今日は野菜のお話です。
昔、きゅうりの栽培を教えてもらったきゅうりの師匠は数年前、亡くなったのですが、その時、奥さんに聞きました。
農家の人が亡くなる時、その年は信じられないくらい不作になると。
そのきゅうりの師匠が亡くなった時も、きゅうりがいつもより早く枯れてしまい、他の野菜もうまく育たなかったようです。
その事を思い出しました。
我が家も今年はきゅうりが異常に早く終わってしまい、夏の後半から大きな畑の写真が出てこなかったでしょう。
実はことごとく、全滅していたのです。
きゅうりの分も挽回しようと小松菜をたくさん播いてきれいに発芽していたのに、あの長い長い秋雨前線の影響で小松菜の根が腐り全滅しました。
その後も何度か播いたけどダメでした。
だから家の横の小さな畑の写真ばかり載せていたんです。
きゅうりの師匠の奥さんの話は半信半疑で聞いていましたが、農家の言い伝え。
そういう事もあるんだな、野菜が教えてくれているのか・・・なんか複雑な気持ちでした。
長雨の影響で、大きな畑は水浸しで耕すことも出来ず、白菜の苗を植えないといけないけど、場所がない。
白菜の苗はどんどん大きくなってくる。
日がどんどん過ぎてくる。
主人は職人気質なので、失敗する可能性のある事は極力避けるタイプなんです。
逆に私は当たって砕けろ。やるだけやってダメならシャーないやん。そんな感じです。
そんな主人がすごく嫌な事BEST3
マルチ(主に夏野菜などの下に敷く黒いビニール)が風で飛ぶこと。
これが嫌なので、これでもかっ!というくらい土嚢を置いたり、クワで土をかぶせたりします。
昔マルチが台風で飛んで、それがきゅうりのアーチに引っかかり、そのマルチに突風が当たり、きゅうりのアーチが全壊したからです。
あとは小松菜などの種を播きすぎる事。
私は播けるだけ播いて、収穫出来へんかったら仕方ないやんっ、みたいな感じでしたが、主人はきちんとA品で企画通りの大きさで収穫できる分しか種を播かない。そんな感じです。
最後は白菜が結球しない事。
白菜って早く苗を植えすぎると虫の被害が多く、苗を植えるのが遅すぎると結球しなくなるんです。結球しない白菜は「葉ボタン」みたいな感じで広がって出荷できません。
なので今年は長雨の影響で大きな畑に白菜を植える場所は作れないし、主人は「白菜は諦めよう」って言ったんですけど、1000個もある白菜の苗を捨てるなんてもったいない!
だから「家の横の家庭菜園畑に植えよう。ここは土もいいし、日当たりもいいし、少しだけ苗を植える時期がずれたけど、大丈夫だよ」と言い、いつもなら、主人が「絶対に植えない」と言い切るところが、今年は「じゃあ植えれるだけ植えようか」と折れてくれました。
それから白菜が成長しても、主人は白菜を見るたびに「結球するかな、大丈夫かな」そう言っていました。
入院する前日にも「ほんまに結球するんかいな?」って言っていました。
でも見てください、この白菜。
「あんたとの最後の共同作業は白菜の苗植え。気づいたらこんなに立派になってたよ」
1ヶ月以上バタバタとしていて、久々に白菜を見たら、今までで一番美しく、輝く白菜に成長していました。輝く白菜を見て感動しました。
野菜が育たない年は、誰かが亡くなるというジンクスを破るかのような、美しい白菜。
私の1人農業の最初の仕事はこの美しい白菜の収穫でした。
2人で手分けして苗を植えたんですけど、私がどの場所を植えて、主人がどこで植えていたか覚えています。
この大きな白菜は主人が植えた苗が成長したものです。
無理言って植えさせてくれてありがとう。
私の最初の農作業はすごい楽しくて幸せやわ
そう思いました。
一斉に白菜を収穫するにはまだ早いので、一部だけ収穫。
なぜなら、これが待ち構えているから。
玉ねぎの苗。
苗は遅くとも11月の下旬までには植えないといけないので、白菜を収穫した跡地に、新玉ねぎだけ先に植えました。
そして昨日、実家にプチ里帰りをしたんです。
ごんぼさんの輸液をするのと、両親と美味しいランチを食べるために。
最近、すごい食べるんですよ。
最初は農作業をするために体力をつけないといけないと思って、無理に食べていたんですけど、最近ではちょっと外出すると美味しそうなお店があると、フラッと入って好きなものを食べてます
実家に帰ると、母が、「昨日一人で畑仕事して大丈夫だった?1人で悲しくなかった?」って聞くんですよ。
そんな心配をしてたんや・・・と思ってびっくりしましたが、
その質問にびっくりするくらい、私、楽しかったんです。
綺麗な空気、まぶしい太陽。スクスク育つ野菜。
主人が植えた白菜を収穫し出荷できることが、とても幸せに思えました。
そして農家でよかったとつくづく思いました。
野菜を育てることは、無心になれるし、何かの成長を見るのが楽しいんです。
家でクヨクヨ悲しんでいるよりも、何かに夢中になり楽しむことで1日が早く終わるでしょう。
だから、毎日楽しく過ごしていたらあっという間に月日が流れる。
気づけば、『えっあれからもう50年も経ってたんか
』という感じになれる気がします。
主人と早く会える気がします。
年内には夏野菜の片付けもしなきゃいけないし、草刈もしないといけないし、玉ねぎの苗を植えたり、白菜の収穫、あと自家用野菜で大根やほうれん草や春菊もあるし、やることがいっぱい。
主人が出来て私に出来ない事は「トラクター」に乗ることだけなので、それは友達の旦那さんにお願いしています。
だから1人農業、楽しくこれからもやっていこうと思います。
記念の主人が苗を植えた、初収穫の白菜。
主人に見せてあげました。
「ほら、結球したやろ。でも結球させてくれたんやね。ありがとう。エエ白菜やで。
1人農業やけど、見守ってや~。」と言いました。
お正人さま(お寺さん)がつけてくださった新しい主人の名前には「光明」と「豊穣」という文字が入っています。
この名前のように、私の人生も主人に見守られ、明るく日差しが差し込み、豊かで実りのある人生になると実感した1人農業の初日の出来事でした
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