昨年12月の「Singularity Crash」の成功を受けて、今後の僕の活動をどうしていくべきか…
この問題について、いつも何かとお世話になっている小塚ツルギさんと一昨日話をしてきた。これまで、僕は「演劇ライター」としての活動と、Favorite Banana Indiansの公演という2つを柱とするHajime Planningという屋号で事業を展開することを目指してきた。昨年6月頃から少しずつ動き出したが、「演劇LINK」というサイトはライターとしての活動の拠点にするつもりで開設した。実際、何人かの小劇場関係者への取材も行った。一方、Favorite Banana Indiansの方は4月の番外公演と12月の本公演の2公演を行った。
ライターとしての活動を手探りで始めたちょうどそのタイミングで、ぷろじぇくと☆ぷらねっとさんの「T for T」への出演が決まり、稽古が始まった。同時に12月の脚本を書かなくてはならなくなった。すると、ライターとしての活動は全くできなくなってしまったのである。物理的な時間もとれないし、気力も体力も続かなかった。平行して進められると思っていたのだが、甘かった。



芝居1本上演するというのは、想像以上のエネルギーを使う。まさに全身全霊でやらないと、ちゃんとしたものは作れない。かつては正社員をしながら公演を行っていた。その時は全力で取り組んでいて、手を抜いていることは一切ないと思っていたのだが、完全に芝居をなめていたとしか今は思えない。片手間でできるほど芝居は簡単なものではない。ましてや、市民サークルや学校の部活動ではなく、仕事として、お客様から料金をいただき、それに見合うクオリティのものを作るとなったら、そこに全てを賭けないのは不誠実である。
僕は「T for T」と「Singularity Crash」に(勿論その前の「Fairy Melody」にも)持てる力の全てを注ぎ込んだ。結果、ライターの仕事が止まってしまったのである。いや、正確には、ライターを事業にするための方向性を見出す作業ができなくなってしまった。「演劇LINK」の更新もままならない状態に陥ったのである。



「Singularity Crash」の成功で、僕は新たなステージに向けての第一歩を踏み出せることになった。今後この方向性でさらに突き進んでいくとなると、演劇ライターとしての「事業」を行うことはほぼ不可能である。それができる時間と気力と体力があるのなら、「演劇人」としての活動に振り向けるのが適切ではないかと思い至った。それは、「Favorite Banana Indians」という器をさらに大きくして、より高いクオリティの舞台を提供することでネームバリューを持たせ、出演希望の俳優や観客動員を増やしていくということである。
さらに、僕の演劇人としての「脚本家」「演出家」のスキルを「売る」ことも考えられる。例えば立ち上げたばかりの小劇団や、学校のサークル等、本や演出家を探している団体や個人は結構いるだろう。また、劇団やユニットの立ち上げ方、活動の仕方、公演を行う上でのノウハウを知りたいと考えている人も多いはずだ。そういう人達に、僕のスキルを使ってもらうのである。しかし、無料というわけにはいかない。「仕事」として受けるので、少額でも報酬は発生することになる。その代わり、「仕事」として受けた以上は、必ず結果を出さなくてはならない。
上記のようなことは、演劇関係の「事業」となる。つまり、昨年考えていた2本の柱から、演劇活動1本に絞って事業を行うことになる。選択と集中というやつである。その事業を行う主体がHajime Planningということになるのだ。
(演劇とは直接関係ないが、僕は編集者として20年のキャリアがある。例えば、自費出版を考えている人等にそのスキルを提供することも可能である。)



このような観点で、事業計画を見直す必要がある。事業計画書をまっさらな状態から作り直すということだ。Favorite Banana Indiansの公演は間違いなく「興行」なので、それの制作は「事業」だし、脚本家・演出家としての仕事を請け負うのも「事業」である。だから、僕は個人事業主である。ここは変わりがない。事業である以上は収益を上げなくてはならないが、それと同時に、誰に向かって、どんなサービスを提供できるかをあらためて洗い直す必要がある。演劇LINKサイトも、コンテンツを見直すことになるだろう。小劇場や学校演劇を応援したいという志や思いは今も変わっていないが、それはもう少し別の方法を考えた方がいいのかも知れない。
やはり僕は、ライターであるよりも演劇人なのであった。きっとこれからもそうだろうと思う。当然書くことはやめないが、より演劇に軸足を置くことになる。そう覚悟を決めた。
一度踏み出してしまった道である。僕はもうルビコン川を渡った。あとは先に進むしかない。しかし、それにあたって、Favorite Banana Indiansの活動についての新たなやり方(?)も見つかった。それが何かはここでは書かない(別に隠すほどのことでもないのだが。)演劇人として、さらに高みを目指し、確実に収益をあげられるように、事業を展開していく。



※Favorite Banana Indians第9回本公演「Singularity Crash〜〈わたし〉に続く果てしない物語(ストーリー)〜」DVDご予約受付中!
下記Favorite Banana Indiansサイトからお申し込み下さい。


Favorite Banana Indiansサイト

http://fbi-act.com


つながろう・つなげよう演劇で!「演劇LINK」サイト

http://engeki-link.com


息吹肇Twitter

@ibuki_hajime


Instagram

https://www.instagram.com/HAJIMEIBUKI/