「もうだめだー、進み方が分からーん」
遊ぶ度にそう言って、24年前の僕は同じ所をグルグル回っていた。
あまりにも進めないので、リンクの冒険はほどなくしまっちゃうおじさんにしまわれてしまった。
昔の積みゲーは頑張ったけどどうしても先に進めないゲームか
あまりにもつまらなくて遊ぶ気が起きないゲームで
そんなゲームを前にして、途方にくれたぼのぼののような状態になった時に
どこからともなくしまっちゃうおじさんが出てきて、どっかにしまってくれた感じw
今は僕自らしまっちゃうおじさんになって、
遊ぶためではなくしまうためにゲーム買ってる気がするなwww
久々の感想文しょっぱなから横道に逸れそうなので話を戻しましますかw
リンクの冒険は発売日に買いました。
1987年1月14日の話。
ディスクシステムの作品は定価が3000円以下とお財布にやさしかったので
お年玉つぎ込んで買いましたよ、ええ、ええ。
がんばってクリアするぜ!と息巻いて始めたはいいが
前作ゼルダの伝説とは勝手が大きく違っており悪戦苦闘。
そうこうしてるうちにドラクエ2が発売され(1月26日発売)一大ブームに。
今ならここで積みそうだけど、この頃は早解きがステータスだった時代で
なおかつ大作もさすがに毎週のようには出ず、ついでにお金もなかったので
リンクはひとまず保留し、ドラクエ2に全力投球。
マンドリルやロンダルギアの魔物達に涙目になり、呪文が違いますに号泣しながら
1週間ちょっとでクリアしまたリンクの冒険へ復帰。
だけどどうしても進めない場所があって堂々巡りを繰り返して
たしかゴールデンウィークあたりに心が折れましたw
リンクの冒険はアクションRPGです。
マップを探索して神殿にたどり着き、そこのダンジョン攻略してキーアイテム集めてく
という基本の部分はゼルダの伝説と同じですが戦闘は大きくシステムチェンジ。
トップビューでアイテムをゲットしてパワーアップしてくスタイルから
サイドビューで敵を倒し経験値を得てパワーアップしてくスタイルに。
この変更で、リンクの動きはよりリアルになって戦ってる感は格段に高まったんですが…
戦いの難易度も格段に高まってしまった。
これに拍車をかけていたのがレベルアップのシステムで
リンクは経験値を一定数貯めるとライフ、攻撃力、魔法力のいずれかを
一段階アップできるシステムなんですがこれがかなりのくせ者。
というのも経験値アップして強化してもセーブでレベルが維持出来るようにするには
ライフ、攻撃力、魔法力が揃って上がってる場合のみという縛りがありました。
ので、ライフ2、攻撃力3、魔法力1、という状況でゲームオーバーになると
再開した時のパラメータは、オール1状態orz
また洞窟・神殿等に落ちてる経験値を大量に獲得出来るアイテムや
神殿のボス撃破した時に貰えるボーナスも1度きりなので
死んでしまうとそれまでの経験値がパーになってしまう恐ろしい仕様でした。
リンクの冒険のリンクさんは道中剣術を学び、
上方向に攻撃出来る上突きと下方向に攻撃出来る下突きを使えるようになります。
ですがそれまでは超反応にフェイント交えてなんとか対応するしか無い厳しい状況。
さらにこの頃のサイドビューアクションでよく登場した
放物線描きながらゆらゆら飛んでくるやらしい敵もちょくちょく出てくるし
要所で突入する橋や海岸の岩場などのステージでは移動邪魔するように泡が沸いて
ここで凡ミスで死んだりしたらそれはもう目も当てられずここで大きく心が折れてしまう。
(リンクは海などに落下すると即死する仕様でもあった)
上下突き覚えると超反応の騎士にも放物線描くザコにも
対処出来るようになるからグッと楽になるんですけど
それでも落下即死は辛かったなあ。
アクションRPGながら残機制でもあったので多少は救済になってたけど
序盤の経験値の貯まり辛さ考えるとしんどいの一言。
リンクの冒険はドラクエのようにフィールドマップを移動し
道以外の場所を歩いてると出てくる敵シンボルにぶつかると戦いになる
シンボルエンカウント方式を採用してて
マップ上の街で情報収集して神殿探して攻略するんだけど
ゼルダより増えたけどまだまだ断片的なヒント、
そして目的地特定したはいいがマップ配置が実に嫌らしい位置に
