事例4
~第1問~
優れている財務指標1つと劣っている財務指標2つの、名称及び数値、そしてそこから読み取れることを答えさせる問題。
まあ、優れている財務指標は、売上高営業利益率で決まりだろう。同業他社と比べて、D社の売上高営業利益率は、ベラボーに高い。
ちなみに、財務指標の中で、優先順位をつけるとしたら、①収益性、②成長性、③効率性、④安全性の順になると考えている。なぜなら、企業の目的は第1に利益の追求にあるからだ。
そして高い営業利益率から読み取れることは、一言で言えば「収益性が高い」ということであるが、字数が余るので、肉付けを行う必要がある。営業利益は、売上から原価と販管費を差し引いたものであるが、問題文からは、コストカットで成功しているという記述はなく、あくまで売上を伸ばして成長した企業であると言える。したがって、売上が高い理由をうまく30字でまとめる必要がある。
一方、劣っている財務指標については若干難易度が高い。財務諸表分析だけでは候補が絞りきれないが、かといって本問の問題文を見ても、絞り切れるものではないからだ。
そこで、「収益性は優れているが、効率性及び安全性が劣っている」という切り口で考えていくことにした。
そうすると、まず、安全性については、長期安全性・短期安全性ともに低いが、短期安全性の方がより危険な値が出ている。そこで、劣っている財務指標は流動比率であると考えた。問題文を見てみると、流動比率が低いことの直接的な根拠は見当たらないものの、郊外への実験的出店やお土産の商品化などの積極的な経営が、成功しているとはいえ無計画に行われ、財務上の安全性を脅かしていると類推できるので、これを解答の軸とした。
また、効率性については、有形固定資産回転率の低さが目立つ。問題文でも、客足の減った中心市街地の店舗(高額物件であろう)を処分しないまま、郊外への出店を決行しているので、「読み取れること」の説明もできる。
他にも、売上高対営業外費用率や、固定比率や負債比率も解答として有り得るが、売上高対営業外費用率は、収益性が高いと言った手前、採用するのがはばかられるし、固定比率は、有形固定資産回転率との関係上、説明が重複してしまう。また、負債比率は絶対に採用できない。なぜなら、負債比率はそれだけでは善し悪しの判断ができる指標ではない上、本問のように総資本事業利益率が負債利子率を超えている場合には、財務レバレッジのプラスの効果が生じるからだ。
以上より、解答は、①「営業利益率。7%。社長考案のメニュー・デザート・お土産が人気でファンが多く、収益性が高い。」、②「流動比率。50%。無計画な実験的開店や商品化により、流動資産が減り、短期の安全性が低い。」、③「有形固定資産回転率。1,11回。中心市街地の高額物件を処分しないため、効率性が低い。」という感じ。
~第2問~
難易度高めのキャッシュフロー計算。
慌てずに、一つ一つ正確に計算すればいい。
その際、部分点狙いで、丁寧に計算途中式を書くことも忘れなかった。
ただ、「除却」の意味がわからず、「売却」とも「償却」とも違うのだから、きっと売却金は発生せず、売却損益も生じない性質のものだ、と勘違いした(試験中は、我ながら完璧な類推だ、と思ったのだが)。
しかし、友人2人も「除却」を正しく処理できていなかったが、事例4はA答案だった。「除却」なんて知らなくても、まずは、基本的な事を押さえておけばいいのだろう。
基本的なことを押さえて、途中式を丁寧に書き、部分点を狙う。これでA答案だ。
~第3問~
これも簡単な問題…、と思いきや、TACが「これは回避可能原価の問題だ」とか言い出して、複雑な問題に昇華しようとしている。
