イムリ | 鉢野在流はライトノベルがお好き!?

鉢野在流はライトノベルがお好き!?

ライトノベルを中心に創作、批評、文章研究などを書いていこうと思ってます。物書きからの目線で物事を見定めるようシンプルに分析できれば、と。

イムリ 1巻 (BEAM COMIX)/三宅 乱丈
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 ――支配民族「カーマ」は戦争 によって惑星 ルーンを凍結させ、隣星のマージへと移住した。それから4000年後、過去 の戦争の記憶 は風化し、カーマは他者の精神 を侵犯する能力を用いて、奴隷民「イコル」を最下層とする階層社会を形成していた。ルーンの氷が溶け始め、カーマ達はかつてかつて古代戦争を争い、4000年の氷河期 を経てその記憶を忘れ去った原住民「イムリ」の住む母星、ルーンへの移住を始めていた……


 この作品の見所は、世界観。異世界特有の多くの独自設定用語が存在し、物語の世界を見事に構築している。一つ一つの設定が変わっており面白い。例えば、異能力『侵犯術』、相手の心をコントロールしてしまうこの術には段階があり、最高位の侵犯術は相手を完全に奴隷化してしまう。ただ条件として相手の名前を覚えてないと使えないなどの制約もあり、それによる心理戦の攻防も見所。もちろん、心理戦だけでなく、ど派手な魔法のよなものもあるし、光彩と呼ばれる動力を使った軍事兵器もあり、飽きるとこなく楽しめるのも本作の魅力だ。


 お気に入りのシーンは、軍事系のクーデターの話ですね。軍事系と呼ばれる派閥が主人公デュルクが属する派閥『呪師衆』に対しクーデターを起こすのですが、その時、一人の天才呪師ガラナダが対抗するんですが、これまたガラナダ無双状態w侵犯術の恐ろしさが如実にわかる話になっています。


 学べた所は、丁寧に書かれた設定。なににも頼らず、全て一から考えだされたかのように、設定や名称が独特で、素晴らしい。民族、資源、地理、異能力、兵器、それらが新しい視点で書かれており、パクリやオマージュなどどこ吹く風のように感じられます。強いて言うなら風の谷のナウシカに近い雰囲気を持っていますが、トルコやオールドウェポンから着想を得たナウシカと違い、こちらは一体どこから着想を得たのかわからないくらい、独特な世界を持っています。イマジネーション、作家の才能でありますが、私としてはこちらの作品をオマージュしてしまう日がくるやもしれない、それくらい影響を受けてますね。


 本当の心まで奴隷化してしまう度 ☆☆☆☆☆


 ――本当の心まで奴隷化されているのだ