収容所内に捕らえられていたメリクルを無事に保護し、残るは宝探しレイミ救出のみと、意気込む一行の前に立ち塞がった収容所のザ・ボス・・・もとい、所長。
見るからにドSです。
この女性(ひと)に捕まっては危険だと、僕の中の何かが告げている。
軍服にハイヒールという・・・その手の嗜好を持った人には堪らないであろう風貌ですが。
エッジ達に銃を向けた兵士を制し、司令官風の女性は笑顔を向ける。
彼女はこの基地の最高責任者で、名前を「ミラ・バークタイン」と言うそうだ。
バークタイン?何処かで聞いたような・・・
「そう・・・クラウスは私の夫です。いえ、正確には夫でした。姓を変えないのは、愚かな女の未練ですわ」
初対面であるエッジ達に、そんな聞いてもいないディープな家庭事情まで語ってくれる、何気にオープンマインドなミラ司令官。
「やりにくいですね・・・」「ああ・・・」というフェイズとエッジの会話に思わず頷くプレイヤー。
クラウスの元妻という訳か・・・なるほどね。そう言えば電話で交わしていた会話も妙に親しげ・・・というか含みのある感じだった。
けど、メリクルは何だか尻尾を逆立てて、ミラに敵意剥き出しな様子。
「あたし・・・・・こいつが嫌いだミャッ!」
そりゃまぁ、実験体にされたのだから良い印象など抱く筈も無いな。
「あなたに恨まれるのは当然ね・・・分かって欲しいとは言わないけど、仕方なかったの」
仕方なかっただと・・・?
それを聞いたエッジは、「仕方ないで片付けられる事じゃないでしょう!」と強く反発するが、演技派らしいミラは至極しおらしい態度で切々と訴えかける。
――人道に反するとは承知している。クラウスも罪悪感に耐え切れずに去った。それでも彼女は後に引けなかったと言う。
「例え、どれ程の泥を被ろうとも、守りたいものがあったから・・・」
「それは、科学者としての名声ですか?」
「まさか・・・!私が守りたいのはこの地球です。あなた方のいた未来の地球と違って、今この地球はエネルギーが枯渇寸前なのです。それこそ、ほんの数年先も見えない程に」
え?今ナチュラルに「未来の地球」とか言ってたけど!?
科学者の端くれだからその位の推論は立てられるって・・・ちょっと苦しい言い訳だな。
そういや、いつの間にかカルナスまでこの基地内に運び込まれてるみたいだし、船内を色々と物色したのか、それとも・・・・・まさかレイミに拷問でもしたのか!?
レイミに何をした!と怒鳴るエッジに、ミラは涼やかな声で答える。
「私も女です。彼女に危害を加えていません。心労でしょうか・・・今は別室で休んでいます」
女だから危害を加えないって・・・それはあり得ないでしょう(キッパリ)
・・・・・って、何だかエッジがミラの口車に乗せられてる!
超科学だの核だの不穏な単語が飛び交ってますが・・・エッジは真剣にミラの話に聞き入ってる様子。
「人々の幸福の為に、宇宙の超科学が必要なのです。決して大地を汚す事のない完全な力が」
「大地を汚す事のない・・・力・・・もしも・・・もしもですよ?もしも今、そんな力があったとしたら、この地球は・・・」
「永遠に蒼く輝く事でしょう。私達は皆、それを願っているのです」
ああ!嫌な予感しかしない!
ったく、エッジは何処まで浅はかなお人好しなんだぁ!!
結局、「この星を救いたい!」というエッジの優しさが仇となり、ミラの策略にまんまと引っ掛かる事になってしまうのですが・・・・
未来の地球・・・エッジの故郷である地球は、戦争によって大気が汚染され地上に人が住める状態では無かった・・・だからこそ、「大地を汚す事のない」という言葉に強く反応してしまったのだろう。
ミラの「カルナスの制御コアを分析させて欲しい」という申し出を受け、異星人達への非道な研究を打ち切る事を条件に、エッジはカルナスの制御コア・・・エクサリチウム結晶を渡してしまう。
てか、フェイズもバッカスもどうして止めないんだ?
