【親戚のおじさんのお宅でゴハンをご馳走になっている感覚です】
我が家の近所に、カウンター6席+奥座敷8席だけの小料理さんがあります。
7年前くらいに、某有名ホテルで板前をやっていた大将が引退して、自宅の1Fを改装して、無理なく始めたという小さなお店。
従業員は無し。
たまに、奥様や息子さんが来ることもありますが、手伝っているというよりは、単に顔を出してみたという程度。
飲み物はどれも均一料金で、大将が酒屋さんに仕入れに行って、美味しそうと思ったもの(主にレアな日本酒)が入荷します。
食事のメニューもあって無きがごとし。
カウンターのお客さんの顔を見ながら、大将がその日の仕入れから、適当にお料理を出してくれます。
大半が一人でふらっとやってくる常連さんで、ご近所さんがほとんど。
20代から50代くらいまで、老若男女問わず、職業もさまざま。
単身赴任の40代男性会社員や、20代の女性会社員、30代のアーティストや、40代バツイチ女性など、本当にいろいろ。
お酒を出すお店で、ここまで年齢も性別もバリエーションが豊かなお店は超貴重。
大将のお人柄もあると思うのですが、この空間が本当に心地いいのですよ。
カウンター全員で、その日に起こった出来事や、興味のある話題を話しながら、楽しくご飯を食べて、自分のペースでお酒を飲んでいる空間。
店に集う人が、みなさん親戚のように仲良しで、外食でありながら、外食っぽくない。
3回も通えば名前を覚えてもらえて、今日からキミも我が家の一員のような扱い。
かといって、店の外に出てまで、お仕着せがましいしがらみがあるわけではないのですよ。
何故わざわざこの話を書こうかと思ったかというと、これって、新しいコミュニティのカタチなのでは?と思ったから。
一生独身という人も増えていますが、たとえ独身であっても、常に何らかのコミュニティに関わっていたいと思う気持ちはあると思うのです。
私がまさにそうなのですが、普段は一人で大丈夫でも、「どうしても今日は一人でご飯を食べたくない、でも、こんな時間になってからいきなり友達を誘うのは申し訳ない」とかあるんですよね。(やっぱり、相手が会社員だったりすると、その辺りはどうしたって気を遣います。)
そんな時に、こういったお店の存在は、本当にありがたいです。
いつ行っても、誰かが笑顔で迎えてくれる。
しかも、その場にいるということは、その人たちも一人でいるのは嫌な日だったということなので、積極的に受け入れてもらえる。
都合のいい時だけ、家族や親戚気分を味わえる、とでも言いましょうか。
一見さんは入りにくいという意味で、決してオープンな空間では無いところも、ありそうで実はなかなかないポイント。
このような、ドライながらも心地よいコミュニティ形成の場が、家族を持たないという選択をした人たちにとって、今後はどんどん必要になってくるのではと思います。
一対一のガチな友人や恋人のお付き合いよりも、ゆったりした家族や親戚のようなお付き合いがしたい場合もあるではないですか。
今はSNSがつながり方の主流になっているけれど、やはり人と人とのつながりは対面にまさるものは無いと思うので、こういった「親戚のおじさん宅での夕食」的な場は存続してもらいたいと切に願うのでした。
