「お湯いただきました。」

そう言って麻琴はぺこりと頭を下げた。

「あぁ。服…大きすぎたな。」

ホカホカと熱る身体にダボダボの服を纏った麻琴を見て誠人は言うとふっと笑った。

「俺も早く速川みたいな男になりたいんだけどね。」

麻琴は、はははと笑い誠人の隣に腰を下ろした。

「川本はそのままがいい。」

「へっ!?…あ、ありがと。」

誠人から優しく微笑まれて自分でも何を言ってるかわからなかった。


何だか顔が熱い―


「髪…風邪引くな。」

不意に麻琴のまだ濡れた髪に手を伸ばして誠人は言った。

「ど、ど、どこにドライヤーあるかわからなくて…」

麻琴は誠人の不意打ちにドキッとしたがそれを悟られないように自分の足の爪先を見つめながら言った。

「持ってくる。」

誠人はそう言って席を立ち部屋を出ていった。

『どうしたんだよ、オレ!?速川が優しすぎるから緊張してんのかな?バカだな…頑張れ俺っ!!』

何を頑張るのかは頭の隅に追いやって麻琴は自分の両頬をパチッと叩いた。

しかしその麻琴の気合いは誠人がドライヤーで髪を乾かしてくれている間中、身体と共にガチガチに固まっていた。