VCレビュー36回目の今回は初代ゼルダの伝説をお送りします。
いや、どうしてあれほどの名作がVC人気ランキングに顔を出さないのかと
不思議に思いましたので。
それでは。
ゼルダの伝説は、1986年に登場したファミコン・ディスクシステムソフト第1弾として
本体と同時発売されたアクションRPGであります。
えー、ゼルダの前にやっぱりディスクシステムについて触れないといけませんかね。
語り出すと別記事書けるぐらい語れそうなんで今回はさらりと。
80年代前半、まだROMの容量が小さく価格も高かった時代に
大容量かつ安価にソフトを供給できないかということで登場したのがディスクシステムです。
磁気ディスクを両面使う事により…
磁気ディスクって分かりますか?
両面って分かるかな?
時代の流れって恐ろしいなあ。
ダイヤル式の電話もカセットテープもフロッピーディスクも知らない世代が
いっぱいいるんだよなあ。
ほんとにこれでまた別記事書けそうなのでこちらもここでおしまい。
とにかく当時のROMの数倍容量があってしかもディスクに情報書き込めるので
パスワードなしでデータセーブできますよ。
ということを売りに登場したディスクシステム。
その力を示すべく本体と同時発売されたゼルダの伝説です。
内容はアクションRPGとなってますが現在のものとは違って
経験値を稼いで成長する概念は無く、アイテムを集める事によってリンクが強くなるので
パワーアップ型のアクションゲームといった方がいいでしょうか。
ではまったくRPGらしくないのかというとそんなことはありません。
ガノンを倒すべく立ち上がったリンクに待ち受ける世界はRPGそのもの。
今ではほとんどみかけなくなったトップビュー・固定画面の画面切り替え式で
横16×縦8の128画面という当時としては広大なフィールドと
レベル1からガノンの棲むレベル9まで9つのダンジョンが用意されており
レベル2あたりまでは同梱のマニュアル見ればたどり着けるようになってましたが
残りは自力で探す必要がありました。
じいさんがカタカナ言葉で多少のヒントをくれたりはするもののほぼノーヒントに近く
今のようにネットもなければゲーム雑誌も産声を上げたばかりという状態なので
みんな最初はどうすればいいか分からなくて広大なマップを右往左往するばかり。
しかし、ダンジョンを一個一個クリアしていくたびに入手出来るアイテムや
ショップで購入出来るアイテムを使う事で道が切り開けるということを学習していき
あとは己の洞察力と勘でハイラル地方の秘密を解き明かしながら
ガノンの居城へと迫っていくのはほんとにワクワクしましたなあ。
自分で道を切り開いた時の感動は今でも忘れられません。
各ダンジョンの奥の部屋にはボスが待ち構えており、どれも弱点を攻撃しないと
倒せないのでそこを探りつつ戦いを挑む訳ですがこれがまた楽しかった。
弱点を見つけた喜びと、うまく倒せた時の喜び。
スーパーマリオのクッパ戦は戦うというよりかわす要素が大きく
やっかいな障害物ぐらいの認識しかありませんでしたが
ゼルダのボスはほんとにボスらしく僕らの前に立ちはだかりました。
先へ進むにはボスを倒す以外に道はありません。
この体験にもシビレました。
アーケードではドラゴンバスターなんか似たタイプのゲームでしたが
ダンジョンへたどり着く過程なんかを考えるとね。
道を切り開いた末に出会うボスというのはほんとに強大に映るもんです。
そうそう、操作説明しとかないとね。
上で述べたように固定画面の中を十字キーで4方向に移動できまして
画面端に触れると隣の画面に移動します。
そういえば64で登場した初代どうぶつの森も画面切り替え方式でしたよね。
また流行ったり…、することはないだろうなあw
Aボタンは剣での突き攻撃、ライフMAXの場合は突きと同時にビームが撃てます。
Bボタンはアイテムボタン。
スタートボタンで画面切り替えてアイテムを選択し、選んだアイテムを使用出来ます。
壁を壊すのに大活躍の爆弾、アイテム回収に便利だったブーメラン。
部屋を照らすのに必要なろうそくや特定の仕掛けを発動させるのに使った笛等
色々なアイテムが登場します。
最近の沢山のボタンがついたコントローラに慣れてると
アイテムボタン3つ位欲しいねと思ったりしますが
当時はこれで十分でしたね。
アイテムを切り替える行為自体が楽しかったりしましたよ。
爆弾で壁を壊す、不自然な岩やブロックは押してみる。
行き止まりと思われる壁はフェイクかもしれないので特攻。
3Dゼルダのみならず、マリオなんかでも採用されている
任天堂箱庭ゲーのお約束と言っていいこれらの動作はすべてゼルダから教わりました。
そうそう、今の学生さん達の生活が全く分からないのであれですけれど
僕らの時代は友達同士の情報交換は非常に重要でした。
ダンジョンをいちはやく攻略した者はクラスのヒーローでしたね。
クラスのみならず学年中に名前覚えられたりしてね。
僕は一度、クラスも別でほとんど会話したことのなく、学年では武闘派ヤンキーとして
恐れられていた桜木花道君(仮称)からいきなり電話掛かってきて
「おれなんも悪いことしとらんのに」とビビリながら電話に出たら
ハイドライドスペシャルの3匹の魔術師の倒し方教えてくれという電話だった。
なんて珍エピソードあったりしますねwwwwww
(当時は珍、ではなかったです。いやマジで怖かった)
