優秀な社員の中には、鶏口牛後よろしく、
独立の際に同業を開始されてしまい、
取引先がごっそり新設会社に移り、もとの
会社にとって酷い売上減少を招くことが
珍しくない。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/100325/trl1003251846007-n1.htm
ところが、よくある話にもかかわらず
実は最高裁判例はこれまで出ていず、
下級審と論文の中で、合法違法の
限界線はどこにあるか、議論されてきた
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20100325141939.pdf
2010/3/25最高裁判タ1327号71頁↑
《金属工作機械部分品の製造等を業とする
X会社を退職後の競業避止義務に関する
特約等の定めなく退職した従業員において,
別Y会社を事業主体として,X会社と同種の
事業を営み,その取引先4社から継続的に
仕事を受注した行為は,
それが上記取引先の営業担当であった
ことに基づく人的関係等を利用して行われた
ものであり,上記取引先に対する売上高が
別Y会社の売上高の8~9割を占めるようになり,
X会社における上記取引先4社からの
受注額が減少したとしても,
次の(1),(2)など判示の事情の下では,
社会通念上自由競争の範囲を逸脱する
ものではなく,X会社に対する不法行為に
当たらない。
(1) 上記従業員は,X会社の営業秘密に
係る情報を用いたり,その信用を貶めたり
するなどの不当な方法で営業活動を
行ったものではない。
(2) 上記取引先のうち3社との取引は
退職から5か月ほど経過した後に始まった
ものであり,残りの1社については
X会社が営業に消極的な面もあったので
あって,X会社と上記取引先との自由な
取引が阻害された事情はうかがわれず,
上記従業員においてその退職直後に
X会社の営業が弱体化した状況を
殊更利用したともいえない。 》
(1)(2)とも営業活動の不当性という
ファクターと呼ばれ、下級審では営業の
自由との限界ラインを示すためによく
用いられてきた。初めて最高裁も
その基準採用を明言したのである。
また、最高裁の原文には『退職者は
競業行為を行うことについて、元の
勤務先に開示する義務を当然に負う
ものではない』と記されている。
『』は労働契約の余後効を特約がない
限り否定しているがゆえに導かれる
もので、平たく言えば、元の勤務先は
退職後の競業禁止特約すら定めて
いないケースでは、辞めた従業員に
同じ取引先にアプローチされて顧客を
奪取されることがあっても、それが
不当な営業手段を用いてのもので
なければ、自由競争の範囲内の
行動として法はタッチしないのだ![]()
教訓:ライバルになるであろう
従業員には去られないよう
ケアを施すこと。仮に去られて
しまう場合にはライバルに
ならぬよう競業禁止対策を
十分講じること
ろぼっと軽ジK
