人は人生を考える時、どんな風にイメージをするのだろうか?
人間の構造と人生の構造は、切っても切り離しては考えられない部分がある。
人生とは、一体何に帰属しているのだろうか?
という疑問を私は考えました。
人間の構造を一つの魂、意識の集合体と考えた時にインド哲学では
魂=Atmaという解釈をします。
このアートマ(Atma)は、3つの性質と5つの鞘、または器に収まりアートマを包み込んでいます。
3つの性質をシャリラと呼び、5つの鞘をコーシャと呼びます。
5つのコーシャの最下層、一番外側を覆うのは
アンナ・マヤ・コーシャと呼ばれる鞘です。
アンナ=食べられる物という意味を持ちます。
マヤ=沢山の、だらけなどという意味があります。
細かく説明すると全てを説明しきれなくなるので、簡単にいうと
生物の世界というのは、食物連鎖によって成り立っています。
つまり、生物の身体というのは何らかの食物によって構成されていることを表しています。
次のコーシャは、このアンナ・マヤを支配する物で名前を
プラーナ・マヤ・コーシャといいます。
プラーナとは、空気を表すと共に身体的能力を意味します。
身体的能力は、5つのギアーナインドリアと5つのカルマインドリアが結びつくことで、肉体を構成していて、その肉体を維持する上で絶対に必要な物が”空気”であり、この空気が無ければ生物は生存出来ないことから生物(アンナ・マヤ・コーシャ)を支配するモノとして定義されています。
この”プラーナ・マヤ・コーシャ”を支配するのが
マノー・マヤ・コーシャと言い、精神性を表しています。
マノーとは、思考や心を意味します。
生物が行動する為に、必ず介在するのが所謂『思考』です。
思考と五感が結びつくことで、生物は初めて行為や行動ということを行うことが出来ます。
故に、人生全てを動かす為の原動力であり支配する物と定義されています。
そのマノー・マヤ・コーシャを支配する物が、次のコーシャとなります。
名前は、ヴィッギアーナ・マヤ・コーシャといいます。
このヴィッギアーナ・マヤ・コーシャは、知性を意味します。
知性とは、唯一”感情”を理解して抑制出来る物です。
故に、人間以下の生物には存在しない物として定義されています。
そして、今まで紹介してきた4つを全て支配するのが
アーナンダ・マヤ・コーシャといいます。
アーナンダとは、幸福という意味です。
そして、マヤは、沢山の、だらけを意味しますから、沢山の幸福、または幸福だらけとなります。
つまり、人生すべてが帰属するのは”幸福をもたらすモノ”という事になります。
人生を支配するのは、幸福をもたらしてくれるモノが最終的な支配者になるとしたら、そこで賢明な人は気付きます。
何に気付くかというと、幸福は長く続くものではないということにです。
でも、それは間違いです。
単純に本当の幸福を知らない人は、そう思うのです。
幸福や幸せというモノは、千差万別、十人十色です。
それはなぜでしょう?
通常、幸せや幸福と思っている物は”自己(エゴ)”が決定しているからです。
自己(エゴ)とは、思考の一部です。
つまり、通常の私達はマノー・マヤ・コーシャより奥にあるコーシャは息を潜めていると言っても過言ではありません。
知性を働かせていない状態であり、感情に押し流されて生きている状態なのです。
故に、本当の幸福とは何であるかを知らないという、常に不幸な状態にいることに気付きましょう。
そして、知性を働かせて勉強し、知識を増やして感情を理解して抑制出来れば
人間は確実に、幸福をもたらしてくれるモノが何であるかに気付くことが出来ます。
もし、あなたがあなた自身の人生を考えた時に、自分に本当の幸福をもたらしてくれるモノを知らないのって、損していると思いませんか?
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