新ブラックジャックによろしく、web上で連載 | 福岡若手弁護士のblog

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福岡県弁護士会HP委員会所属の弁護士4名によるBLOG
(ただしうち1名が圧倒的に多いですが、だんだん若手じゃなくなってるし)

漫画「海猿」や「ブラックジャックによろしく」で有名な漫画家である佐藤秀峰氏が、どうやら現在連載中の「新ブラックジャックによろしく」をweb上で1ヶ月遅れで公開することにして、出版社もそれを了承しておるようだ。


http://getnews.jp/archives/9523


よく出版社も了承したなぁ、と思ってリンク先の記事及び関連記事を読んでいくと、どうやら、大手出版社と連載漫画家の間では、連載時には契約書が交わされずに、実は著作権の帰属について明確になっておらぬようで、それを逆手にとることも可能であるそうだ。その実情については実におったまげた。出版社も著作権を自社に帰属させて漫画家を管理することが第1であると思っておった。


佐藤秀峰氏のホームページもちらっとみたが、なかなかに出版社との間には軋轢があるようであるなぁ。自分と編集との間のトラブルを漫画にしておる。


私は「海猿」にしても「ブラックジャックによろしく」にしても比較的好きな漫画であり、単行本を買っておるが、そういえば、「ブラックジャックによろしく」はしばらく単行本が出ておらぬなぁ、と思ったら、しばらくしてから単行本が出版され始め、移植編から「新ブラックジャックによろしく」になっておったなぁ、くらいの感想しかもっておらんかった。基本オンライン書店で注文するので(クレジットカードのポイントが数倍貯まるのである)、出版社が変わっておることにも、この記事を読むまで全く気づかなかったが、ドラマはあるものであるな。


私の家族は、私が本を買ってくると置き場所に困ると文句を言うのであるが、幸いにして「ブラックジャックによろしく」は、現在天地人で主役を演じておる妻夫木氏の主演でテレビドラマ化されており(私自身は未見)、妻は大変にそのドラマを気に入っておったので、あまり文句も言われずに集めることができた作品である。ちなみに、私は漫画原作のドラマ、アニメは原作に忠実だったら筋が分かって面白くないし、基本ドラマ、アニメ制作陣を信じておらぬので、オリジナルストーリーにすると萎えてしまうので余りみない。最近の例外といえば、うまく原作を昇華して独特の雰囲気を醸し出しておったドクターコトーとアニメで言えばアカギ、鉄腕バーディであろうか。


海猿にしろ、ブラックジャックにしろ、読んだ感想としては「なかなかによく取材しておるなぁ」というもので、この作者さんは相当こだわりが強い人だろうと思っておったが、佐藤氏の公式ホームページをみるとかなりのものである。ちなみに、よく取材しておるとは思う(どうも佐藤氏のホームページによると編集が取材をしておった部分も多々あるようである)が、部分的には表面的だなぁと思う部分もあるし、新ブラックジャックによろしくについては、全く主人公の考え方には賛同できかねるのではあるが、ブラックジャックによろしくの特にガン医療編についてはラストはリアルでありながら救いがないわけではなく、なかなかに文学しておるなぁ、と全体的にみると多少のアラは気にならず、今後も単行本を買っていこうと思うところである。いや、移植編の赤城さんが、前では飲み歩いておった描写があったぞ(そんなに以前から透析しておったのであれば酒など飲めぬであろう)、とか、体制は全て悪みたいな描き方は不満ではあるし、やっぱり漫画だなあと思っておるのだぞ。それをさっ引いても全体としてみれば好きな漫画だと言っておるのだ。


いずれにせよ、かなり革命的な取り組みであるようで、今後はweb上での著作権管理に本人自身が苦心することにもなるであろうが、行く末は興味がある。


>「漫画家は出版社に頼ることなく、一定の質とスピードを保って漫画を製作し続けることができるかどうか?」を試してみたいのだ

ということであるが、果たして成功するのかどうか。この作者さん、独善的になってしまってついて行けなくなっちゃうんじゃないだろうか?等とちと心配な面もあるといえばある。まあ、私的には、現時点では紙媒体の方が一覧性に優れており、ある程度の分量を読むという作業を行うのであれば、紙で読みたい派であるので、今後も単行本を買うだけになるであろうがな。


しかし、一定の質とスピードを保って漫画を製作し続けることというのは、やはり至難の業であるのであるな。私らの仕事も同じところはあると思うが、成功したら他の漫画家さんもどんどん参入していくのであろう。ベルセ・・・・いや、なんでもない。


M弁護士