今日は主人の命日です。
だから主人との想い出をいっぱい書きたいと思います。
この前書いた通り、私が21歳、主人が20歳の時に知り合いました。
私の方が1つ年上なんです。金の草鞋ですよ(笑)
友達以上恋人以下の関係が約6年間続きました。
お互い恋人がいて、繁華街ですれ違ったことも何度かあり、私はじっと彼の顔を見るんですけど、彼はなんか下を向き、昔からシャイな感じでした。
そんなシャイな彼は本当に聞き上手で、一緒にいて色んな話をしても、上手に質問返しをしたり、話していると楽しくて仕方がなかったんです。
でも自由奔放、束縛が大嫌い、そしてわがままな2人が付き合ってしまうと、速攻で別れるのは目に見えてるし、そうなるには惜しい関係だったので、親友として年に数回会う仲でした。
一緒にビリアードに行ったり、ショットバーにいったり、バブル最盛期の時代を楽しく過ごしていました。
そんな中、私は一度だけ心の底から死んでしまいたいと思ったことがありました。
今から26年ほど前の事です。
若気の至りでの感情だと、今思えばバカな考えだと思うのですが、当時は本当にもう生きるのが辛くて、何もかも嫌になり死んでしまいたいと思ったのです。
そう決意した後、ふと最後に1人の人の声が聞きたくなりました。
それが主人です。
付き合ったこともなく、親友だった主人の声が聞きたくなり、当時は携帯電話なんてない時代でしたから自宅の電話で彼に電話をしました。
いつものように
「もしもし~、元気にしてるん?今なにしてるのん?」みたいな感じで1分ほど話し、
「じゃあまたね~」そんな感じでいつもの元気な声で電話をし切りました。
これでもう思い残すことはない、そうして最後の夜空を見ていたんです。
そしたら家の前に猛スピードで走ってきた車が止まり、中から1人の人が出て来て、私の家の窓を黙ってじっと見ているんです。
最初は誰だかわかりませんでした。
でもじっと見ていると、手招きをするんです。
主人でした。
私の家から車で1時間以上あるところから来たんです。
そして私は主人の元へ行くと、黙って私の手を引っ張り車の助手席に乗せるんです。
私は死んでしまおうなんて電話で一言も言っていないし、至って普通の短い会話をしただけなのに、なんで来たんだろう?不思議で仕方がありませでした。
泣きそうになるのを隠して、「なんで来たん?どうしたん?」って明るく言うと、
主人は
「お前の声を聞けばなんでもわかる。わざと明るく話していても、わかるんや。どうしたんや、何があったんや?」
そう言うんです。
私は理由を話さず黙って泣いていると、主人がこう言いました。
「俺はな、ずっと昔から言いたかったことがあるんや。
俺の両親に会ってくれへんか?」
私が泣いている理由も聞かず、ただ両親に会ってほしい。付き合おう。そういう主人に心が打たれました。
そして結婚まで短いですが親友から恋人へと変わった瞬間であり、その時点での人生で一番つらい時期を乗り越えさせてくれたのも主人でした。
命の恩人でもあり、私の心をすべて見通せる人でした。
その日から半年後に結婚をしました。
私が27歳、主人が26歳の時です。
話は変わりますが、主人が亡くなってからは様々な手続きがあります。
市役所も何度も行き、本籍地が現在住んでいる所と違うため、違う市役所も行き、水道光熱費などの名義変更、引き落とし口座変更、偶然2台の車の車検も重なり、一度もやったことがない車検の手続き、もう最低気温はマイナスになるのでスノータイヤへの交換。
忙しい毎日ですが、市役所でも銀行でも車屋さんでも皆さん本当に優しくて、人の温かさを毎日のように感じています。
ある日、銀行へ行って手続きをしている時に、話の流れで、「主人と死別したけれど、2人は仲が良くいっぱい話したし、後悔がないのよ」という話をしたんです。
そしたらその銀行の可愛い若い女の子が急に涙を浮かべて「私、絶対後悔する・・・」と言うんです。
そこからなぜか私が慰め体制にはいってしまいました。
「どうして?何かあったの?」と聞くと、「今朝、喧嘩してしまって・・・」
「結婚して何年目なの?」「5年目です。子供もいて」
それで私は
「子供もいて共働きで大変だよね。でも私だって結婚5年目で今の状況になったら後悔しまくりだよ。でもね、夫婦って喧嘩するでしょう、そしたらちょびっとだけ相手に悪いことをしたなって思うのよ。そして思いやり度が少しUPして、又喧嘩して思いやり度がUPして、それを繰り返して、私も今に至っているのよ」
「だから喧嘩をしても大丈夫。
そのかわり、どちらが折れないとね、悔しいけど、自分が悪くなくてもごめんなさいって大げさに言ったら旦那さんも絶対に自分も悪いことをしてしまった・・・」って思うよ。
そんな話をしていました。
何を隠そう、私と主人は結婚してから盛大な大げんかをたまにしていたんです。
普段はとっても仲が良くて、2人の休みの土日でさえ、ずっと一緒でした。
でも性格が全く違うんです。2人は。
