川上明彦本部長代行による大本営発表 | 福岡若手弁護士のblog

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福岡県弁護士会HP委員会所属の弁護士4名によるBLOG
(ただしうち1名が圧倒的に多いですが、だんだん若手じゃなくなってるし)

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ どうしようもないなあ、この人の立場は

法曹養成フォーラム第3回会議で、

ミッドウェー海戦並みの大敗北

(といっていいでしょう)を喫した

日弁連執行部から叱咤激励の

MLが流れてきました。そのMLを

みて、日弁連執行部がまさに今

どういう感覚で動いているかに

ついて私の受けた印象を披露

させていただきます。

 どうしても批判的視点で眺めて

いますので、正確な内容は給費制

維持活動をしている弁護士に確認

して下さい。

*委員会内MLの抜粋は県弁のML規則

違反のおそれがあるとの指摘が入り

ましたので、印象披露という形に変更して

おります。

・一の手、二の手、三の手をこの期に

及んで強かにかつしなやかに準備

するという檄が飛んでいましたが、

多くの若手弁護士をまだ無償の

消耗戦に巻き込む気は全く失せて

いないことに驚きました。したたかとか

しなやかとか言葉を弄しているのが

痛々しく感じました。

・なお、日弁連としては、このフォーラムの

行ったアンケート結果と日弁連自体が

行った収入調査によるアンケート結果とは

大差がなかったそうです。

 あれ?統計からは在野弁護士の感覚と

違える結論が容易に導かれないということ

なんでしょうか。いろんなblogやtwitterの

書き込みとは異なるなあ。そういえば、

賃金センサスもだいぶん実収入よりも

高額な印象をいつも受けています、とくに

女子の平均年収。

・アンケート結果による収入状況が報告

されたことで、その後、一部には、低額

所得者がいることも報告されましたが、

全体としては 「十分返済できるでは

ないか」という空気に繋がり、後は

貸与制への移行+経済的困窮者への

セーフティネットという声が続いたと

いうことです。

 また、財務省と最高裁と連合が共同で

先制攻撃をかけてきた様相を呈したとの

報告がありました。

 被害妄想というか、貸与制維持に固執する

弁護士だけ浮いてしまっている空気がアリアリ

です。「最高裁も法務省も連合も財務省も

四面楚歌だ、自分たちが給費制を維持

するのが正しいのになぜだ!」すごく

児的な感性だなとの印象は否定できません。

 それにしても上記メールには徹頭徹尾

LS導入の見直しという言葉は明記されず

じまい。さすが日弁連の大本営発表という

ほかありません。

・今後、対策本部としては、簡易なアンケートの

再度の緊急実施に、大至急取り組む方針

とのことです。

 フォーラムの行ったアンケートの回収率は

わずか13%程にとどまっていたので、この回答を

行った会員は、自らの収入に相応の自信をもった

者なのだろう、そもそも、この回収率の低さに、

外部からは給費制維持活動そのものに対して

弁護士のやる気・関心のなさを感じると指摘

されたようです。
 今回、実数をあぶり出すために、
それこそ

90%を越えるような、できれば100%に近いような

回収率を記録することが必要であり、それには

フォーラムの行ったような詳細なアンケートでは

無理なので、そこで、アンケート結果で強調された

弁護士登録数年後の弁護士(例えば、57期

であれば1500名程)から、単純に「平成22年度の

収入と所得」のみをアンケートしようとの提案が

なされています。

 ただ仮に異なるアンケートが出てきたとしても、

5年目から返済義務が始まるのが原則だけど

返済義務始期を伸ばす際の年収規制を証明

するための、セーフティネットの枠を考える際の

材料にはなるかもしれません。だって57期のみを

仮に抽出しても、その期が5年たっても10年たっても

ずっとその年収分布のままということまでは全く

実証できないわけですし。若手弁護士の生活が

きつい原因がLSの借金にあることが多くの

アンケートで抽出されたら、日弁連はアンケートを

利用してLS廃止をうたってくれるのか、絶対に

しないでしょう。だから欺瞞の行動にしか見えないと

受け止めた弁護士の仲間うちでも一致団結には遠く、

協力が得られていないのでしょう。

・このようなアンケートによる実証的な反論が

できない限り、流れは変わることはないから、

ここは短期間であればこのアンケートを実施する

一手だし、このまま、我々対策本部は座して、

いや、オメオメと貸与制に移行することを

認めるわけにはいかないと強く思うと決意表明

されていました。

 加えて、この再度のアンケート結果でも、法務省

アンケート結果に同じようであれば、それを現実と

受け止めた上で、それを前提に将来減額

シミュレーションの実施を強化することにしようと

結ばれていました。

 私には悲壮感漂い滑稽にしか見えませんでした。

泥縄という言葉はこの決意を指すにふさわしい

暗喩ではないでしょうか。

本来なら「座して、いや、オメオメとLS制度に

より、LS生が多額の借金を抱えながら法曹に

なる現在の姿を認めるわけにはいかないと

強く思うのです」、こう書くのが普通の感覚だと

思うのですが、内部MLですら絶対に書かれる

ことがないのです。借金まみれの若手を救うので

あれば税金の負担を要しないバイパスの大幅

拡張を日弁連から打ち出すことが、少なくとも

LS以外の賛同はより簡単に得られると私は

思っています。
ろぼっと軽ジK