豊胸手術後にカプセル拘縮が進行した場合、多くの医師は「アンダーバスト切開による再手術が必要」と説明します。

その理由は、厚く硬くなった被膜(カプセル)を切除する際、アンダーバスト切開の方が術野を確保しやすく、手術操作が比較的行いやすいためです。

しかし、その場合は新たにアンダーバスト部分に傷跡が残る可能性があります。

一方で、脇の下切開(腋窩切開)による再手術でも、適切な診断と高度な技術があれば、アンダーバストに新たな傷跡を作ることなくカプセル拘縮の修正を行うことが可能です。

もちろん、これはすべての症例に適応できるわけではありません。

特にカプセル拘縮の再手術は、脇の下切開による豊胸手術の中でも非常に難易度の高い手術のひとつです。

だからこそ、術前の診断と術者の経験、そして繊細な手術技術が重要になります。

今回はBaker Grade Ⅳのカプセル拘縮に対して、脇の下切開による再手術を行った症例をご紹介します。

こちらはBaker Grade Ⅳのカプセル拘縮を発症した患者様の再手術前の状態です。

被膜(カプセル)が厚く硬くなっているため、触感は非常に硬く、バストの柔らかさが失われています。

また、インプラントが上方へ移動していることで上胸部の膨らみ(上ポールの突出)が強くなり、不自然なシルエットが見られます。

さらに、バスト下部のボリューム不足により乳頭が下向きになっていることも確認できます。

カプセル拘縮が進行すると、見た目の変化だけでなく、硬さや違和感、場合によっては痛みを伴うことがあります。

術後2か月2週間が経過した時点の状態です。

今回は脇の下切開による再手術を行ったため、アンダーバスト部分に新たな傷跡を作ることなく修正することができました。

術前に目立っていたインプラントの上方偏位は大きく改善され、上胸部の過度な膨らみも軽減しています。

また、バスト全体のシルエットはより自然な涙型(ティアドロップ型)に近づき、乳頭の向きも自然に正面を向くようになりました。

触感についても術前と比較して大幅に改善し、より柔らかく自然な状態になっています。

今後も経過とともに組織がさらに馴染み、より自然な仕上がりへと変化していくことが期待されます。