再手術二日目の夜を過ごす。
色々と考えさせられることが有りすぎて、心が追いつかない。
もちろん考える余裕もないほどに激痛が襲うので、一秒すら余裕がないわけだが。

ただ気持ちはまだ前を向けてる。
合併症の恐怖はある。また膵液が漏れるんじゃないかという気持ちから、膵液のタンクが溜まり続けているか確認しないと落ち着かない。

新しく胃管が追加され、今は腹部に計6本の管が入っている。
ドレナージのドレーンが2本、胆管・膵管に繋がったチューブがそれぞれ1本ずつ、あとは経腸栄養チューブと胃管がその内訳だ。

あと首の静脈に常に点滴を落として、カロリーを入れている。大したカロリーじゃないみたいだが。
あと重要なのが右半身のへそのすぐ隣に新しく加わった人工肛門だ。
これは今のところまともに見ることが出来ない。

今日一度朝に洗浄をするからと言って、人工肛門とご対面することになった。
初めて見た時は衝撃的だった。
ストーマ器具という袋がつけられていたのと、腹帯や病衣を纏っていたのでどうなっているのか全く存じてなかったのだが、全てを外して見ると小腸が腹部から一部飛び出しているのだ。

ここからは少し汚い話になってしまうが、、
これはそのままの意味で、腸自体を触ることができる。むしろ触って洗う必要がある。
それだけでも恐ろしいが、人工肛門という名の通り便はそこから出る。しかも出ることを止められない、自力では。勝手に全て出てくる。
嘘だ!といいたくなるが、本当だ。
もちろん便が勝手に出るということは、おならも我慢出来ない。

では本来の肛門はどうなるのか?
答えは何も出てこない。何もといえば語弊があるかもしれない。踏ん張れば通常の便ではなく、粘液みたいなものが出るだけだ。

色々と言葉にならなかった。
ただ泡のソープで洗ったのだが、初めては小腸を縫っている皮膚周囲が痛むのか辛かったのと同時に人に洗ってもらう恥ずかしさがあった。

とりあえず夜の回診で先生が来た後は、バイタルの音がなるだけの静かな空間で過ごすだけだ。
これもかなりの苦痛だ。
ただ健康で暇をもて余している人ならば退屈だろうが、集中治療室に入っているということはただ事ではない。

術後命に危険がある状態の人たちが並んでいるため、自分もそこに並んでいると思うと憂鬱な気持ちでしかない。
しかも明後日までそれが続くのだ。

バイタルと天井、看護師に痛み止めを頼みながら眠れない時間を過ごした。

ただ今日も2時間ほど寝ることが出来た。



------------------------------------------------------------------------
手術の始まりはこちら→手術のリスク