首のあちこちのしこりも腫れ、翌日に越谷独協医大に。
この病院にはあまりいい思い出がない。
シャンが生後三ヶ月の時に高熱をだし、救急車で運ばれた先の病院が越谷独協医大。
病院につくなり、あらゆる悪性の可能性を考えた精密検査がおこなわれた。
骨髄を背中から採取する際の、病室からのシャンの叫び泣きをただただ不安に待つしかなかった。血液検査やCT。
いきなりバタバタとはじまった。
私は事の深刻さをわからないまま、待合室でまった。
結果は悪性や白血病ではなく、腎盂腎炎。
膀胱から尿が逆流し、腎臓に菌がまわる病気。
検査がおわった、生後三ヶ月のシャンは小さな手に点滴の針を何本もさされ、疲れ果ててねむった。
たまたま年に一度しかこない上海の両親が、一歳半のロンと家の家事をしてくれた。
なにももたずに病院にきた私はそのままシャンと入院生活に。
ロンにあえないまま、入院する不安より、シャンの体調が不安だった。
入院期間は約10日間。
三日ほど個室で集中治療を受け、状態が安定したら四日目に大部屋に。
同室には様々な病の子供たちがいた。
右隣に寝ている小学校低学年であろう男の子は話すことも身体を動かすこともできない。
人口呼吸器をつけていた。
家族は滅多に会いにこない。
ベッドにしかれたタオルは黄ばんでいる。
夜中彼の異変を知らせるブザーが準備してあり、彼が体勢を変えたり暴れたりすると暗闇に真っ赤な救急車のようなランプがグルグルとまわり、また音も病棟中響き渡るほどの音だった。
毎晩なんどもそのサイレンがなり、男の子がうなり、苦しむ。
さみしい時にも暴れる。
先生や看護婦はなれた様子で、早くねなさあい。どした?笑といってサイレンを止め体勢を治し去っていく。
男の子は毎晩泣いているかのように、さみしそうな声でうなる。
ベッドの傍らには健康な頃の生き生きとした写真。
この子はおそらく一生家に帰ることがないのがわかった。
しばらくして二歳ほどの病をかかえた男の子が入院してきた。
若い母親だったが、信じられないことに、病院では寝れないと幼い息子を残したまま毎日帰宅した。
その子は柵の中で毎晩泣いていた。
さらにシャンのベッドの前に新しい小さな女の子。
四歳らしいが、体重が生後四ヶ月から増えていないという。
原因を母親に聞けば、母乳と菓子パンしか与えていなかった。
三ヶ月の病院で指定された食事のみを与えてくださいという、医師の説明。
しかし、母親、医師が去ってから間も無く授乳に菓子パンを引き出しから出し、与え、誰かがくる気配を感じたら、引き出しにしまうということを繰り返していた。
病院にはつきそい用のベッドがなく、患者のベッドに寝ることも禁止されていたため
椅子で寝る日々がつづいた。
病院にあるシャワーは長期入院のつきそいのみ使用可能だった。
入院4日目にして家族と昼間交代し、自宅にもどり久しぶりのお風呂。
夏だったのできつかった。
そしてまた病院にもどる。
シャンの点滴の針がぬかれ、自由になってから、隣にあるコミュニケーションルームで一人の男の子にあう。
生後五ヶ月。
てんかんの症状や余命まで宣告されている入院三ヶ月の男の子。
そのお母さんと毎晩ともに寝かしつけをしながら語りあった。
真っ暗な病院で私がいない時は一人で寝かしつけをする。
でも彼女はとても強かった。
シャンのベッドを明るくしたいため、病院の売店にうられているプラスチックのリングのオモチャを購入。
つなげて枕頭上に飾ってみた。
シャンは楽しそうに眺めていた。
シャンの病気は日に日に回復し、退院の時がきた。
最後の診察でもし救急車を呼ばなかったら、手遅れでしたよ。よかったですねと医師に言われた。
もし最初に聞かされていたら大変なパニックだったろう。
そんな思い出の越谷独協にまたきた。
先生は複雑な顔をして、しこりを触診。
リンパの異常な腫れにいくつかの病名が浮かぶという。
細胞を針生検で採取し、問診、触診の結果CT検査。その結果次第で、患部摘出し、生検をするかどうか決めるという。
悪性か良性かはなんとも言えないと。
10日間様子見でその間に腫れが急激になったり、鼻血がでたり、なんらか苦痛がひどくなった場合はすぐにくるように言われた。
ににと私はパニックで泣きそうに。
大丈夫大丈夫。
その日の昼食は回転ではない寿司。
妖怪ウォッチの文房具のプレゼント。
大人でもきつい針生検をがんばったご褒美。
その日以来、最悪の状態を考えネットで知識をあつめた。
良性ならリンパ節炎。
なんらかのウィルスがリンパに侵入。
治療は抗生剤が効かないため、自然治癒をまつ。
悪性リンパ腫の場合はいわゆる血液のガンであり、それを疑う場合は
生検に。
首からしこりを摘出し、病名が確定すれば
抗がん剤治療となる。
なんで?なんで?
さらに不安に。
しかし、悪性リンパ腫だと体調はどんどん悪くなるという。
シャンは、急激に悪いということはなく、リンパの腫れがひいてきた。
微熱はあったりなかったり。
リンパ節炎か悪性リンパ腫かは生検でないとはっきり確定しないと言われたが、シャンが専門用語ではなされているはずなのに、理解をしていて、首切るの?痛い?
といったりするから可哀想でし方なかった。
しかし、悪性の兆候が弱い場合は様子見となる。
セカンドオピニオンも必要だ。
昨夜は白血病の兆候である鼻血がいきなりでた。
夜中にシャンなにもしてないのに鼻血がでた!といって半泣きでおきてきた。
回復の兆しが見えた矢先の最悪な状態に泣きそうになる私たち。
しかし、左ゆびを見ると鼻をほじった形跡が。
血がついていた。
おちつこう。多分寝てる間に掘ったんだ。
白血病の特徴でもあるアザも見当たらない。
大丈夫。
しかし、不安。
今日はDr.コトーと言われる先生のところに昨夜の話と腹痛の話をしに。
ついでにリンパをみてもらった。
このまま結果まであと1週間もまてない。
不安でしにそう。
早速リンパを触診。当初より半分にひいたリンパを見ても大きいとビックリされた。
しかし、シャンは熱も高くなく、元気。
お腹の触診もしこりはみあたらず大丈夫。
首のしこりも有動性でさわると動いた。
悪性だと動かないという。
しこりに痛みがあるのも良性の特徴。
先生の診断はCTをとらないとわかりませんが、状態を見て悪いものではないと判断します。
悪性なら腫れはひくことはなく高熱もつづく、鼻をみたらひっかきキズがありました。
白血病とかではありません。
おそらく緊急性はありません。
天に舞い上がる気持ち。
我が子の苦しむ姿なんて死んでも見たくなかった。
きっとウィルス感染し、リンパにイタズラをしたんだという診断にひとまず安心。
来週のCT検査と血液検査の結果、細胞の結果はある程度落ち着いて聞けそうです。
シャンの病の間、ロンは全て一人でがんばった。
いってらっしゃいも言えなかったし、お帰りも言えてなかったかも。
宿題を見ることもできず、話をきいてあげられず、でも逞しく元気にピアノやスイミングをこなした。
シャンはあかりとの時間をとても楽しめた様子。
しばらくは幼稚園おやすみだ。
追伸
あかり姫まで発熱。
しかし、上海から家族が来日したので明日から家事が楽になります。