プレバトに便乗して俳句~です。今回の兼題は「冬の風呂」
ということで、自作一作~、
さむ寒し湯気を満たして緩む風呂
脱衣所で寒!と縮んだ体で、慌てて風呂場へ駈け込んだら、湯気いっぱいにして
おいたので、緩んでほぅ~としたという句のつもり。
で、出演者の作品~、
磯野貴理子さん
冬の夜明日があるさと湯がしみる
→ 明日があるさと冬の夜の湯がしみる
冬の夜と湯が分断されていたのを繋ぐことで、冬の夜の湯が沁みるのです
と伝えたいことが伝わるという添削でした。
そのために使われたのが句またがりという手法でした。
田山涼成氏
気泡立つタオル風船冬至かな
→ タオル風船気泡香る冬至かな
気泡が入浴剤から上がっているという作意と違って、タオル風船からと読まれ
てしまうと名人立川志らく氏の指摘でした。で、石鹸の香りかなぁと思ったら
ユズじゃないかぁいう句に添削されました。
パンサー向井氏
微睡の番台起こす春隣
↓
微睡み
(まどろみ)
冬の季語:冬隣
”まどろみ”と”春隣”の取り合わせが良く、中句に動詞があるので、下句を名刺止
めにしたのが、座りが良いと賛辞でした。
ただ、微睡を”びすい”と読む人も出るだろうから、”み”を付けるかひらがなにし
たほうが良いとのことでした。
高橋真麻さん
炊きたての湯か湯豆腐か夫(つま)に問う
→ お湯ですか湯豆腐ですか夫に問う
お風呂は”焚く”なのでダメ、と一刀両断でした。
相田翔子さん(今回一位)
抱き寄せて湯に浮く柚子の舟になる
詩人です、
抱き寄せて湯 と変な方に行くのかと思うと柚子となり、抱き寄せては
大袈裟じゃないかと思うと舟とのバランスが良い。
そして、動詞の多用にもかかわらずドタバタした感じになっていない。
素晴らしい作品と絶賛でした。
皆藤愛子さん(特待生)
シャンプーの泡伝う霜焼けの耳
→ シャンプーの泡霜焼けの耳伝う
元句でも十分だけれど、句またがりをすることで、定型のものも作られると
いう例示をされました。
シャンプーと耳というリアリティが良いと昇格されました。
立川志らく氏(名人)
冬の蚊の申し訳なさそうなふう
↓
に寄る
に鳴く
に刺す
映像をもっととのことでした。
秋の蚊 動きが鈍く哀れ
冬の蚊 人を刺すのもやっとという生命力も無いということの季語なので、
その差別化が必要で、さらにどうひと仕掛けを持ってくるかということが大事
であるとのことでした。
そこで、冬の蚊のくせに飛んできて刺しやがると持って行く、
「俺の血が最後の晩餐か」という添削がされました。とても楽しかったです。