高校入試の選抜基準に服装を含めることの適否 | 福岡若手弁護士のblog

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神田高校の措置が不適切だったか

否かというのは、そう単純な話ではない。

ペーパーテストさえよければ合格

させるという選抜基準が設定公表

されているのだろうか虹?もし合否の

判定基準がペーパーテストのみで

しかないのならば、県教委がいう

ように落とした判断は不適正だったと

いうことになるのだがテスト

例えば、男子校女子校がある。

あれだって形式的には女子校の

ある校舎で、そこに勤務する教師に

よる授業を男子が受ける機会を

性別のみを理由として最初から

奪っているわけである。

もし企業が採用の際に男子のみ

女子のみという基準をいま提示したら、

明らかに男女雇用機会均等法に抵触

する募集であるA・知代

逆に言えば、学校教育においては

形式的な男女平等を維持しなくても

足りるとする合理的な理由があると

社会は捉えているわけである父・一成

 今回の問題にスライドさせると、

例えば、合否判定基準を「ペーパー

テストのみによらず、服装や態度など

諸般の事情を総合考慮して決定

する」に設定したりすることは必ずしも

不合理な基準設定とは思えない。

ペーパーテストさえよいという生徒で

あっても、協調性や感応性に欠ける

生徒が学校に入ってくると、体育の

授業を一切欠席しようとしたり、

授業の進行に支障をきたす可能性が

ゼロではない。そういう生徒は学校に

入学させてから対処すればよいと

いうのは、現在でも教育現場にいる

教師が紛争対応でへとへとになって

いることに無感覚すぎるのでは。

私が学生だった頃は、ペーパーテストに

加えて内申書での合否審査も加味

していたように思う学校

 服装で差別すべきでないという

反論があるだろうが、だったら

絶対に制服を着用して登校しない

生徒がいたとしてもそれに対する

不利益処分すら合理性がなくなる

ことになる。つまり制服強要する

校則の拘束力を裏付ける正当性が

全て斥けられる事態になるだろうセーラー服

 ということで、私は合否判定基準が

ペーパーテストのみであると県側が

設定公表していた場合には、今回の

措置はたしかに不適切であるが、

その他の要素も総合考慮するという

基準設定がなされていた場合には

必ずしもその基準設定は学校教育と

いう場面では不合理ではないし、

実際にその基準に沿って生徒を

不合格にしても不適切な措置だったと

いうことにはならないと考える。

ろぼっと軽ジK