明らかに怪しいのに・・・・・
まぁ、止めたところでカルナスは敵の手中にあるも同然だし、レイミも捕らえられたままだし、エッジの同意云々がなかったとしても、いずれは奪われていただろう。
ミラは部下に実験の用意をするよう命じると、エッジ達をレイミのいる部屋へ案内する。
「皆さん、ここでレイミさんと一緒にくつろいでお待ち下さい」
――と、笑顔で促され部屋に入った一行は、レイミの姿を見て絶句する。
くつろぎ過ぎだろ!(違
レイミに何してんですか!と文句を言おうにも、部屋に閉じ込められてしまい、その直後、ガタンと揺れたかと思うと部屋が動き出す。
「そんな・・・何のつもりですか!?ミラさん!」
「先程も申し上げましたが、危害は加えていませんわ。ただ少しばかりリラックスして、お話を聞かせて頂いただけです」
なるほど。確かに生まれたままの姿はリラックスする・・・いやいやいや。
お風呂以外で裸になるのは逆に落ち着かないって。
てか、レイミを裸にする必要性が全く感じられないんですけど!
逃げないように?いや、何か薬を使ってるみたいだし、そんな事しなくても逃げはしない(逃げられない)だろう・・・って事は、完全にミラの趣味なんじゃ
んで。レイミをリラックスさせて聞き出した情報が、エッジ達が未来からやって来たという事と、反物質エンジンの存在。
これは自白剤でも使ったとしか思えないな・・・
「僕を騙したのか!」
「騙しただなんて人聞きの悪い。この実験が成功すれば我が国は強大な力を得る・・・非道な実験をしなくても、全てが手に入るのよ」
「何!?」
「勿論、宇宙人達とも手を取り合うわ。そう、支配する者とされる者の関係でね」
やっぱりね。そんな事だろうとは思ったけど。
勝ち誇ったような高笑いと共に、ミラはその場を去る・・・先程部下に命じていた「実験」に向かったのだろう。
彼女が行なおうとしている実験とは――
反物質反応炉とエクサリチウム結晶を用いて対消滅を制御し、多大なエネルギーを供給する核実験。
そのエネルギーを使って、異星人を支配するつもりなのか。
しかし、バッカス曰く、あの反応炉はあまりにも粗末で稚拙な為、到底対消滅エネルギーをコントロール出来ない・・・間違いなく暴走する、と。
「随分と手厳しいですわね。ですが、あまり過小評価なさらぬように。これは、私とクラウス・・・今世紀最大の頭脳が共作した最高のシステムよ。そう、私とクラウスの子供も同じ・・・」
――ミラは愛しそうに反応炉に頬をすり寄せる。
「あぁ、ケビン・・・私とクラウスの可愛いケビン・・・」
ドSな上にヤンデレ!!(゚д゚)
さっきも意味ありげに自分のお腹に手を当ててたな・・・子供を流産したんだろうか・・・
だけど、反応炉に息子の名前を・・・・・狂気に走ってるとしか思えない。
「今、ママがあなたに命を吹き込んであげる・・・そうすればきっとあの人も・・・」
ああ!スイッチを押しちゃった!
「聞こえる・・・聞こえるわ・・・可愛い子の産声が!」
口元に狂気の笑みをたたえ、ミラは両手を広げる。
彼女は・・・壊れていたんだ・・・最初から・・・・・
「どうする、ミスタ・エッジ?あれが暴走を始めたら何もかも終わりだ」
若干責める口調のバッカスに、エッジは項垂れるのみ。
今、エッジ達がしなければならない・・・というよりも、出来る事と言ったら、ここから「脱出」する事だけだろう。
――と、その前に。いつまでもレイミをこのままにしておく訳にはいかないか。
エッジがレイミの顔を覗き込むと、微かに瞼を動かしたエイミ。
「エッジ・・・?」
意識を取り戻した様子のレイミは、エッジの顔を見て安心したように微笑む。
「レイミ・・・良かった」
記憶がまだぼんやりしてるのか、頭を軽く振ったレイミ、次の瞬間何かを思い出したようにガバッと起き上がる。
・・・って、今起きたら・・・!
