「あいつは猫みたいな奴だって同じクラスの奴が言ってたぞ。」

「えっ?」

落ち込みモードに入っていた麻琴は圭介の言葉を聞き取れず聞き返した。

「気まぐれで気に入らないことがあるとすぐ不機嫌になるらしい。いつも1人でツンとしていて近付こうもんならすぐに威嚇するんだと。」

「そうなんだ…」

麻琴は頷いたが瞳の陰はまだ取れない。

「あいつが猫なら麻琴は犬みたいなもんだなっ!!」

幼なじみの圭介は麻琴を元気付けるように努めて明るく言った。


実際圭介の言ってるコトは正しかった。
虎太郎は気に入った者にしか懐かない。人より色素の薄い髪と瞳はより一層その存在を際立たせていた。

それに比べ麻琴は赤毛に大きなくりくりとした瞳で誰にでも懐き、まさに虎太郎と麻琴は猫と犬だった。



「でも麻琴が出来るのはお手とおかわりくらいか。」

「もう、圭ちゃんっ!!」

さすがにその言葉に反応した麻琴は圭介の脇腹をポコっと殴ったが圭介はニッと笑い麻琴の頭をグシャグシャと撫でた。

「俺らもメシ行こっか?」

圭介が言うと麻琴は輝くような笑顔を見せた。

「うんっ!」