う~ん。個別固定費は、「撤退したら無くなる費用」。要するに、TACは、本問の事業を撤退可能なものと捉え、個別固定費も回避可能なものと考えているようだが…。あくまで、本問で前提となっているのは「本年度の需要予測」である。本年度が赤字になるからといって、来年度の需要予測次第では黒字になる可能性もある以上、直ちに撤退するというような選択肢を、出題者側が想定しているとは考えられないのだが…(どうなの?TACさんよ。)。
まあ、回避不可能原価で書いた僕は合格、2人の友人も回避不可能原価で書きA答案。とりあえず、基本的な知識で基本的なことを書けば、合格ないしA答案になるのだ。
しかし、時間不足のため、僕は設問3は白紙になってしまった。
時間配分が下手くそで困る。
~第4問~
外国からコーヒー豆を買う際の、為替リスクを軽減する手段を2つ挙げ、円安時及び円高時のメリットデメリットを述べよ、という問題。
まあ、気をてらわなければ、為替とオプションの2つを書くのが通常であろう。
但し、「オプション」だけでは恐らく不十分で、「コールオプションの買い」まで書くのが正しい。 また、予備校答案では「為替予約」とだけ書くものがあるが、「現地通貨との為替予約」まで書くべきだと思う。
細くて申し訳ない。だが、合格者と不合格者の間には、恐らくそこまでの大きな差はない。こういった細部へのこだわりが1点2点の差を生み、そこで合否が分かれているのだと思う。「神は細部に宿る」のだ。
ただ、時間がなくて痛恨のミスをしてしまった。「為替予約」の円高時のメリットデメリットとして「反対売買が云々~」と先物取引のキャンセルについて論じてしまったのだ。先ほど「細部にこだわれ」とか言ってたくせに、恥ずかしい限りだ。
~まとめ~
再現答案とかいいながら、ほとんど再現していないが…、事例4についての解答は予備校の模範解答に書いてあるのと同じだから、割愛した。
これから受験する人が、これを読んで、「どんな思考過程を辿ったのか」「どんな論理を構築したのか」「どんな点に気を使ったのか」「どれくらいのミスならば許されるのか」について、参考としてくれたならば、幸いである。
~第1問~
優れている財務指標1つと劣っている財務指標2つの、名称及び数値、そしてそこから読み取れることを答えさせる問題。
まあ、優れている財務指標は、売上高営業利益率で決まりだろう。同業他社と比べて、D社の売上高営業利益率は、ベラボーに高い。
ちなみに、財務指標の中で、優先順位をつけるとしたら、①収益性、②成長性、③効率性、④安全性の順になると考えている。なぜなら、企業の目的は第1に利益の追求にあるからだ。
そして高い営業利益率から読み取れることは、一言で言えば「収益性が高い」ということであるが、字数が余るので、肉付けを行う必要がある。営業利益は、売上から原価と販管費を差し引いたものであるが、問題文からは、コストカットで成功しているという記述はなく、あくまで売上を伸ばして成長した企業であると言える。したがって、売上が高い理由をうまく30字でまとめる必要がある。
一方、劣っている財務指標については若干難易度が高い。財務諸表分析だけでは候補が絞りきれないが、かといって本問の問題文を見ても、絞り切れるものではないからだ。
そこで、「収益性は優れているが、効率性及び安全性が劣っている」という切り口で考えていくことにした。
そうすると、まず、安全性については、長期安全性・短期安全性ともに低いが、短期安全性の方がより危険な値が出ている。そこで、劣っている財務指標は流動比率であると考えた。問題文を見てみると、流動比率が低いことの直接的な根拠は見当たらないものの、郊外への実験的出店やお土産の商品化などの積極的な経営が、成功しているとはいえ無計画に行われ、財務上の安全性を脅かしていると類推できるので、これを解答の軸とした。
また、効率性については、有形固定資産回転率の低さが目立つ。問題文でも、客足の減った中心市街地の店舗(高額物件であろう)を処分しないまま、郊外への出店を決行しているので、「読み取れること」の説明もできる。