「・・・・・」
「・・・・!!!」
「いやその、これは不可抗力で・・・・」
「エッジの・・・エッチ~~~ッ!!」
バチーン![]()
何という予想通りな展開・・・・エッジは悪くないのにね(ノ∀`)
――・・そんな微笑ましい(?)やり取りの後、これからどうすべきなのか話し合う事に。
反応炉を止めたとしても、対消滅を防ぐのは不可能だとフェイズは言う。
「何か・・・何か止める方法は無いのか?」
「こうなった以上・・・もう打つ手はありません」
「彼らは開けてしまったのだ・・・自分達では御せないパンドラの箱を」
想像していたとは言え、あまりにも絶望的な答えに打ちひしがれるエッジ。
「本当なら、彼らだけでは開けられなかった・・・開けさせてしまったのは僕だ・・・!何もかも僕の所為だ!」
開けさせてしまった・・・というか、まんまと騙されたというか。
何もかもエッジの所為ってのは違う気がするけど。
制御コアを渡したのはエッジだけど、スイッチを押したのは向こうだしね。
けれども、エッジはネガティブな思考がぐるぐるしてるらしく、「エッジの所為じゃない」というレイミの言葉は耳に入らない様子で「僕の所為だ」と何度も繰り返す。
「・・・エッジさん、今はそんな事を言ってる時ではないんです」
「フェイズ・・・」
「最後まで・・・やるべき事を果たして下さい」
突き放したような事を言うフェイズだけど、声が震えている。
エッジの気持ちは十分過ぎる程分かる・・・それでもやらなければならない事がある、と。
「君は決断しなければならない。罪人としてではなく、自分達の船長として」
バッカスとフェイズの冷静な言葉に促され、エッジが下した決断は――
「この星から・・・離れる・・・いや。この星から・・・逃げ出すんだ・・・!」
苦しそうに声を振り絞るエッジ、相当に辛い決断だったのだろう。
だが、ここでこの星と共に消滅する訳にはいかない。
カルナスを取り戻し、脱出しなくては。
と、そこへ。エッジ達の耳に届いた、綺麗だけど物悲しいオカリナの音色。
クラウス博士!?生きてたのか・・・
どうやら扉を開けてくれたらしい。
運が良い事に、ここから通路伝いに行けば、カルナスに辿り着けるようだ。
メリクルはクラウスの姿を見た途端、パーッと顔を輝かせて彼に飛び付く。
「メリクル・・・無事で良かった。元気そうで嬉しいよ」
「ハカセは、何だか少し痩せちゃったね」
「そうか・・・」
クラウスはメリクルの頭をそっと撫でると、持っていたオカリナを手渡す。
不思議そうに見詰めるメリクルに、
「さぁ、宇宙に帰りなさい、メリクル。新しい仲間達と一緒に」
「それならハカセも一緒がいいよ!」
けれど、クラウスは一緒に行く事は出来ないと言う。
「彼女」に言わなければならない事があるから、と。
メリクルから離れたクラウスはエレベーターに乗り、ミラの元へ向かう。
下に降りたクラウスは、エッジに向けて深々と頭を下げる。
メリクルを頼む、と。
それを見たエッジは、「ハカセー!」と泣き叫ぶメリクルの腕をやや強引に掴むと、そのまま走り出す。
「フフフ・・・あぁ、ケビン・・・クラウス・・・」
と、悦に入った様子のミラをクラウスは背後から抱き締める。
「もういいんだよ、ミラ・・・ケビンの事は君の所為じゃない・・・」
「あ・・・あぁ・・・」
「君が一番辛い時に逃げ出してご免よ・・・でも、きっとあの子はこんな事を望んではいない」
ちょっと待て、オイ。と怒りが込み上げてきたプレイヤー。
何すか、クラウスさん。アナタは被害者ヅラをしてましたが、子供を失って打ちひしがれる奥さんを置いて逃げ出した訳ですか。
んで、捕らえられていたメリクルを救う事もせずに、まんじりとしていた。
あ、何かすんげームカついて来た。
夫として一番支えてやらなきゃならない時にさっさと自分だけ逃げ出し、間違った方向に進もうとする妻を止めようともせずに、なーにが「次はあの子の夢を叶えよう」だ!!
最初から体を張ってでもミラを止めていれば、こんな事にはならなかったんじゃんか!!
ミラだって、心の奥ではそれを望んでいたんだ!!
