篠原です。こんばんわ。

先ほど、知り合いの若いグラフィックデザイナーの
女の子から、突然、電話で相談を受けました。
ちなみに、この子は、実力のある子です。
某デザイン会社で勤務しています。

ただ、この子、「自信がなくなったので、足を洗おうか
どうしようか迷っている。」という相談でした。

決して、簡単に逃げ出すような適当な子でないことを
知っているだけに、ひとまず理由を聞いてみました。

その理由はこうです。

自分は、お客さんのご要望やご期待に沿うべく、
広告的な視点やさらに提案まで加えて精一杯制作している。
また、そのお客さんは口では「あなたのデザインが好きで
信頼してる!」と、毎回言う。
それなのに、ネチネチと細かい修正が多く、最終的には
そのお客さんのしたいような、毎回同じような形に
変えられてしまう。

…ということでした。つまり「むなしい」というんです。

まぁ、こういうのも我々の仕事のうち、ではあります。
だから、ある程度は笑って我慢(!?)は必要です。

ただ!

この子のことは、私も付き合いが長いので、よく知ってます。
本当に実力のある子です。
この子の実力不足が原因とは考えにくいんです。

だからこそ、あえての僕からのアドバイスとしては、

「そんなお客さん、次は断ったほうが良い。」です。

決して、ネガティブな理由からではありません!

そんな、デザイナーをパートナーとして見れない人のために、
自信を無くして今までの苦労もすべて無駄にして捨ててしまう
くらいであれば、いっそ、自分から断れば良いと言いました。

…というのも、信頼関係が無いのに
うまくいくはずないからです。


ここから、少し話は変わります。
また、同じ悩みを持つ方のために、
このスタッフブログで発信してみよう!と、
その子と決めました。
だから、今日は、この記事を書いています。


ここから先の話は、私たちの世界でよく言われている例です。

上司のデザイナーやディレクター、またはクライアント、
誰でもいいです。その方に仮にデザインを3案見せるとします。

さて、ここで質問です。
下記の3つのパターンのうち、あなたはどのタイプですか?

A . 3案とも全て、細かくチェックし、修正点を指摘する。

B . 「君はどの案に自信がある?」と聞いて、
  デザイナーが言った案でOKを出す。

C . 3案以外に、4案目の作成を依頼してみる。

さて、どうでしょう?


ここからは、あくまで「一般論」ですので、
すべての方にあてはまるとは限りませんが、

「A」の人は、裸の王様タイプと言われています。
つまり、誰も信用しておらず、自分しか信用できない。
自分の能力を過信している傾向もあります。
また、デザイナーがもっとも育たない環境を生みます。
このタイプの人はデザイナーを「育てよう」と思って、
意見しているのではなく「自分の思っている事と違う」
ということを指摘したがる傾向にあります。
ちなみに、今回、私が相談を受けた子はこの「A」の
タイプのお客さんのことで悩んでいました。

「B」の人。これが本当に優秀なディレクターもしくは、
クライアントと言われています。
つまり、「仕事を任せた」以上、任せるんです。
リスクも覚悟し、他人に任せられる勇気を持つ傾向にあります。
その代わり、任せられたほうは、自分でリスクを全て背負う
覚悟が必要です。それができる勇気がないのなら、
「A」のタイプのディレクターもしくは、クライアントに
つくべきです。一生、本当の意味で仕事を任せて貰えませんが。

「C」の人は、問題外です。見事な「二度手間タイプ」です。
誰も、得をしません。相手にきちんと主旨を伝える能力が
低い、もしくは単なる面倒臭がり屋さんの傾向にあります。
例えば、こういう方を上司に持ったデザイナーは悲惨です。
そもそも、デザインに複数案なんて不要と思います。
あえて、言わせていただきます。
結局、コンペの時でも、A案以外は「保険」です。
エフビーエックスは基本的に1案しか出しません。
自信があるからです。複数案を作成するくらいなら、
1案に入魂してガッツリ作成します。
結局、その1案が完成するまでにたくさんの道を通ります。
それこそ、結局は複数案に繋がるんです。
それさえあれば、プレゼンできます。
「複数案」とは、「作れ」と言われて用意するものではなく
デザイナー自身が「必要と思ったから複数作った」というのが
自然な形ではないかと思います。


…とまぁ、デザイナーを劣化させてしまう要因とは
信頼されない環境に身を置くことであり、
また、信頼されようと努力しない事でもあると思います。

また、デザイナーが成長する要因とは
「リスクを覚悟すること」だと思います。
つまり、お客さんに「任せる」と言っていただいたら
「任せてください!」と胸を張って、本当に任される。
この繰り返しこそ大切ですし、こういう付き合いを
させてくれる上司のデザイナーやディレクター、
またはクライアントを選んで接する事が重要と思います。

また、私が尊敬する師匠や先輩は、すべて「B」のタイプです。
「A」のタイプの人とは、心は通い合っていません。上辺です。

私に「やってみるか?できるか?」と言ってくれ、
私が「やってみせます。」と言ったら、あとは任せてくれます。
そのかわり、失敗しても私の責任。
でも、それで良いんです。「やります」と言ったのは私です。
また、私ができると思ったから「やってみるか?」と聞いて
くれたわけです。この恩義に応えないのは愚か者と思います。

結局、こういう方は、放置してるように見せながらも
陰でこっそり見守ってくれているんです。
また、こういう方は、相手の「悪い部分」を命がけで
指摘します。全力でぶつかってきてくれるんです。

私もよく罵声を浴びました。でも、その罵声の奥に「愛」を
感じるわけです。
だって、赤の他人の私のために、
心の底から怒ってくれるんですよ?
こんな嬉しい事はありません。
だって、その方々は、何の得もしないんですから。

今でも、私の悪い部分が改善するまで、とことん罵声を
浴びせてくださった方々のたくさんの教えに感謝しています。

この「先輩からの愛」をイジメと勘違いして、
勝手に逃げて行った同僚、いっぱいいましたね。(笑)
でも、私はそんなやつらのことは眼中にはありませんし、
この「先輩からの愛」に気づいていた同僚とのみ、
今でも親友状態です。^^

そして、この「愛」を私は今後も大切にしたいと思っています。
とくに、今の日本は「言いたい事を言わない」イエスマン的な
方が重宝されるケースが増えてきました。
でも、それじゃあダメなんです。絶対、ダメですよ。
それじゃぁ、他人への興味が「無関心」に変わるんです。
そんなんで、良い仕事はできるのでしょうか…。
この先、日本の元気がなくならないか、心配です。
仕事にはやっぱり「熱意」が欠かせないと思うんです。

大概、大成功する仕事かしない仕事かの分岐点は、
こういう事が多いのかもしれませんね。

また、これはデザイナーだけではなく、モデル、カメラマン、スタイリスト、ヘアメイク、プログラマー、プランナー等、はたまた制作業以外の職種(販売業や商社など)でもあてはまるのかもしれません。

就職活動中の方は、面接の際に、面接官や社長のこういう面を探ってみるのも良いのではないでしょうか。^^


人気ブログランキング