足が遅くなる沼や、面倒な敵の出る森や砂漠があって神殿にたどり着くのも大変と
アクション厳しい、レベル上げ大変、移動しんどいの三重苦で
周りでも脱落者の多いゲームだったと記憶しています。
僕はアクションではなく3つめの神殿か4つめの神殿か忘れたけど
先の進み方が分からなくて詰んだのかな。
とにかくねえ、難しかったんです、リンクの冒険。
さてさて、一旦は投げたマダオ青年ですが半年位経った辺りかな。
「なんかやるゲームないなあ、そういえばリンククリアしてないしも一度やってみるか」
と、ちょっとした気まぐれでゲーム再開します。
するとどうでしょう。詰んでたところあっさり解決。
こういう経験、けっこうあります。
寝かせてみることで、袋小路に入っていた思考にリセットが掛かって
あっさり突破出来る事。
あと、一旦距離を置く事で見方が変わり、面白さに気付く事なんかもあるな。
出会ったのが小学生、なんて人もいるでしょうから
そう言う場合はゲームスキルが上がった中高生になったことで
先に進めるようになりハマッた、なんてこともあるんじゃないかな。
ほんと気まぐれなんだけど、こういうのも縁ですなあ。
その後快調に、でもないけど、敵との闘いに悪戦苦闘しつつも
最後の神殿にたどり着き、そこで待ち受けていた最終局面に胸を熱くする。
超反応の強い強いラスボスでしたが何度目かのトライで見事クリア!
この時の感動は未だに忘れられない。
今時のゲームと違って、昔のゲームのエンディングは非常にあっさりしてるんだけど
それまでの過程、苦労した分だけクリアの感動がストレートに伝わってくる気がします。
自らの手でラスボスを倒した、その感触が強く残ってるうちに流れてくるスタッフロールは
その感触をより大きくしてくれた気がするなあ。
いろんなエンディングあっていいと思うけど
アクションゲームはちょっとあっさり目な位の方がいいかもしれませんね。
もちろんそれまでの展開が面白くないとアレですけどw
あれから24年、いや、正確には23年目からVC版のリンクの冒険に手を伸ばして
のらりくらりやってたんですが久々に遊んでみたリンクの冒険から、
僕は当時とはまた異なった印象を受けたのでした。
上段下段をめぐる攻防が熱い剣劇アクションにマップを移動し旅する雰囲気。
リンクの冒険を作る宮本さんの頭の中は
既に時のオカリナのようなビジョンを持ってたんじゃないか。
そんなことを思いました。
時のオカリナのルーツを見た気がした。
遊びながらファミコンじゃここが限界だよねー、とか
この辺はファミコンでも雰囲気出てるなあ、とか
まあ、色々見えてくるのです、3Dゼルダの影が。
リンクの冒険はシステム面でいろいろ途上な部分が多く、
ゼルダシリーズの中でも一番人気の低い作品のような気がします。
僕はシステムではなく神殿でアイテム取った時のデデデデーが音だけで
アイテム高々と掲げるあの決めポーズやらないのが不満だったりしますがw
話を戻して。
遊べば遊ぶほどこの作品の中に、確実に、のちのちの3Dゼルダに繋がるものを発見。
単純にゲームの出来だけではなく、ゼルダシリーズの中で考えると
リンクは初代ゼルダや神々のトライフォース以上に、大きな意味を持つ作品だと思うように。
いやいや、リンクのレスポンスもよくかなりいい出来ですし
ラストバトルはシリーズん中でも屈指の熱さでアクションゲームとしても
相当いい仕事してるよ。
レベル上げに対しての敵の配置が少々乱暴な気がするけど
そこ乗り越えればよく出来たアクションゲームじゃない?
と思ったりもして、当時以上に楽しめました。
今はwikiで調べれば謎解きやダンジョンで堂々巡りのリスクは回避出来るし
レベル上げだけはちょっと骨が折れますが、できれば多くの人に体験してもらいたいなあ。
時のオカリナのハイラル平原の広さが、さらに広く感じられるようになる。
ゼルダシリーズを深く楽しめるようになる(技術・表現の進化的な意味で)
そんな作品であります。
シリーズの異色作、ではなくシリーズの核をなす作品だと思えてきたんだけど
それはちょっと言い過ぎでしょうかねw
ともあれ、リンクの冒険がより一層好きになったマダオであった。
3D酔いに悩まされる怖さから敬遠してた時のオカリナにも
また挑戦したくなったよw