君を思い出す | 君に話したいことがあるんだ

君に話したいことがあるんだ

2016年6月12日に亡くなった妻へのメッセージです

君が生きている時はまだ、次男は体操教室に行くのを嫌がることが多かったよね。

柔体が硬くて柔軟が嫌だとか、鉄棒ができないから嫌だとか、コーチが厳しいから嫌だとか。

最近はそういうことをほとんど言わなくなって。

前も書いたと思うけど、次男は結構できる方だと思うんだ。転回もできてるし、空中逆上がりも。

この間なんか空中逆上がりがきれいに決まって、いつも厳しいコーチに「完璧」って褒められて、それでちょっと自信がついたみたい。

体操教室に行く前、近くの公園で遊ぶんだ。ボール投げたり、ブランコ乗ったり、鉄棒にぶら下がったり。

君が2年前に癌の摘出手術を受けて入院していた基幹病院の、すぐ目の前にある公園。

ぼくはあの公園に行く度に、君が入院していた病室あたりを見上げるんだ。

君は今の次男の姿を見たら、どう思うだろう。ものすごく成長してるから、びっくりするだろうね。

話変わって今朝のこと。通勤電車で座れたので、目をつぶって音楽を聴いてたんだ。スカパラとMONGOL 8080の「流れゆく世界の中で」って曲。君と最後に行ったライブで、生で聴いたあの曲。

君と行ったライブのことを思い出したのと、君が嬉しそうに飛び跳ねる姿を思い出したのと、歌詞の内容にやられたみたいで、思いがこみ上げて来ちゃったんだ。

降車駅に近づいたから目を開けたら、涙が出て来ちゃって。

通勤電車で泣くおっさんなんて、気持ち悪いよねえ(笑)。

誰にもバレないように涙を拭いたんだけど、そういえば今までそんなことなかったなあと思って。

泣くのは誰もいない家の中って決めてるから、ちょっと自分でも驚いたんだ。

君ともっと二人で出かけとけば良かったよ。本当に。