また、もらとりあむタマ子を観てきたの巻 | バーチャルコンソールクエスト

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ゆるゆるゲームブログ

2回目のタマ子を観て帰ると、食卓にシフォンケーキが。
勉強が嫌な長女が現実逃避のために焼いたんかなと思いながら
「これどうしたと?」と奥さんに訊くと「私が焼いた」と返ってきた。
今週は用事もなく暇なので焼いたということらしい。
「そんな暇ならもらとりあむタマ子観てきいよ、めっちゃ面白いよ」と僕が言うと
「1800円あったらお茶と海苔を買う」と言われてムキー!となる。
でも僕はすでに2回もタマ子観て、劇場でパンフ買ってコーヒー飲んだりして
けっこう使ってるのはナイショです。


ということでどうしてもタマ子に会いたくなって観てきました。
1回観てるはずなのに、先が分かってるはずなのにすごくよかった。
1回目よりももっと好きになってしまった。
そしてまた語らずにはいられない状況になったのでまた感想文を書くなり。
一度ネタバレ全開で「あのシーンがよかった!」とか
「あそこはこう思う」とか書きなぐったんだけど、
もらりあむタマ子は現在全国で4館しか上映されておらず、
これから年明けにかけて拡大してく事を知ったので書きなぐった文章は全部捨てて、
極力バレないようにしながらだらだらと書いてみよう。
2回目なんで長いおしゃべりでもするつもりでお付き合い頂けたらこれ幸い。


1回目は完全にお父さん目線でタマ子の心配ばかりしてましたが
2回目は少しタマ子寄りに観る事に。
かつて自分にもモラトリアムな時間があったことを思い出しつつ…



昔の自分もああだったかもしれない。
怠惰なままじゃいけないのは分かってる。
でもどうしていいか分からない。
分からないまま日々は過ぎる。
季節は巡り変化する。
分からないけど、その時はいつか分からないけれど…



なんてこと思うかと思ってたんだけど、実は全然違うこと考えてました。
モラトリアムな時間は、タマ子のような停滞は、若者だけの時間なんだろうか。
そんなことを思いながら観ていました。
僕は一応働いています。
結婚もして、人の子の親となる事も出来た。
端から見ると、立派な大人かもしれない。
けれどもそこに立派な志など無く、ただなんとなく時間を重ねた結果なのかも。
タマ子はこれじゃいかん、と思ったかどうか実のところちょっと分からないけど
とりあえず変わってみようと、履歴書を書いてみたりする。
写真を撮って変わるきっかけをつかもうとするんだけど、
そういうこと大人もけっこう思ってるんじゃないか。
どうにも窮屈な日々から逃げ出したくて
フリーになってもっと幅広く仕事したいとか、
脱サラしてそば屋やりたいとか、
そういう気持ちはタマ子が履歴書に向かってた時間と大差ないかもなあ。
そういう気持ちを持ちつつ休みの日は朝からお酒飲んでごろごろ…
タマ子と全然変わらんやんw


えー、ここでひとつお詫びしないといけないことが。
わたくし嘘をついてしまいました。
僕はお酒が飲めません。
普段通りだと録画しておいたアイカツ!やワラッチャオ!なんかを次女と観て
次女以上にキャーキャー言ってたりするんですが
これだと残念を通り越して引くなと。
なんとなくお酒飲んでごろごろの方が真っ当に残念な感じがしていいなと
格好つけてしまいました。
ここにお詫びして訂正致します。


えー、何の話だっけか?w
そうそう、タマ子の話ですよ。
1回目観た時お父さん目線でタマ子のことを腹立たしくも愛おしく思ってましたが
それは父として心配してのことだけでなく、
かつて、そして今も心にタマ子のような自分を抱えていて
それを未だに、少し、もどかしく感じているせいかもしれないなあ。
そして年を重ねた事で、昔はその事にイライラしてた部分が
少しずつ、諦め、とは違うな。
少しずつ、赦せるようになってるのかもしれないな。
そんなことを思った2回目のタマ子さんでありました。


しかしなんなんでしょうね。
こうもしつこく語りたくなるのは。
あー、よかった。面白かった。あっちゃん素敵すぎる。
だけで済ます事が出来ないこの気持ちは。
ということも少し考える。

それは、もらとりあむタマ子が説明しない映画だったからかもしれません。
今の世の中、気がつくと説明ばかりです。
いろんな説明があり、注意書きがあり、
果てにはSNSで「仕事なう」とか自分の説明をしてみたり。
沢山説明してくれるので、自分から探しに行く必要がないくらい。
自分の気持ちすらも探しに行く必要がないくらい。
でもタマ子はそういう説明がほとんどありません。
お父さんは離婚してるけどそのいきさつは分からず仕舞い。
お姉ちゃんがいて、お母さんもいるんだけど、どういう人か劇中では語られていない。
とにかく、劇中ではタマ子と父と、その日常が淡々と描かれているだけです。
その日常がつまらなければふーんで終わりそうな映画なんですけど
前田敦子さん、康すおんさんがなんてことないことを
あまりに見事にやってのけてるもんだからさ。
探しに行きたくなるでしょうよ、ええ。
そして探して行くうちにタマ子の日常に自分の気持ちが乗っかっちゃうんでしょうね。
だから気がつくとタマ子のなんてことない日常を一生懸命に語りたくなるのかもしれません。
説明しない事が物語を豊かにしてるんだよなあ。

あの、えーっと、唐突にビデオゲームの話を。
タマ子に取り憑かれてる管理人ですが、僕の最も興味あることはビデオゲームのこと。
24時間365日親より妻より子よりもビデオゲームといる時間が一番長い管理人が
開店休業気味にやってる場末のゲームブログであります。
なので日々見聞きするなんてことない日常も
いつの間にかゲームとも繋がって考えてしまうクセがあります。
ちょっと前はあれだ。
次女が水怖がるもんで水泳教室の1日体験に行ったら
1時間のカリキュラムが流れるように進み怖がる子供の心が緩やかに解けてくの見て
「授業のレベルデザインがすごい。スーパーマリオ1-1並みの美しさ」とか呟いて
一般の方に「ちょw、喩えがww」とか呆れられる始末www

ビデオゲームというのはなんというか、説明しないと始まらない娯楽です。
始まらない事もない、かもしれないけどそのハードルは凄まじく高いな。
ここ考え出すと大きく横道に逸れるのでまた全然違う機会にしよう。
とにかく説明せずに豊かな物語を紡げる映画ってのは素晴らしいなと思いました。
ビデオゲームが至高の娯楽と思っている僕ですが、
この点はなんというかその、少し妬けます。


いかん、なんだかもうグダグダだw
ということでここらでお開きに。
かくだけ書いて書いて僕は大分すっきりしたしww
そして3回目観たくなってきた。
また一人であの穏やかな空間に浸っていたい気がしますが
冒頭で酷い事言ってる奥さんに女優前田敦子の素晴らしさを見せつけ
ギャフンと言わすべく二人で観ると言うのもいいかもしれない。