暑いですね~、スイカでも食べながらみんなで怪談話して盛り上がるってのも
なかなか楽しいね。稲川淳二の稼ぎ時だ~。
稲川淳二風に、話してみようと思います。

これは私がまだ高校生の頃の話ですよ。。
男5人で、夜の海辺で花火してたんです。
ワハハハとバカな話をしながらね。騒ぎながら大量に買い込んだ花火に
どんどんどんどん火をつけていくわけです。
でも、最後の花火が尽きると、急にシーンとしてね、
真っ暗ですから、波の音だけが聞こえてくるんです。
ざざ~、、、ざざ~、、
そんなときですよ。
「おい、確かこの変じゃなかったか?あの心霊スポットの洞窟。有名だろ。」
と一人が妙~な気を起こしたわけです。
そして、その洞窟に今からみんなで行ってみようっていうんですよ。
「やだな~、そんなところ行きたくないな~。」って私は思ったんです。
だけど、みんなもいるし、まあいいかなんて軽く考えて、車に乗り込んだわけです。
車をちょっと走らせると、海に切り出した岩山みたいな場所がありましてね、
そこの下が洞窟になってるらしいんですよ。
そこが結構、若者の間では有名な心霊スポットになってましてね。
私ら、ただの真っ暗な洞窟だと思ってたものですから、
そんなに恐れるわけもなく、洞窟の入り口の近くに車をとめて、歩いて洞窟に近寄っていったんです。
すると入り口に奇妙な石碑がたってましてね、
階段を下るようになっているわけです。中は真っ暗で全く見えない、大きな岩が洞窟の口をふさぐように出っ張っていて、
階段でもって、その岩をくぐるようにして中に入らなきゃいけないわけです。
1段、2段、降りると、
洞窟の中から、人の足音が聞こえるんです。
ペタペタ…ペタペタペタ。
それも、あまりにはっきり聞こえるものですから
「ああ、これは誰か先客がいるなあ」
と皆がそう思ったんです。
そして、やっぱり有名な心霊スポットなんだな~なんていいながら、先客が出てくるまで車で待機することにしたんです。
先に人が入ってるとわかると、なんだか気が楽になって、いつのまにか怖さもなくなって。
どんなグループが出てくるのかと気楽に待ってたんです。
しかし、一向にでてこない。30分たってもでてこない。
「おい、おかしくねえか?なんで出てこないんだよ。さっき、絶対に中に何人かいたよな?」
みんな、背筋が
ぞぞぞぞぞぉ~っと冷たくなる。。
結局、一人は車に残ることになって、4人で洞窟に入ることになったんですね。
車にあった懐中電灯をもってきて
4人で洞窟の入り口で立ち止まったわけです。
ライトを持ってた私が一番先頭ですよ。
「なんか嫌な予感がするな~怖いな~」なんて、思いながら
おそるおそる、そーっと階段をおりていったんです。

とそこで
ジジッ、ジジジッ、、、、っと
ライトの様子が、急に変になったんですよ。
「なんだよ、電池ねえのかよ」
って誰かが言ったんですけどね、ライトを持っている私にはそれが
なんか変な消え方したな~って気になってたんです。
あまりにも不自然な消え方だったんでね。
「うう~、いやだなあ。気持ち悪い消え方だったなあ。」って。
蝋燭に、よわ~いイキを吹きかけて消したような消え方を確かにしたんですよ。
でもまあ、みんなを怖がらせるような余計なことは言わず、
「みんな、ライターだせ。ライターでいくしかねえぞ。」
って言って、ライター出させたんです。
各々ポケットからライターを出して、火をともす。
シュボっ。。。。
私を先頭に階段をおりていくわけですよ。ジャリ、ジャリ、と海の砂の音がするんです。
みんな、いつのまにか私にピタリとカラダをくっつけて
縮こまりながらついてきましてね~。
「そんなにこわいなら、最初からこんなところ来なきゃいいのにな~。ここは嫌な気配がするな~、気持ち悪いな~」
そんなことを思っていたんですよ。
こういうところは、気力の弱い人が立ち入ると、何かを受けてしまいますからね~。
その地に残る、怨念、強い思いというものを受けてしまって、精神が乱されるなんてことはよく聞く話です。
そしてまさに、私がいま立ち入ろうとしている洞窟の空間は、
そういった、何らかの怨念、強い思いによって歪んでいるように感じるんです。
その歪みが、私に強烈な圧迫感を覚えさせるわけです。
じめ~っとした、おもた~い空気が漂っているんですよ。
階段を降りおえると、
目の前に
上から腰ぐらいまで岩の壁がある。ぬぼ~っとあるわけですね。
それを、よいしょとしゃがんでくぐらなければならなくなっていたんです。
私は、そこで皆に忠告したんです。さっきからずっと気持ち悪~い感じがして、ザワザワ~っとしていたんでね。
「ここをくぐるけど、くぐった先に何があっても、絶対に動くな。約束だぞ。」
そういうと、皆も了解したんです。
「うん、わかった。いきなり逃げるとかなしだよ。」
それから
まず私がくぐってみます。そして一人、岩の壁の向こうへたったわけです。
「こりゃあ、やばい。何も見えないが、かなりやばいところに入ってしまった。」
そんなことを、感じたわけです。
真っ暗でまわりが見えないんですが、そこは少し広い空間になっているようでしてね、
やたら涼しいんです。ただ、ものすごい圧迫感がありましてね。
そこにまた奇妙~な風の音が聞こえるんですよ。「ひゅ~っ、、ひゅ~っ、、」って誰かが息してるみたいな音でしてね、ものすごく気持ち悪いんですよ。
