例え | 背中から入る悪魔

背中から入る悪魔

背中から入る悪魔

魂の殺人

親は子供に何をしたか

新曜社

A・ミラー 

山下公子 訳

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆

 古典的な精神医学は強大な権威を持っていますが、


幼い子どもへの教育が生んだ重大な障害を、

新たな教育規範を持ち込むことで除去しようとしている

限り、

根本的に間違っています。


精神病院で行われているあらゆる処罰の体系と、

患者を屈服させる精錬されたやり方とは、

教育が目指していたと同じく

患者の心に隠されていることば

決定的に沈黙させる

ことを目的にしたものです。


拒食症の例を引けば、

このことははっきりするでしょう。


豊かな家に生まれ、

物心両面で何一つ不自由なく育っておりながら、


今や、

自分の体重が三十キロを超えないことばかり

固執する拒食症の少女は、

一体それによって何を語ろうとしているのでしょうか?


少女の両親は、

自分達の結婚生活は

大変うまくいっているし、


子どもにしてもこれまで常に自分たちの思う通りにスクスク育ち、

何一つ問題のない子どもだったのに、


それがこのような拒食という状態になったことで

ことばもないありさまです。


私の考えでは、

拒食症の少女は、

思春期の感情の嵐の吹き荒れる中で、

もはやそれまでのように

両親の期待に応える自動販売機の機能を

果たし続けられなくなっているのだけれど、


それまでのいきさつのために、


今こみ上げようとしている

自分の感情を生きることが

不可能な状態にあるのです。


そのため

この少女は自らに服従を強い、

管理し、縛り、命さえ奪おうとする、

というやり方で語っているのですが、


これは実は

彼女が幼いころ体験したそのままなのです。


だからといってそれは、

両親がひどい人間だということではありません。


両親はただ自分たちの子どもを立派にやっていける、

能力のある、

多くの人から誉められる少女になるように

教育したいと思っているだけなのですし、


実際それは実現していたのです。


両親自身ではなく

家庭教師がそういう人だったということもよくあります。


しかしいずれにせよ

この神経性食欲不振は

厳しい教育のありさまを

すべてはっきりと見せてくれます。


すなわち、

冷酷さ、

専制、

監視のぬかりなさ、

管理、

無理解、


そして子どもが真に必要としているものを

感じ取る能力の欠如。


それに加えて、

拒絶され置き去りにされたかと思うと

ひどく優しくされるという波の激しさ

(突発的暴食と嘔吐)。


この警察体系の至高の法

次のようなものです。


お前が

私たちの求めているようになる役立つものは

すべてよい。


もし思う通りになってくれなければ

おまえを愛することはできない。


後に拒食症という

自分に対する一種の恐怖政治の中にも

この法はちゃんと反映されています。


体重は

五グラム単位で管理され、


その境界を越えた罪人は即刻罰せられるのです。




*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆





猫の解剖の例を引けば、

このことははっきりするでしょう。


豊かな家に生まれ、

物心両面で何一つ不自由なく育っておりながら、


今や、

「人体に興味があり、殺してバラバラにしてみたかった」

「人を殺して体の中を見てみたい」

「殺すために自分の部屋に2人で行った」

ということばかりに

固執する少女は、

一体それによって何を語ろうとしているのでしょうか?


少女の両親は、

自分達の再婚の結婚生活は

大変うまくいっているし、


子どもにしてもこれまで常に自分たちの思う通りにスクスク育ち、

結婚も反対されず

何一つ問題のない子どもだったのに、


それがこのような高1同級生殺害事件という状態になったことで

「何の落ち度もないお嬢様が被害者となったことに、おわびの言葉さえ見つかりません」

というありさまです。


私の考えでは、

この少女は、

思春期の感情の嵐の吹き荒れる中で、

もはやそれまでのように

両親の期待に応える自動販売機の機能を

果たし続けられなくなっているのだけれど、


それまでのいきさつのために、


今こみ上げようとしている

自分の感情を生きることが

不可能な状態にあるのです。


そのため

この少女は

ハンマーやのこぎりを事前に購入して

同級生の頭部を工具で殴り、

ひもで首を絞めて

計画的に女子生徒を殺害にし

遺体の頭部と左手首を切断する


というやり方で語っているのですが、


これは実は

彼女が幼いころ体験したそのままなのです。


だからといってそれは、

両親がひどい人間だということではありません。


両親はただ自分たちの子どもを立派にやっていける、

能力のある、

多くの人から誉められる少女になるように

教育したいと思っているだけなのですし、


実際それは実現していたのです。


両親自身ではなく

精神科医がそういう人だったということもよくあります。


しかしいずれにせよ

この神経性人体解剖は

厳しい教育のありさまを

すべてはっきりと見せてくれます。


すなわち、

冷酷さ、

専制、

監視のぬかりなさ、

管理、

無理解、


そして子どもが真に必要としているものを

感じ取る能力の欠如。


それに加えて、

高校進学直前のA子は父親の寝込みを金属バットで襲い

その前月、父親はA子を祖母(父親の母)の養子にして切り捨てた

マンションに4月から1人暮らしをさせられ

拒絶され置き去りにされたかと思うと


精神科医と両親は入院についても話し合う

ひどく優しくされるという波の激しさ


この警察体系の至高の法

次のようなものです。


お前が

私たちの求めているようになる役立つものは

すべてよい。


もし思う通りになってくれなければ

おまえを愛することはできない。


後に

絞殺し、遺体の頭部と左手首を切断した事件

という

自分に対する一種の恐怖政治の中にも

この法はちゃんと反映されています。


「1人暮らしのマンションで一緒にテレビを見るなどしていたら、

 我慢できなくなった」

その境界を越えた罪人は即刻罰せられるのです。