おにぎり山ふもとの畑日記(28)

 

 6月中旬に、ニンニクを収穫した。ざっと数えたら、約千個もあった。料理用に100個、実家に200個。あとは、黒ニンニクにして食べ、残りは人にあげてしまおうか。

 

 下旬に、ブルーベリーの周りに、鳥よけのネットを張った。早めにしないと、鳥にほとんど食べられてしまう。

 

 鳥よけネットを張っていると、いつも、『徒然草』のなかの「神無月のころ」を思い出す。作者が、山中に分け入ってゆくと、さびれた草庵がみつかる。しばし、その浮世離れした雰囲気に浸っていると、ふと、庭に植えられた柑子の木をみつける。そして、その周りに柵がめぐらされていることに気づき、興ざめする、といった話だった。

 

 高校生の頃の古文の点数は、みじめなものだった。しかし、この一節と、『方丈記』の書き出しは記憶に残っている。AW(2020/06/30)

 

褐色の手で掘り出すニンニクは白い水滴