入金リンク条項の限界 | 福岡若手弁護士のblog

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(ただしうち1名が圧倒的に多いですが、だんだん若手じゃなくなってるし)

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2010/10/14最高裁は、企業法務を

扱う者にとって、明示的な契約書の

記載であっても予期せぬ形で無効化

されることもある、絶好の教材では

なかろうか会社

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20101014151855.pdf

入金リンク条項というのは〔受注元D

からの入金がなければ、発注主Eは、

発注先Fには請負代金の支払いは

しない〕という特約である。

 Eの焦げ付きリスクを回避するために

設定する特約である。本件ではDの

元請であるCが破産したため、Eと

Fの間で3億1500万円が争われている。

 原審は、Eは単なるお金のトンネルに

すぎなかったケースであり、入金リンク

条項はEのFに対する支払義務負担の

停止条件であるから、FはDからEへの

入金がなければ、Eに対して代金

請求権を行使できないと敗訴させた。

 端的に文理解釈を重視したものだ。

 ところが最高裁は次のように認定した

下請負人が自らは現実に仕事を完成

させ引渡を完了したにも関わらず、

元請負人が注文者から請負代金の

支払を受けられない場合には、自らも

請負代金の支払が受けられなくても

よいという合意をすることは、通常は

想定しがたい(特に本件では公共

工事であるから尚更)】

 【EF間で入金リンク条項の特約を交わして

いたとしても、当事者の意思を合理的に

解釈すれば、請負代金支払について

Dからの支払を停止条件としたのではなく、

ⅰDからEへの入金時点でFへの支払期限が

到来すること、または、ⅱEがDから入金を

受ける見込がなくなったときは、その時点で

EのFに対する代金支払期限を到来させる

ことを合意したものと解するのが相当である】

 【Eが入金リンク条項を停止条件であると

解していたことは結論を左右しない】

 個人間の借入では《出世払いの特約で

借りたお金の支払期限はいつ到来するか

という座学上の論点があるが、まさか

企業法務でこういう認定がなされるとは目

 では仮に{入金リンク条項は停止条件で

ある}という更なる文章を付加していたならば

Eは焦げ付きリスクを回避できていたのか、

下請法との関係で民法90条に抵触する

おそれはないか、興味の尽きぬ案件である

ろぼっと軽ジK