नमस्कारः 導明です。

ヴェーダンタの学びの一環で、カタウパニシャッドを学んでいます。
カタウパニシャッドは、閻魔大王のモデルであるヤマ神とナチケータ少年の師と弟子の話なのですが、このヤマ神はダルマラージャという別名がある、とても厳格で厳しい神様であると同時に気付きを与えようと色々な事を教えようとしてくれる優しい神様の側面を持っています。

ジョーティシャとの関係性は、ナクシャトラ•バラニーの支配神であり、ナヴァグラハの一つシャニ(土星)の兄という設定を持っています。

このヤマ神は「死を取り扱う神」であり、管轄する方角はダクシナ(南)です。
ヤマ神の管轄する世界(ローカ)をヤマローカと言います。

ヴェーダ哲学の中で、नरक naraka(地獄)は南にあると言われています。
このनरक narakaは、歌舞伎などの奈落の語源とされています。

ヤマ神の管轄する世界(ヤマローカ)も南の方角、地獄を意味するnarakaも南にあるとされていて、まるで地続きのような表現になっています。

タイトルの"この世の正体"としたのは、この世とは地獄ではないのか?
生きることは地獄を歩む道程であり、俗に言う輪廻転生=サンサーラは「生まれ変わり」と思われていますが生まれ変わって尚も、कर्म karmaが終わらない限り何度でもサンサーラ=輪廻転生を繰り返すと言われていて、ただ地獄の状態を繰り返しているということになるだけでは?と思うのです。

よく耳にするセリフで「もし今度生まれ変わったら••••」なんていうのを一度くらい耳にしたことはあると思いますが、これはまた地獄に生まれて来たいと願っているということ。

つまり地獄を嫌がりながら、その地獄にまた生まれて来たいと願っていることになる。
面白いくらい矛盾しているのが人間なのかも知れません。

ジョーティシャを学ぶ者とインド占星術師の違いは、ここにあるのだなと納得したのですが、それは「この世が地獄」であることを知っているか、いないかの違いです。

ジョーティシャは精神世界へ目を向けるように促し、インド占星術師は目先の欲に目を向けるように促します。

誰もが苦しみの中で足掻いていて、楽になりたいと願っている。

しかしジョーティシャは辛い現実を突き付け、苦しみから抜け出る道を示し導く。
に対してインド占星術師は、足掻く人に今は辛い時期だが次の時期は良くなると上っ面の助言で目を背けることをする。

一見するとインド占星術師の方が苦しみを一時的とは言え忘れさせてくれるから、良いように思うが結局は何も解決したことにはならない。

この世はサッティヤ(真実)とマーヤー(幻想)から成り立っているとヴェーダ哲学では説かれています。
ジョーティシャの道はサッティヤを示す道であり、インド占星術師の示す道はマーヤーの道です。

さて、あなたはどちらの道をえらぶのでしょうか?

「この世の正体は?」

この記事を見て、早く気付いてくれることを願っています。