「ずっとしてないから誠人さんもつらいでしょ?」

そう言って静香はギブスで巻かれた右足から誠人の身体の中心へと指を進めていった。

誠人はその手つきが何か別の生物が身体の上を這っている感覚に陥り気色悪くなって静香の手を取った。

「お義母さん!」

「大丈夫よ、しばらく誰も来ないって言ってるでしょ?……誠人さん?」

そう言って事を進めようとする静香の手を誠人は離さなかった。

「もう…やめてください。」

「どうして…?私のことが嫌いになったの!?」

誠人からの突然の拒絶に静香はヒステリックに叫んだ。

誠人はその不快感を感じた瞬間にすべてを悟った。

もうこれ以上汚れたくない―

「好きな奴が…いるんです。」

「っ!!」

誠人の告白に静香は絶句した。

誠人はそれ以上何も言わず膝の上の紙袋を握りしめた。

麻琴への想いを秘めてアメリカに帰っても静香と関係を続けることはできなかった。

その決心は麻琴に対する揺らぐことない想いと共に誠人の心に根強く芽生えた。

報われない想いだとしても忘れることなんてできない。

麻琴以外はもう目に入らない。