いやいや、勉強もスポーツも出来ない、なんの取り柄もなかった僕ですが
ゲームのおかげでいじめられずに済んだなあ。
ゲームは人生の恩人だなあ、なんてことをよく思いますよ。
未だにゲームで遊びまくって、しかもその魅力を伝えようなんて事までしてるのは
偏に学生時代に色々救ってもらったことへの恩返し以外のなにものでもありませんね。
思い出話はこれくらいにしてw
ゼルダから教わったもうひとつのこと。
それは敵やボスを攻略する楽しさ。
ブーメランで足止めして斬るとか。
爆弾食わせるとか。
笛吹いて分裂させるとか。
背後や側面から斬るとか。
眼を矢で射抜くとか。
マイクで叫ぶとか。
そうそうそう、マイク使えば楽に倒せるあのネズッチュ。
(スンマセン、正式な名前憶えてなくて)
実はクラコンのRスティックぐりぐりすることで
Ⅱコンのマイクで叫ぶのと同様の効果を得られるので
VC版でも瞬殺してルピー稼ぎまくること出来ますよ。
話を戻しまして。
今見るととてもシンプルな攻略法ばかりですが当時は分かんなくてね。
出来ることはなんでもしました。
昔のゲーム、特にアクションゲームは選ばれた人のみクリアできるものがほとんどで
(僕はこれ決して悪いことだとは思ってませんよ)
アクションが苦手な人は寂しい思いをしていたのですが
ゼルダの伝説は、ライフ制を採用していましたし武器もパワーアップしていきますので
謎を解き、弱点を突けばクリアできればなんとかなる作りでした。
この辺の差がアクションのマリオ、謎解きのゼルダと言われる所以ですかね。
ボスを倒すとライフが増え、クリアに必要なトライフォースのかけらを奪還。
この画面がまたシンプルながらグッときましてね。
ダンジョンひとつひとつクリアするごとになんともいえない達成感が味わえます。
そういえばディスクシステムは独自にひとつ音源をもってまして
これを使った音楽が素晴らしくてですね。
ゼルダのみならずディスクシステム作品は音楽が印象深い作品が多いです。
まあそんなこんなで僕にとってはシステムに音楽に広大なマップにダンジョンにと
驚くべき体験がぎゅっと詰まった思い出深い作品です。
そして現在。
久々、といってもファミコンミニでもクリアしてるので数年ぶりか。
またゼルダをクリアしました。
初めて遊んだ時は、クリアに1週間ぐらいかかったような気がしますが
今ではフィールド上のアイテムのありかはほぼ丸暗記。
ゆえに序盤で最強のマジカルソード入手。
隠し部屋でルピー貰いまくって青いリングも早々に購入。
シールドはもちろん最安値で。
と、サクサク進めていって数時間でゼルダ姫救出。
エンディングを迎えました。
いや、何度クリアしても面白い。
しかしわずか数時間でクリアできるアクションRPG。
今ならダメゲーのレッテルを貼られちゃうかもしれません。
64ゼルダばかりに人気が集中しちゃうのも仕方のないことかもしれません。
でもゼルダのクリアまでの数時間、決して薄っぺらいものではありませんよ。
シンプルな中に、攻略する魅力をぎゅっと凝縮した味わい深い一品であります。
なんというか、実にゼルダらしさに溢れた一品。
未知なるファミコンでのアクションRPGへ初挑戦してこの完成度。
ある意味遊ぶ側の僕らの方が全然追いついてなかったかもなあ。
僕はゼルダから謎解き以上に大きな敵と戦う楽しさを教わったような気がします。
ゲームがものすごく進化した現在でも、ジャンルは違いますが、
メタルギアにもモンハンにもこのゼルダのDNAはしっかり組み込まれてると思います。
ゲームらしいゲームデザインだったマリオに対して
ゼルダは実にリアル志向なゲームだったのかもしれませんね。
さすがに今、ノーヒントで遊んでよ、とは言えませんな。
現在はネット上にFC版ゼルダの攻略サイト多数ありますので
そこを参考にして遊んでみてはいかがでしょうか。
いや、PS以降の作品がゲームデビューの世代なら
これ位の謎ノーヒントでも楽にこなしちゃうかも知れませんね。
それにしても、マリオとの人気の差ってなんなんでしょうね。
上でも述べたようにちょっと生まれてくるのが早すぎた作品だったかも知れません。
マリオのような作品、ドラクエのような作品は次々と生まれたのに
ゼルダのような作品はスーファミのゼルダが出るまで
あまり出なかったことからもそういえるんじゃないかなあ。
シリーズ通してみても、人気はあるもののマリオには遠く及ばないもんなあ。
任天堂の期待は非常に大きなものなんですけどね。
新しすぎたこと以上にディスクシステムの作品だったというのが
最大の不幸だったかもしれません。
最初からROMで登場していれば…
今頃はVC人気ランキングで不動の1位だった、かもしれませんね。
今からでも遅くないからさ。
ちょっとみんなゼルダで遊んでみましょうよ。
初代ゼルダをランキング入りさせようキャンペーンでもやるべかなあwww
そしてVCで新たに発見した価値。
数時間でクリアできるアクションRPG。
うん、これ素敵ですね。
晩御飯食べた後始めて、ちょっと夜更かしするだけでクリアできるボリューム。
しかしそこで得られる達成感はけっこう大きいですよ。
真夜中の冒険活劇。
日課にしてもいいくらいw
ゼルダの伝説(任天堂)
ファミコンソフト・2006年12月2日配信開始
DLに必要なWiiポイント:500
僕のオススメ度 100%