5月の公演のオーディションが全て終わり、今日結果を参加者にメールで伝えた。いつものことながら、この作業は胸が痛む。受ける人の思いはそれぞれだが、「Fairy Melody」というお話がいいと思って応募してくれた人も結構いる。また、演じることへの思いを熱く持っている人もたくさんいる。そういう人達に「不合格」と告げるのは、誠に忍びない。
台詞を一言喋っただけで、残念ながら力量が明らかに足りていないと分かってしまう人もいる。しかし、悪くはないが、本命の人と比べるとやはり弱いとか、決して下手ではないが、求めている役のイメージに合わないとか、そういう理由でお断りせざるを得ない人も実は結構いたりする。それは本当に勿体ない。別の芝居だったら出てもらってもいいかも、というレベルの人もいる。しかし、これは他でもない「Fairy Melody」という作品の出演者オーディションなのであるから、そこは心を鬼にしなければならない。



先日、12月の出演者と話をしていて、「オーディションに受かるにはどうすればいいんでしょうか」という質問を受けた。なかなか難しい質問ではある。まずは意欲を強く示すことが大切だし、自分のいいところをうまくアピールしなければならない。また、「(他のものではなく)この作品にどうしても出たい!」という姿勢をはっきりと見せることも大事だ。
しかし、醒めたことをいえば、「何が出せるか」「どこまでできるか」が一番重要であり、熱意は最終的にはあまり関係なかったりもする。確かに、書類選考の時は、芝居に対する熱意や姿勢、実績が見られる。しかし、実際にオーディションの現場にいけば、何を持っていて、何が出せるか、すなわち「アウトプット」しかこちらは見ない。演技は拙くてもキャラが面白いという理由で採用されることも勿論あるだろう。が、それはそれである種の「実力」であるともいえる。実はあまり熱意はなく、何となく出演する場を求めていようが、どうしてもこの作品の中で生きたいと強く願っていようが、出てくるものが問題である。実力が拮抗しているような場合は、志望動機や意欲等を見ることになるだろう。しかし、そうでなければ、問題はアウトプットということになる。
(プラスして、何人お客様が呼べるかも重要なポイントである。)



そうやって選考した結果、男優は合格者が1人決まった。しかし、女優が絞りきれず、FBI初の2次選考を行うことになった。1つの役に就ける人は、当然1人しかいない。その1人が誰なのかを決めるのである。役を増やすという選択肢もなくはないが、今回はストーリー上もうパンパンで余地がないし、役の性別を変えることも難しい。となると、最適の1人を選ぶしかないのだ。
逆に、男性キャストは、容赦なく切った結果、まだ決まっていない役が出てしまった。つまり、今回のオーディションでは適任の人が見つからない役があったのである。こちらは、再度募集するか、今更だが知り合いの役者に声をかけてみるかしかない。どちらの役も、出番は多くないものの、作品を構成するのに不可欠な役である。
稽古開始が迫ってきているので、なかなか難しいかも知れないが、妥協しないで、一番いいと思える人にやってもらえるようにする。そういう人との出会いを期待したい。近々、男性キャストオーディションの告知をするつもりだ。
また、オファー中の人達からもいいお返事がいただけることを、切に願っている。



Favorite Banana Indians第9回本公演「Singularity Crash~〈わたし〉に続く果てしない物語(ストーリー)~」DVD発売。ただ今絶賛ご予約受付中!
下記Favorite Banana Indiansサイトからお申し込み下さい!



Favorite Banana Indiansサイト

http://fbi-act.com


つながろう・つなげよう演劇で!「演劇LINK」サイト

http://engeki-link.com


息吹肇Twitter

@ibuki_hajime


Instagram

https://www.instagram.com/HAJIMEIBUKI/