W-cupを観て感じることその1 〜選手の機能・多様性〜
6月14日からW-cupが始まり、日々熱い試合が繰り広げられています。
日本代表も1勝1分とし、次節を引き分け以上で決勝トーナメント進出できるという良い位置につけています。
さて今日はW-cupを観ていて感じた《選手の機能・多様性》について少し考えを述べたいと思います。
そもそも選手の機能とはなんなのか?と思う方もおられると思いますので少し選手の機能についてご説明していきます。
選手の機能とはその選手が持っているサッカーにおける《身体的・技術的・戦術的・精神的》機能です。
監督は選手の持っている機能を考慮してポジション・役割を決定していきます。
同じポジションでも選手の持っている機能によって求められる役割は変わってきます。
例えば日本代表であれば14231のシステムを使っておりボランチには長谷部選手と柴崎選手の2人の選手がいます。
しかし代表チームにおける長谷部選手・柴崎選手の役割は違います。
長谷部選手はバランスを取るのがうまい選手で常に守備の準備をして危ないスペース・相手を管理し相手の攻撃の芽を摘んでいくことができるので主に守備を担当しています。
逆に柴崎選手は日本人で数少ないゲームメイクができる選手で長短のパスを使い分け、攻撃のリズムをコントロールし勝負のパスも出すことができるので主に攻撃を担当しています。
このようなことが同じポジションでも選手の機能によって役割が変わるということです。
今回のW-cupでは1人の選手が複数の機能を持っているということが目立っています。
選手達は代表チームと所属チームでは違うシステム・ポジション・戦術でプレーすることになります。
その時に自分の良さを出すために複数の機能を持っていることが重要になってきます。
機能とは先ほども言ったような《身体的・技術的・戦術的・精神的》機能です。
特に戦術的な機能をいくつ持っているかはすごく重要になってきます。
例えば所属チームではカウンタースタイルを採用しており、快速ウインガーとしてSMFを行なっているとします。
しかし代表チームのプレースタイルがポゼッションスタイルを採用しており、SMFの役割が中に入ってきて足元で受けることを多く求められるのであれば、その選手の長所というものはなかなか活きにくいことになります。
従って、代表では試合に出ることができない、もしくはワンポイントでしか出場できない選手になってしまうでしょう。
しかしその選手が中に入ってきて受けるという機能も備えている選手であればどうでしょうか?
その場合は代表チームでもフィットして自分の良さを出すことも可能になります。
このように1人の選手が複数の機能を持っているかということはすごく重要なことです。
その代表する選手の1人が《ドイツ代表右SB キミッヒ選手》でしょう。
この選手のすごいところはSBでありながらボールが近くにある時はサイドや中央でボールを受けゲームをコントロールし、逆サイドにボールがある時はサイドを駆け上がりサイドチェンジからの仕掛けでクロスを上げチャンスを演出します。
これは今までのSBの概念を変え、今後のSBの概念となっていくものでしょう。
まだ23歳のキミッヒ選手は新型SBの先駆者としてドイツ代表を引っ張ってきたフィリップ・ラームをより進化させた選手になっていくと思わせるような楽しみな選手です。
このような複数の機能を持った選手が多様性のある選手なのだと思います。
キミッヒ選手以外にも若くしてこのような複数の機能を持った選手がどんどん出てきています。
現代のサッカーを考えるといくら身体能力が高かろうが、ボール扱いが上手かろうが、生き抜いて行けないということがよくわかります。
現代サッカーを生き抜いていくには《身体的・技術的・戦術的・精神的》機能が必要です。
どれか1つでも欠けても無理でしょう。
従って育成年代からサッカーをプレーするということを積み重ねていき、たくさんの機能を学習していく必要があります。
マンチェスター・ユナイテッドの監督ジョゼ・モウリーニョの言葉で《サッカーはサッカーをしなければ上手くならない》という言葉がありますがまさしくその通りだと思います。
たくさんのことをどのようにして子ども達に伝えていくか。
それを考えるだけでとてもワクワクしてきます。
まだまだW-cupは続きますので皆さんもそのような目線で観ていただければ違った楽しみ方ができるのではないでしょうか。
それではこの辺で。
