藤堂家はカミガカリ | 鉢野在流はライトノベルがお好き!?

鉢野在流はライトノベルがお好き!?

ライトノベルを中心に創作、批評、文章研究などを書いていこうと思ってます。物書きからの目線で物事を見定めるようシンプルに分析できれば、と。

藤堂家はカミガカリ (電撃文庫)/高遠 豹介
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 ――人間界とは別の世界「ハテシナ」の住人である“ハテビト”建代神一郎と天霧美琴は、ある少年の護衛を任され人間界に降り立つことに。目的の少年である藤堂 周慈とその双子の姉、春菜が住む「藤堂家」に押しかけ、強引に住み始める神一郎と美琴。二人は藤堂家で家族のように馴染んでいくが、隙をつかれて少年が襲 われてしまう。少年を守るために応戦する彼らの武器は、なんと“鞘から抜けない刀”と“デッキブラシ”という頼りないものだった!?

 この作品の見所は、古今東西の神話を模したキャラクター設定。どこかで聞いた事のある名前ににやりとしつつ、物語に没入しやすい本作は、文章のテンポもよく、ギャグとシリアスのメリハリもいい、最近のラノベとは違う、昔のラノベらしいラノベで親しみやすい。こういう作品が4,5年前は主流だったよね、と軽いノスタルジーも感じられる。

 お気に入りのシーンは、ラストバトルですかね。今までデッキブラシで戦っていたヒロイン美琴が、とある敵から借り受けたとある超有名槍を持ち、今まで鞘が抜けない刀で戦っていた主人公神一郞が鞘を抜くシーン。わかっちゃいるけど、熱いですねぇ。

 学べたところは、テンポのよい文章。通常パートも戦闘パートも、一定のリズムを保つことに成功してまして、そこが実際に自分で書いてみると如何に難しいことか。作者さまの力量か、それがすんなりと表現されている文章に脱帽です。大いに学べました。

 帝王切開度 ☆☆☆☆☆

 ――家帰ってハンバーグ焼かねえといけねえんだよ!