボのマンマーク)
右サイド ユウ
左サイド サッチン
トップ下 前ちゃん
FW
タカシ、マーシー
サブメンバー
ダイ、ヤマショー、ヨシム
今回は蹴鞠団戦なのでいつものようにジャンボにマンマークをつける。
いつもなら浦ちゃんにその任務を任せていたのだが、でぶっちょになってしまった浦ちゃんには不安が残る。
そこで白羽の矢が立ったのは和久ちゃんである。
俺はジャンボのマンマークを和久ちゃんにさせることはちょっと前から考えていた。
そのことはマンモスも考えていたようで「和久を試したい」とのメールが来た。
それで俺の腹も決まった。
和久ちゃんは自分の与えられた仕事を忠実にやり遂げるタイプだ。
与えられた仕事が大きいほど燃えるタイプだ。
だから俺は前もってそのことを和久ちゃんに伝えておいた。
「マジっすか~?え~マジっすか~?」
そう言いながらも何かうれしそうだ。
期待されてきっとかなり燃えていたはずだ。
ジャンボのマンマークに和久チャン、この決断がこの試合に大きく影響するのだが、それはまた後ほど。。。
そして今回はユウの右サイドが復活し左右のナカイ兄弟のスピードやキハラ兄弟のツートップ、俺を手本にする前ちゃんなど話題満載の試合になりそうなのだ。
試合前に恒例になりつつある一体感行事、ヨータロー、エミ子ちゃん、えっちゃん、サブ組を含めてその日集まったメンバー全員で円陣を組む。
前回の円陣に乗り遅れたキャプテンシバキョーはBoAちゃんのコンサートの為にお休みなのだ。44歳でBoAちゃんって。。。
またもや置いてけぼりなのだ。
一体感を確かめあったメンバーたちはピッチに向かい、いよいよ蹴鞠団戦が始まろうとしていた。
今日は天気もいいしサッカー観戦日和なのだ。
ピッチサイドに座ってのんびり観戦させてもらうのだ。
ところが両チームの選手が集まっているにもかかわらず審判がまだいないのだ。
審判待ち状態なのだ。
2試合前に試合を済ませてじゅうぶん準備できるはずなのに審判服すら着ていない3名が、のこのこと悪びれもせずにやってきた。
何処のチームかはあえて言わないけれどダルそうな感じなのだ。
それでも試合が始まった。
和久ちゃんは始めてのマンマークにやや戸惑いはあったものの徐々に慣れてジャンボに仕事をさせなかった。
ボランチのマックもうまくバランスを取っている。
こうなれば試合はノマドのペース。
久し振りに本職の右サイドに入ったユウがドンドン右サイドを切り裂いていく。
そして大きなサイドチェンジで蹴鞠団を揺さぶっていく。
試合は進むものの審判があまりにもひどい。
主審はセンターあたりから動こうとせずに、かったるそうにしている。
おまけに時計すら忘れるありさまなのだ。
こっち側の副審もフラッグの振り方さえ知らないようで、こちらもかったるそうだ。
両チームは本当にフェアに一生懸命試合を行っているのに残念なことだ。
試合がすすむに連れ両チームは審判のことは諦めた。
不思議と両チームに一体感が生まれ、好ゲームに展開し始めた。
ある意味凄い。
そんな状態でも主導権はノマドが握り、前半10分あたりに右サイドからのユウのクロスをサッチンがトラップしてゴールした。
ユウからサッチンへのナカイ兄弟ラインで奪ったゴールに、二人の彼女のえっちゃんとエミ子ちゃんは大喜びである。
その後の展開もジャンボへ入るボールを和久ちゃんがことごとく跳ね返してジャンボに仕事をさせなかった。
そしてゴール右側で得たフリーキックのチャンス。
タカシが左足でゴールを狙ったフリーキックがクロスバーに直撃し跳ね返りを前ちゃんがヘッドでゴールした。
そして2―0のままで前半を終了した。
ハーフタイムに集まったメンバーに、もう審判の事は諦めて自分たちで試合を進めることを話し合った。
本部席ではエスペランサのユージくんが審判に注意してくれたそうだが「だって、やったことないねんもん」と言ったらしい。
「なら、やれるやつがやれ」ってことになって前代未聞の前半後半で審判を交代させることになったのだった。
次からは、ちゃんとやって欲しいものなのだ。
前半が終わって教習所の時間が迫っているマーシーが帰って、交代にダイを入れた。
マーシー!試合をほったらかして教習所って。。。
後半も展開はほとんど変わらずノマドのペースで試合は進む。
蹴鞠団はノマドの速い展開について来れない。
そしてタカシがペナルティーエリアで倒されてPKを得た。
「PKはマンモス!」試合前のヨシムの指示通りマンモスがPKを蹴った。
マンモスの蹴ったボールは力なくコロコロとキーパーのふところへ納まった。
ドンマイ!マンモス!PKは五分五分の確率だ。
はずした時のチームに及ぼす影響を考えて君に蹴らしているのだ。
だから気にしなくていいのだ。
ジャンボを封じ込めたノマドは、攻めに攻めてダイがゴールした。
3―0だ。
「え~と、今のダイのゴールは誰からのボールを決めたんやったかな?」と、ヨシム。
「え~っ!先生観てなかったん?ユウくんからのボールをタカシくんがドリブルしてダイくんにパスしたんやん!ユウくんからのボールを~っ!」と、えっちゃん。
誰から?って訊いたのだから「タカシ」が正解なのだが「ユウからタカシ」ってとこが、えっちゃんにとっては大事なんやな。
今日のノマドは強かった。危なげなく3―0で第2戦を勝利で飾った。
今シーズンのノマドは確実に意識が変わろうとしている。
ユウが先導して行うウォーミングアップや戦術的な理解が一体感を持ち始めているように思う。次節は前半の山場、南八幡戦なのだ。強くなったノマドをみなさんも観に来てください。
FC・NOMAD戦いの記録
http://ameblo.jp/fc-nomad/entry-10031678600.html