他にも、売上高対営業外費用率や、固定比率や負債比率も解答として有り得るが、売上高対営業外費用率は、収益性が高いと言った手前、採用するのがはばかられるし、固定比率は、有形固定資産回転率との関係上、説明が重複してしまう。また、負債比率は絶対に採用できない。なぜなら、負債比率はそれだけでは善し悪しの判断ができる指標ではない上、本問のように総資本事業利益率が負債利子率を超えている場合には、財務レバレッジのプラスの効果が生じるからだ。
以上より、解答は、①「営業利益率。7%。社長考案のメニュー・デザート・お土産が人気でファンが多く、収益性が高い。」、②「流動比率。50%。無計画な実験的開店や商品化により、流動資産が減り、短期の安全性が低い。」、③「有形固定資産回転率。1,11回。中心市街地の高額物件を処分しないため、効率性が低い。」という感じ。
~第2問~
難易度高めのキャッシュフロー計算。
慌てずに、一つ一つ正確に計算すればいい。
その際、部分点狙いで、丁寧に計算途中式を書くことも忘れなかった。
ただ、「除却」の意味がわからず、「売却」とも「償却」とも違うのだから、きっと売却金は発生せず、売却損益も生じない性質のものだ、と勘違いした(試験中は、我ながら完璧な類推だ、と思ったのだが)。
しかし、友人2人も「除却」を正しく処理できていなかったが、事例4はA答案だった。「除却」なんて知らなくても、まずは、基本的な事を押さえておけばいいのだろう。
基本的なことを押さえて、途中式を丁寧に書き、部分点を狙う。これでA答案だ。
~第3問~
これも簡単な問題…、と思いきや、TACが「これは回避可能原価の問題だ」とか言い出して、複雑な問題に昇華しようとしている。
う~ん。個別固定費は、「撤退したら無くなる費用」。要するに、TACは、本問の事業を撤退可能なものと捉え、個別固定費も回避可能なものと考えているようだが…。あくまで、本問で前提となっているのは「本年度の需要予測」である。本年度が赤字になるからといって、来年度の需要予測次第では黒字になる可能性もある以上、直ちに撤退するというような選択肢を、出題者側が想定しているとは考えられないのだが…(どうなの?TACさんよ。)。
まあ、回避不可能原価で書いた僕は合格、2人の友人も回避不可能原価で書きA答案。とりあえず、基本的な知識で基本的なことを書けば、合格ないしA答案になるのだ。
しかし、時間不足のため、僕は設問3は白紙になってしまった。
時間配分が下手くそで困る。
~第4問~
外国からコーヒー豆を買う際の、為替リスクを軽減する手段を2つ挙げ、円安時及び円高時のメリットデメリットを述べよ、という問題。
まあ、気をてらわなければ、為替とオプションの2つを書くのが通常であろう。
但し、「オプション」だけでは恐らく不十分で、「コールオプションの買い」まで書くのが正しい。 また、予備校答案では「為替予約」とだけ書くものがあるが、「現地通貨との為替予約」まで書くべきだと思う。
細くて申し訳ない。だが、合格者と不合格者の間には、恐らくそこまでの大きな差はない。こういった細部へのこだわりが1点2点の差を生み、そこで合否が分かれているのだと思う。「神は細部に宿る」のだ。
ただ、時間がなくて痛恨のミスをしてしまった。「為替予約」の円高時のメリットデメリットとして「反対売買が云々~」と先物取引のキャンセルについて論じてしまったのだ。先ほど「細部にこだわれ」とか言ってたくせに、恥ずかしい限りだ。
~まとめ~
再現答案とかいいながら、ほとんど再現していないが…、事例4についての解答は予備校の模範解答に書いてあるのと同じだから、割愛した。
これから受験する人が、これを読んで、「どんな思考過程を辿ったのか」「どんな論理を構築したのか」「どんな点に気を使ったのか」「どれくらいのミスならば許されるのか」について、参考としてくれたならば、幸いである。