Fanta.NAOYAH!! のブログ ~冬も夏もスノーライフ~ -610ページ目

ナイトレッジ、撮影断念

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ナイトストリートの撮影に向かいました。今回の獲物はレッジ。階段横についている、手すり状の細いコンクリート。しかもインするところに、テールがギリギリあたりそうな鉄の手すりがありました。

夜中から作業開始。少し離れた所にある雪を運ぶ為に、何度も車を往復する。思った以上に時間がかかり、撮影開始まで3時間近くたちました。

ライダーがアプローチチェックに入る。すると、スタートの際に、テールが背後にあった手すりレールに時折あたることが判明。手直しに入る。そしてあらためてチェック。スピードが出すぎる。スタート台をなだらかにさせる。そしてチェック。キックの位置と角度から、諸々の調整をし、いざ本番へ。

ライダーがレッジに乗り込んだ。しかし、そのラインはまだ内側の階段に。レッジ間際のレールが気になり、しっかりと乗り込むラインに入れない。そのまま板を横にし、ノーズでなんとかこすりきろうするものの、重心は階段側にある為に、板はレッジから外れた。バランスをくずしてはいなかったので、ライダーは無事に階段を滑り下りていった。

そこで僕は考えた。このまま続けるべきか否かを。ライダーの技術と精神力に依存する割合。そしてリスクの高さ。もう少しキックの位置を変えたいな‥。スタート台のレッジの向こう側は地面まで3m以上。もっと雪を敷きたいな‥。むき出しの階段。せめて最初は雪を入れたいな‥。色々な思いを巡らせていた。しかしマイナスな発言をすることで、ライダーへ余計な動揺を与えたり、やる気を削ぐ提案はできない。チャレンジするのもリスクを背負うのも、そして最終決断を下すのも彼ら自身なのだから。

しばらく悩んだ。雪入れで既に体力はかなり消耗し、時間帯を考えてもこれ以上の変更は厳しい。ストリート撮影には、狙ったアイテムの前後にも注意を払わなければいけないことは多い。ただそのバランスが気になった。

キックから、レッジの横から、イメージを何度も作り込んでいるライダーの姿を見ていた。どう考えいるんだろう‥。テンションを上げるような言葉が必要か。それとも、取り止めるきっかけの言葉なのか。

そのライダーのストリートの経験値やスキル、用意できたシチュエーションと色々と考えた。口を開いた。「今日、このまま続ける?」同じリスクを背負うなら、もう少しアイテムに集中できる状況にあらためて整えてからにしないか、という提案だった。ライダーも考えた末に、それに同調した。後片付けが終わる頃には、うっすら空が明るくなり始めていた。時計は4:30を表示していた。

結果的に、これ以上のチャレンジに悩んでいたライダーへ、僕が止める方向へ肩を叩くこととなりました。難しいジャッジでした。恐らく黙っていれば、レッジに向かっていたかもしれない。ただリスクを背負うことが素晴らしい訳ではない。与えられた状況下で、満足いくパフォーマンスを魅せられなければ、ただの度胸試しになってしまう。リスクとパフォーマンスのバランスの線引きが難しい。

殆どのケースではライダーのジャッジに任せます。しかし、今回は僕から言い出しました。せっかく時間をかけて準備をした。カメラマンも用意できた。けど、そんなのは二の次の話。周りの状況でライダーを追い込みたくはない。できる限りの準備を整えてから、彼らに思いっきりトライして欲しいから。

この判断が正しかったかはわかりませんが、僕らはお互い納得をした上で、撮影を中止にしました。また新たな経験を重ねた一日となりました。