SCAJ 林 秀豪 会長とWBC  | FBCインターナショナルの『美味しいバリスタ&エスプレッソ』BLOG

SCAJ 林 秀豪 会長とWBC 

ueno です。


先日の SCAJ 2010 大会時に、 SCAA の 会長 Peter Jiuliano (COUNTER CULTURE )と 再開し話しした事は、このブログでもお伝えしました。


FBCインターナショナルの『美味しいバリスタ&エスプレッソ』BLOG-林会長   昨晩は、 林 SCAJ 会長と バリスタ 関連の話しを たくさんできました。

  多くのバリスタの皆さんにとって 非常に有意義なお話しが数多く聞く事ができましたので、その内の幾つかをお知らせします。


  その前に 林 会長の簡単なご紹介を。

  日本のみならず世界のスペシャルティコーヒーの 先駆者であり Top Runner のお一人です。

  SCAJ 日本スペシャルティコーヒー協会設立時より、専務理事として協会の発展に尽くされ、同時に世界各国のスペシャルティコーヒー協会・関係者との繋がりも大変に深い方です。


  私も SCAJ 時代には 大変にお世話になりました。


  もちろん、コーヒー評価方法のカッピングフォームの世界では知らない人はいないでしょう。


  現在は、SCAJ 会長として ご活躍中です。


  昨日は、私も委員であるSCAJコンファレンス委員会が午後行われ、委員会終了後 食事&一杯 と言う事で、ゆくっり話しが出来ました。



私も 飲みながらの話で、更に一晩以上時間が経っていますので ( 最近のボケも加わっていますよ、きっと )、100%正確にはお伝えできませんが、できる限り正確にお伝えします。


① Signature Beverage コンペティションでの シグネチュアービバレッジについて


林会長いわく 

 『 なぜに、 エスプレッソ 、 カプチーノ に加え シグネチュアービバレッジが 競技種目にあるのか?

シグネチュアービバレッジとは何なのか?

分かっていないバリスタが多すぎる。 よく考えて欲しい。

シグネチュアービバレッジとは、バリスタがスペシャルティコーヒーに対する思いなど全てを一杯のカップに表現するものであって、決してアレンジコーヒーを創ることではない。

エスプレッソ、カプチーノの2種目では、トップバリスタの技術差は殆ど無くシグネチュアーが最も顕著にそのバリスタを表現するだろう。』


全くその通りです。 100% アグリー、同感です。

Signature 各自、自分で辞書を引いてみてください。

確かにアレンジコーヒーを創る事ではないですね。

バリスタの皆さん各自のお名前を冠する事のできる、自分を代弁する一杯であるべきです。


ueno 『 現在の JBC 予選は、エスプレッソ、カプチーノとなっていますが、むしろ エスプレッソ、カプチーノをやめて、シグネチュアーだけでの予選も良いと思いますね。 新しい才能の発見があるかもしれません。』

林会長 『 それはいいね。 全JBC参加バリスタにシグネチュアーを創ってもらいたい。』


② バリスタの 産地訪問について


ueno 『 今年6月ののWBC ロンドン大会時に、ハニー珈琲の井崎さんと話ししたのですが、井崎さんと私は "コンペティションに出るようなトップバリスタは、産地へ行くべきだ。 産地を知らなければトップバリスタではない” と考えていません。

もちろん、行ける機会があって行けるのであれば、それはよい事でしょうが、無理してでも行くべきものでもないし、ましてやコンペティションの順位を上げるために産地訪問するなどもってのほかです。

私は、農家・産地からカフェ・豆売りショップまでのコーヒーチェーンの中で、各人が自分のポジションでベストを尽くせば良いと考えています。

会長は、バリスタの産地訪問をどのようにお考えですか?』


林会長 『 同感です。 トップバリスタが産地へ行く事が必須などありえません。

更に言えば、仮に産地へ行く機会が生じたとして、事前に十分な準備(知識・情報の吸収など)をすべきです。 産地へ行って何をどうのように見るのか? バリスタがいきなり行っても無駄でしょう。

一粒のコーヒー果実に何枚の葉が付いてあれば良いのか? そういう事を勉強してから行くか、あるいは指導を仰げる人と行かなければ意味がありません。

更に、産地あるいは産地国の業界事情、背景なども知っておく必要があります。

いずれにしろ、バリスタが産地へ行く事にこだわる傾向は、よろしくありません。』


皆さん、どうでしょう?

日本の、そして世界のスペシャルティコーヒーのトップのお一人である林会長はこのようにお考えです。


林会長は、WBC第1回からすべて現地で"生で"見て、その時々のWBC会長達と話をしてきている方です。


ueno 『 今晩の会長の話は、是非迷っているバリスタの方達にこそ聞かせてあげたいです。

ウチの事務所ででも、若いバリスタ達に話しを聞かせてあげてください。』


林会長 『 美味しいコーヒーを一杯ご馳走してくれるなら、喜んで致しましょう!』 


これは何が何でも実現してもらいましょう。

ただし、ウチのショールームには、最大6名くらいしか入れないので、誰に声を掛けていいか大変な事かも。


最後に、


ueno 『 来年の JBC 予選に出ようと思っていますが、会長がサポートとして付き合ってくれますか?』


林会長 『 いいですよ~ 』


実際にこうなったら、凄い見世物になりそうなので、やめておいた方がよさそうですね。


林会長が、SCAA 会長の ピーター・ジュリアーノ氏に聞いたそうです。


林会長 『 スターバックスやカリブコーヒー、コーヒー&ティーリーフなど大型チェーン店との競争についてどう対応しているか?』


ピーター 『 SCAA カッピングフォームで 85点以上 (注 もちろんスペシャルティコーヒー) の珈琲豆しか使わないし、加えて必ずラテアートでカップを提供している。 この2点はそれらの大型店では実行不可能であって決して怖くない』


このピーター会長の言葉は、まさに日本のコーヒー関係者全員に有効だと私も思います。

海外からの新ブランド、新店舗等来襲、 或いは 同じ地域・マーケットでの競合他店の新規オープンなど

確固たる品質・テイスト・技術等があれば誰も怖いもの無しになれるでしょう。


ウチの商売で考えた時、何になるんでしょう???

僕もよく考えなければなりません。