石橋をたたいて渡るタイプの主人と、数打ちゃ当たる&当たって砕けろタイプの私です。
しかも共通点は干渉されるのが嫌、自分のペースを乱されるのが嫌。
そんな感じだったので、滅多に喧嘩はしなかったですが、一度すると本当に大変な大げんかになるんです。
取っ組み合いの喧嘩もしました(笑)
喧嘩の翌日には、私はお隣さんへ行って、「昨夜はすみませんでした。喧嘩、聞こえてました?」と聞くと「聞こえてましたよ~(笑)」。
仲良くしていたお隣さんだったのでよかったですが・・・。
今から考えて最も、しょうもない喧嘩ナンバーワン。不動のナンバーワンがあります。
結婚して1年目の時、晩ごはんを思い切って「すき焼き」にしたんです。
当時はまだ収入も少なくて滅多にすき焼きなんて食べられません。
お腹激ヘリで帰ってきた主人に「今晩はすき焼きやで~」というと大喜び。
そしてウキウキして食べはったんですけど、肉が超固い。
そして主人が「肉の横にあるコレは何や?」と聞くので、「大根や」というと
「なんで大根なんて入れるんや、大根のせいで肉が固いやろっ!」みたいな感じで大げんか。
今でもあれは大根のせいなのか、肉が安かったのかわからないんですけど、
なんとなく甘辛い味付けに大根は合うかな?と適当に入れた私でした。
これで2日は口を利きませんでした(笑)
そんなしょうもない喧嘩を繰り返すと愛情度は1歩下がります。
でもお互い「言い過ぎたな」「悪い事したな」「もう少し我慢すればよかったな」そう思うんです。
だから愛情度は1歩下がっても思いやり度が2歩上がるんです。
そうやって25年も一緒にいれば最後は「これを言ったら主人は嫌だろうな」とか、主人も「こういう風に言えばあいつは喜ぶやろうな」とか、分かり合えるんです。
折れ線グラフのように、下がったりするときはあるけど、最終的にはどんどん右肩上がりになります。
最初は主人は私の事を「大雑把で適当な奴や」って思っていたでしょう。
私も主人の事を「なんて神経質なんだろう、細かすぎるねん」そう思っていました。
でも最終形は
主人は私の事を「大らかで明るい」と言っていましたし
私は主人の事を「繊細で思いやりのある人」だと思います。
夫婦はこうやって歴史を重ね変わっていくのだと思います。
愛情は長さではなく、長さ×深さ。
相手を思いやる心の深さが大事なんだと思います。
だから結婚して25年でしたが、大げんかはしましたけど、思いやる心の深さはとてつもなく深かったです。
相手に何かしてあげよう。そうお互い思っても決して見返りは求めませんでした。
与えるだけの愛情です。
もし同性の親友がいたとします。
その人に何かしてあげたいと思う時、見返りって求めませんよね。
でも夫婦になるとなぜか見返りを求めてしまうらしいですが、私たちは親友から始まり、最後まで親友のような夫婦だったので、見返りは求めませんでした。
そして不思議な夫婦だったのです。
なぜかいつもタイミングがぴったり。
例えば、私が作業小屋で出荷作業をし、主人が畑に行ってトラクターで耕している時、
私が出荷作業を終わって片づけをしている時に、主人もトラクター仕事が終わり帰ってくるんです。
私が畑で種まきをしていて、主人が草刈をしていても終わるのはなぜか同時なんです。
他には私たちは自分の部屋を持っているんですけど、私が心の中で歌を歌っていると、全く同じ歌を主人が遠くから歌っているんです。
そんなタイミングがぴったりなことが10回とか20回どころか数えきれないくらいありました。
いつも、不思議やな~、なんでタイミングがぴったりなんやろう?
そういうと主人が「これが相性って言うもんやで」と言ってましたけど、
だから病院から電話があり、主人が危ないと聞き、急いで病院へ駆けつけました。
「いつもタイミングがぴったりやったやん、絶対に私が行くまで生きていて!!!」と心の中で願いながら。
そうして病院へ着くと主人の心臓はまだ動いていました。
私がついて、来世でも一緒になろうね、必ずなろうね。そういうと2分後に心臓が止まりました。
最後の最後までタイミングがぴったりの夫婦でした。
主人が亡くなった今、わたしにはわかるんです。
私たちは夫婦ですけど、なぜか夫婦という言葉では表せない関係だったような気がします。
ぴったりの言葉。
それは「ソウルメイト」です。
輪廻転生を繰り返し、何度も出会ってきたソウルメイト。
きっと前世でも夫婦だったんだと思います。
竹内まりやさんの歌で「ソウルメイトを探して」という歌があるんですけど、昨日、その歌を久しぶりに聞きました。
歌詞が本当に私たち夫婦の出会いと同じ。
涙がこぼれましたが、やはり又出会ってよかった、又出会おうね。そう思えました。
今日は主人の命日です。
ごんぼさんが大好きだった主人ですから、一緒にごんぼさんがいる実家へ行きたいと思います。
桂子
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