今更、遅すぎるんだよ!クラウス!
――怒りゲージがリミットブレイクして、今にもクラウスに超究武神覇斬を繰り出してしまいそうです。
いや、んな必殺技は勿体無いな、ブレイバーで十分だ。(意味不明)
一方、カルナスに辿り着いたエッジ達。
仲間が次々と船に乗り込む中、メリクルは立ち止まってしまう。
「・・・エッジ、あたし・・・」
「早く来るんだ!メリクル!」
「あたしはハカセとここに残る・・・だって、あたしの仲間は他にいないもん」
メリクル・・・・・
「いる!ここにいる!」
「・・・えっ?」
「仲間なら・・・ここにいる!」
力強く叫ぶと、メリクルに向けて手を伸ばす。
「エッジ・・・」
「だから!帰るんだ!宇宙へ!」
エッジの顔にクラウスの面影を重ねたメリクルは、泣きながらもエッジに向かって走り出す。
通路が崩れ、落ちそうになったメリクルをエッジの手が掴んで引き上げる。
仲間達全員が力を合わせ、エッジを支えているようだ。
「ハカセ・・・あたしにもまだ、仲間がいたよ・・・ハカセの他にも、仲間いてくれた・・・」
だがしかし、制御コアを失ったカルナスは飛び立つ事が出来ない様子。
矢張りエクサリチウム結晶がなければ・・・と消沈するフェイズに、メリクルはクラウスから貰ったペンダントを渡す。
『それは宇宙に帰る為のお守りだよ・・・きっといつか、役に立つ時が来る筈だ・・・』
そのペンダントは、高集積のエクサリチウム結晶だったというオチ。
ホント、クラウスって・・・・・
まぁ、それのお陰で無事に脱出する事が出来た訳なんだけども。
この後、一つの星が消滅する様を間近で見てしまったエッジの荒れっぷりがまた・・・・・
どうやら、反応炉暴走による対消滅・・・空間崩壊に押しやられる形で、カルナスは元の時の流れに戻って来れた模様です、が。
「たったの一瞬で・・・消滅・・・したんだよな・・・あんなにも簡単に・・・それを引き起こしたのは僕なんだ!!」
あの地球は所謂パラレルワールド的な・・・エッジ達の地球とは全く異なる次元に存在するものだった。そうだとしても、そんな事は関係ないと叫ぶエッジ。
「そうさ、全部消えちゃったんだよ!!僕の誤った判断が、彼らを暴走させたんだ!!地球は消滅した!!何一つ残らず!全部!!」
いやはや、何とも責任感が強いというか、思い込みが激しすぎるな。
誤った判断だったのは事実だけど、彼らが暴走したのは別にエッジの所為じゃない。
第一、あそこでエクサリチウム結晶をエッジが渡さなかったとしても、どの道何らかの形で奪われていたのは必然的。レイミを人質にして脅す事位、平然とやるだろう。
全部!全部!と叫びながらコックピットを殴るエッジは、見ていて痛々しい。
色んな意味で。
そんなエッジをただ見守るしか出来ない仲間達。
メリクルは目に涙を浮かべて、声を絞り出す。
「・・・エッジがそんな事を言ったら、あたしはどうすればいいの・・・?やっと・・・やっとまた仲間が出来たのに・・・エッジが来いって言ってくれたのに・・・」
メリクル・°・(ノД`)・°・
可哀想に・・・大好きなハカセを失って凄く悲しい筈なのに・・・これじゃ、ハカセの為に泣く事すら出来ないよ・・・
悲しみよりも不安に涙するメリクルの頭を、よしよしと撫でるリムル。
癒された![]()
なのにエッジは、メリクルの声を聞きたくないとでも言うように耳を押さえて・・・
仕方が無い・・・今迄のエッジの行動は船長として、宇宙探索部隊の一員として、あまりにもあまりにも軽率すぎたのは否めない。
感情のまま行動するのは、リーダーとしてあまり宜しくないだろう。
まぁ、アニメやゲームではそういう直情的リーダーが多いんだけど(笑)
これは、エッジが神(スク○ニ)より課せられた試練なのだ、ってね。
て事で、どうやら試練(エッジにとってもプレイヤーにとっても)が始まったようです。







