もともとバストが大きい方、遺伝的にバストが垂れやすい方、繰り返すダイエット、出産や授乳など、さまざまな原因によってバストは徐々に下垂し、乳房下溝を覆うようになり、全体的に垂れ下がって見える「おばあちゃんバスト」のような状態になることがあります。

このような状態を、**「乳房の下垂」「垂れたバスト」「乳房下垂(breast ptosis)」**と呼びます。

そして、このような場合には、バストの吊り上げ手術(乳房吊り上げ術)が必ず必要だと考える方も多いです。

 

 

実際、加齢によってある程度は誰にでも起こる自然な変化です。

上記のような要因がなくても、もともとバストが大きい方であれば、基本的には30代以降になると、ある程度の下垂は起こりやすくなります。

 

 

**「乳房下垂(breast ptosis)」**は、その程度やタイプによって分類されますが、まずは大きく2つのポイントで考えると分かりやすいです。

1. 正面から見たとき、バストによって乳房下溝がどの程度覆われているか?

2. 乳頭が正面を向いているのか、それとも下向きになっているのか?

 

 

 

 

乳頭が前方を向いているものの、バスト自体が下垂していて、さらに上胸部がくぼんでいる場合(多くの場合、上胸部がくぼんでいます)は、実はバストリフト(乳房吊り上げ術)を行わず、インプラントを使用した豊胸手術だけでも、かなりの美容的な改善が可能です。

つまり、加齢によって垂れてしまったバストを、より若々しい印象のバストへ改善することができます。

程度には個人差がありますが、もし上胸部がくぼんでいて、乳腺組織が伸びてバストが下垂しており、その下垂の程度が非常に強い場合には、筋膜下法(근막하 수술법)を選択し、乳腺組織を直接的に広げるような方法で手術を行うこともあります。

(もともと私は、乳腺下法を積極的に好んで選択するわけではありません。)

 

 

 

 

次は、**乳頭は正面を向いているものの、バスト全体がかなり強く下垂している患者様(乳房下溝がバストによって約2cm覆われている状態)**の、インプラントのみを使用した豊胸手術の術前・術後写真です。

バスト部分には傷跡を一切残さず、下垂している印象がほとんど改善され、もともと大きく自然なバストであったかのように見える仕上がりになりました。

術前は、乳頭を中心として下側にのみボリュームが集中し、上胸部が大きくくぼんで見える、いわゆる下垂したバストでした。

それに対して術後は、上胸部もしっかりとボリュームが補われ、乳頭を中心とした上胸部(upper pole)と下胸部(lower pole)のバランスも、理想的な比率に近づきました。

また、乳房下溝がバストによって覆われている程度も、約2cmから約1cmまで減少し、下垂して見える印象も明らかに改善されています。

これは、バストリフトを行わずに、適切な手術技術と戦略的なインプラント選択によって得られた結果です。

 

 

一方、乳頭が下向きになっているバストの場合、インプラントを使用した豊胸手術を行ったとしても、インプラントの上を覆っている乳腺組織や皮膚自体がすでに伸びているため、手術後に乳頭まで正面を向くように引き上げることはできません。

このような場合は、もともと乳頭が下向きになっている下垂があることを理解したうえで手術を受け、術後の経過において元の状態と比べて改善されていることに満足できるのであれば、それも一つの選択肢だと思います。

しかし、乳頭の向きを上向き(正面)に変えることを希望する場合は、根本的には乳頭の上側にある余分な皮膚を切除し、乳頭そのものの位置を上方へ引き上げて再配置する**バストリフト(乳房吊り上げ術)**が必要になります。

そして、この方法では必ず傷跡が残ります。

 

 

私は、バストに傷跡を残すことは「天衣無縫(てんいむほう)」という手術理念には合わないと考えています。

そのため、私は脇の下の切開のみで手術を行っており、再手術の場合も同様です。

また、下垂したバストの場合でも、乳輪周囲に傷跡を残す方法は、できる限り最後の選択肢として残しておくべきだと考えており、そのように患者様にもお伝えしています。

 

 

「バストが垂れているからといって、必ずしも全員にバストリフトが必要なわけではない」

そして、

「インプラントを使用した豊胸手術だけでも、多くの患者様にとって十分な美容的改善と満足感を得られる場合がある」

ということをお伝えし、今回の記事を終えたいと思います。

(フォレ美容外科 キム・ミンヨン代表院長)