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http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090310111231.pdf
事案は、駐車場の所有者であるXが,
駐車場に放置されている自動車について,
所有権を留保しているYに対し,土地
所有権に基づき,同自動車の撤去と
駐車場の明渡し,並びに、駐車場の
使用料相当損害金の支払を求めた
ものです
無論、自動車を所有権留保して
購入したAには連絡がとれなかった
事案です。Aは,Yに対して立替金を
全額弁済したときに,Yから自動車の
所有権を取得する契約になってます。
2009/3/11最高裁は、AY間の立替払
契約について期限の利益を喪失した
前後で区分し、喪失前の分については
YはXに対する撤去義務や損害賠償
責任は負わないが、喪失後の分に
ついては撤去義務や損害賠償責任を
負うとしました
原審では、所有権留保の本質は
専ら担保であるから、Yは撤去義務を
負うものではないと判断されていたの
ですが、逆転してしまったのです。
もっとも,残債務弁済期の経過後で
あっても,Yは,原則として,当該動産が
Xの土地所有権の行使を妨害している
事実を告げられるなどしてこれを知った
ときに、不法行為責任を負うとなって
いますので、一応、XY間のバランスは
保っています。
立替払の約定では、引揚はあくまで
Aに対するYの権利(行使するかしないか
Yの自由。引揚費用が高額ならば
所有権自体を放棄することも可能)と
位置づけられていたのですが、第三者Xとの
関係では義務と位置づけられて
しまったのです。
Yにとっては、第三者Xから事実を
告げられた時点で、期限の利益を
喪失していれば、直ちに引揚に着手
しないと、不法占有の損害金支払を
負わされることになる判決です。
不況で乗り捨てや車金融に流れる
車両も増えつつあるところ、レンタカー
会社やリース業者・クレジット業者に
とっては、また業務を増やすことに
なる判例が出てしまいました
ただ契約外のXにAY間の期限の
利益喪失日をYが任意に開示するとは
思えず、XとしてはYへの通告日から
実際の撤去日までの使用料相当
損害金の請求権を行使するには、
Xからの情報開示要求にYがAの
同意なくとも応じる義務を課する
最高裁判決も併せて出ないと、
Yがだらだらと撤去を延ばした時の
Xの救済策としては、この最高裁
判例のみでは不十分ではないかと。
あと、もし車両の所在が行方
不明になった時点でYが所有権を
直ちに放棄して責任を逃れる
ことができるかですが、少なくとも
自動車はY名義で登録をされて
いますから、Yが抹消登録手続を
しない限り、無理ではないかと。
そして、車両自体の所在が不明の
場合、ナンバープレートや車検証の
返却もできないので、抹消登録
手続をYができるのか、ここいら
あたりが今後の問題になって
くるのではないかと予言します
ろぼっと軽ジK