やだな~、引き返したいな~、っては思っているんですけどね、
真っ暗ですから、4人がくぐったのを名前をよんで確認して、
「よし、いっせいにライターをつけよう。何が見えても、何があっても、あわてるな、動くな。」
もう一度念をおしてから、
4人でライターをつけたんですよ。
シュボ。。。。。
ゆらゆらとかすかな炎が、その空間の全貌をてらして、ようやく自分がたっている場所がどんなところなのかがわかったわけです。。
さすがの私も、背筋に凍りつくほどの衝撃がはしりましたね。。
足元から、壁まで
お地蔵さんだらけなんですよ。。。。
ボロボロの崩れかけたお地蔵さんが
左右の地面、壁に、びっちりと並べられていたんです。
皆が凍り付いているのがわかりました。
おそらく、
この地の怨念を鎮めるために、
これほどの地蔵が必要だったのでしょう。
「動くなよ、おちつけ、まだ奥がある、どうする?いくか?」
そう私が言っても、
誰も返事をしない。みんなそのお地蔵さんのように固まってしまっているんですね~。
私は先に進みます。
一、二歩、進んだところで
ライターの金具の部分が音を立てて、吹き飛んだんです。
バシュっ。。。
続いて、私のすぐ後ろの奴のライターもだめになった。
「うわあああ、なんだよ!!」
ってどんどん怖くなっていきましてね、
「ああ、いよいよやべえってことか。」
そう感じていました。
すると、とうとう一番後ろの一人が、叫びながら走って引き返したんです。
他の3人に動揺が走る。
私はとっさに
「動くな、足元をみろ。」
そういってなだめたんですがね、みんなのハアハアというイキづかいが聞こえるわけです。
かなりの緊張状態にあるのがわかります。
不気味なほどボロボロの地蔵にかこまれて、一つのライターの炎をたよりに
互いに手を強く握りながら、進んだわけです。
そこでね、私の背中にザワザワザワッと悪寒がはしったんです。
この奥の岩をくぐったところに
何かがある。
いや、何かがいる。
そんな気がしましてね。
「みんな、ここをくぐったあと引き返すけど、決して走るな。ぜったいに走るなよ。」
そういって、くぐる、今度は3にんいっぺんにくぐったんですよ。
くぐらなきゃよかった。。。。
そこには、
身の丈ほどの
地蔵菩薩と
その首がころがっていた。
首にまかれているボロボロの赤い頭巾が
不気味さを際立たせていました。
張り詰めていた恐怖感が
いっきに爆発しちゃいましてね。
皆、黙ったまま、早歩きで引き返す。
次第に、
かけあしで
この異様な洞窟から
抜け出したい一心で
ひたすら、引き返すんです。
「はあ、はあ、来てはいけないところに来てしまった。。
はやく出ないと、はやく出ないと」
後ろなんか怖くて振り返れません。
と、
いきなり、
先を言っていた友達が急に叫び出して、
「う、うわあああああ!!」
っていいながら、なにかを手で追い払うような動作をしてるんですよ。
なぜ叫んでそんなことをするのか、すぐに私にもわかりました。
耳元で
だれかがボソボソ言うんですよ。
「また、、、こい、、、、よ」
「またこいよ」
低くつぶれたような、女の人の声がするんですよ。
「きゃあああああああっ」って叫びながら
ようやく洞窟の外にでた。
車にかけこむと、
はやく、はやくこの場所からはなれろ!!!
みんな焦っているんです。
そりゃあそうですよね。
何が起きたのか、説明する暇もない
ただ、いっこくもはやくここから離れなければ
なにかが、ついてくる。
そんな気がしてならないんです。
車にのりこみ、
こわさのあまりに窓を締め切り、
音楽をガンガンかけて、
ただ、街中を目指す。
沈黙ですよ。
しかし、もう遅かった。
やはり
何かがついてきていた。
さっきの耳元に聞こえた声と同じような
つぶれたような声が
窓を締め切り、
ステレオをガンガンにかけた車内に聞こえてくるんです。
ぼそぼそと何をいっているかわからない。
だが、確かになにかが聞こえている。
皆、その瞬時に顔を見渡す。
「今の、おい、今の!!これ、これなんだ!!
聞こえるか?自分だけじゃないんだな?」
という顔で
互いに顔を見合わせる。
洞窟にいかなかったやつも
「お、おい、なんなんだよコレ、なんなんだよ!!!!」
といってガタガタと震えている。
次第に、その声は大きくなっていき叫び声にかわる。
ネコをしぼったような声、、、気持ちの悪~い声。
私はこれは、、危険だ。
と思って、コンビニに車をとめさせる。
急いで塩を買ってきて、
全員の
カラダにまき、
車内にまき、車体にもまき、
さらに塩をみなで舐めた。
そして、
手を合わせて、
ただ、あやまった。
申し訳なかった。
許してください。猛二度と、遊び半分で
このようなことはいたしません。
お地蔵様、
どうかあそこの地で苦しんでいる何者かを
助けてやってください。
必死にそう唱えると、
スッと
消えた。
重々しかった空気が
消えたのを感じた。
おそらく、遊び半分で立ち入る者が後を絶たないために
ああして、
追い払っているのだろう。
静かに眠りたいのだろう。
私はこれを境に、心霊スポットへはいかなくなった。
もう二度と、行くことはない。
それまでは、
いろいろ行った。
今回のようなことも時々あった。
また機会があったら話そう。