雪崩が‥ (あとがき)
雪崩が・・、シリーズ。 あとがきです。
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(2/3) http://ameblo.jp/fantablog/entry-10498789370.html
(3/3) http://ameblo.jp/fantablog/entry-10508366781.html
なんとか無事に生還できました‥。
季節外れの積雪量なので、雪崩の規模は小さいものでした。しかし、流された場所や埋まり方によっては、その大きさにかかわらず、時として容易に人へ牙を向けるものだと身を持って感じさせる体験でした。
毎年冬になると、雪崩であったり遭難であったり、事故のニュースが流れます。その多くのケースに、雪山を仕事場にしている人や、知識や経験が豊富であるはずの人が、被害にあっています。僕はいつもそれが不思議でした。慣れからくる気の緩みや判断の甘さなどがあるのではないかと思ってました。しかし、簡単には言い切れないことを感じました。
恐らく彼らも、今日は危険があるかもしれないから、注意を払っていこう。無理をせずに、早めの判断をしよう。そう思っていたはずです。僕も、決して経験が深いという域には達していませんが、自分なりの感覚のさらに広い範囲での危険ゾーンを意識し、常に行動をしていました。
ところが、自然が起こす現象は、人間の予想を遥かに超えてくるのです。僕のケースでいうと、ライダーがパウダーを上げて雪の層を切っていくラインから、雪が迫ってくるかもしれないというのが、想定していた現象。仮に、予想以上の雪が迫ってきても、大事には至らない、余裕を持った危険ゾーンの範囲外での行動でした。しかし、実際には、ライダーがスタート時に起こしたわずかな亀裂から、一気に雪崩を起こしました。
こんな話を先日聞きました。海外での大規模な雪崩事故。とあるロケーションでライディングシーンのイメージショットを撮るべく、ヘリで山に上がったパーティーがいました。山を熟知した彼らの多くは、津波のように押し寄せる雪に飲み込まれ、帰らぬ人となりました。もちろん彼らなりの危険ゾーンは想定していたと思います。しかし、おそらく予期せぬ出来事であったであろう、ある行動がこの惨事の原因となりました。
それは、彼らの次にヘリから訪れた、次のパーティーが引き起こした亀裂でした。後続のパーティーから滑り落ちた雪の層が、山を下るにつれ勢いを増していき、彼らに襲いかかったのです。
自然を相手にすると、頼りになるのは自分の判断しかない。万一の事態を考え、その場面に遭遇しないよう、危険から距離を置くように心がける。しかし、自然は人間の想像を遥かに超える事がある。人間に牙を剥くことも。
どんな状況であろうと、100%の安全はないフィールドで自分は動いている。再認識させられる出来事に僕は遭遇しました。そして、これからもその舞台で活動をする。出来る事といったら、よりその100%に極力近い環境で動くこと。
ゲレンデのコースも、常にパトロールの方が細心の注意を払いながらコントロールしています。そんな彼らの努力により、みなさんが楽しく滑る舞台は整えられます。どうか、ルールの必要性を理解して欲しい。同じ雪山を愛するみなさんと、いつまでも素敵な時間を過ごしていたいから。